学校の成果

夢工房には卒業生がしょっちゅう来てくれます。
大変有り難いことです。

彼らと話をしてると
学校での成果って何なのだろう?
と思います。

就職先?
いわゆる一流企業に入れれば良いのか?と言われれば、決してそんなことはないでしょう。

所得?
もちろんそんなの論外でしょう。
お金があればそれだけでハッピーかというと、決してそんなことはない。

一教員としては、社会に出て皆の役に立つ良い仕事をしてくれるといいな
というところかなと思ってます。
「こいつを採用して良かった」
「こいつと仕事ができて良かった」
「こいつがいてくれて良かった」
と周囲が思ってくれたら成功かな。

でも、社会に出てすぐに成果は見えないし
色々と内外の変化もあるでしょう。

なので、教育の成果なんていつ出るか分からないんですよね。

ということは、何が正解なんていつになっても分からないということなんですね。
いやー、まいっちゃうな。
本当はあまりまいっちゃってないけど。

正解は見えないとはいえ、方向を定めずに通り一辺倒のことをやるわけにもいかないので、つたないながらもこれまでの経験を元に、自分が信じていることを伝え続けるしかないのですね。
でもまぁ、仕事をする上で普遍的なことってあるわけなので、あまり迷いはありませんが。

そんな時に卒業生がいると、いろいろとフィードバックが掛けられてとても良いですね。
最近の情勢も知ることができるし。
在学中にどういうことをやると、社会に出てどういう成長をするかという推測が付けやすくなりますから。

今日はたまたま大手機器メーカーから自動車メーカーに転職が決まったという卒業生が来てくれました。
結構長いこと努めて肩書きもあった彼が、上司に転職することを伝えた際には、昇進とか大幅昇級とかを持ちかけられたそうですが
彼曰く「金の問題じゃないんだよな~」

そうだよね。
お金の問題じゃないんだよ。
心が動き続けられる環境が無いとダメなんだよな。

自力でそういう環境を作れれば良いけど
会社が大きかったりすると、それにも限界があることがありますね。
そういうときは、新しいフィールドで勝負を賭けるのも良いでしょう。

この彼は、学生の時から海外の大会に出てバリバリやってたので
本来は自動車メーカーなどで世界中を飛び回って頑張る方が合っている気がします。
なので、やっと収まるべきところに収まったという感じかな。
これからどうなるかお楽しみ。

という感じで、卒業してすぐになんて
どうなるか分からんのですよね。

そうそう
今日はもう一人卒業生が来たのです。

彼は希望していた航空機メーカーに就職したのですが…
あまりにモチベーションが高いので、希望していた航空機の部門ではなく
製造機械の部門に配属されてしまいました。

どういうことかというと
その部門の製品はシェア日本一なのですが、世界一を狙うと。
そこに必要とされたようなのです。

でも、本人は腐ることなく高いモチベーションを維持して嬉々として仕事をしてます。
これからも、ぶつかったり転んだりしながら成長し続けていくでしょう。
これまた楽しみです。

我が夢工房
在学中にずっと在籍して頑張り続ける者がいれば
もちろん、ここから離れていく者もいます。
いずれにせよ社会に出て
この部屋での経験を少しでも活かして良い仕事をしてくれれば
それは成功なのだろうな
と思っています。

トレードオフ

何かを得て引き換えに何かを失う
そういう考え方をトレードオフと言いますね。

これ、あらゆるものについて言えることだと思ってます。

レーシングカーの設計なんかだと分かりやすいかな。

丈夫で耐久性が高いものにすると重くなりやすいので、運動性能が低下するとか。
なのでもちろん、運動性能を向上させるためには軽くする必要があって、そのためにいわゆる安全率を削っていくと強度とか耐久性が犠牲になる。
F1マシンなんかは、驚くほど安全率が低いです。
具体的にどの程度の安全率を持たせるかというのは、各チームの機密情報なので、一般的にはオープンにされません。
それが分かっちゃうと、チームの戦略とかも明らかになっちゃいますからね。

「速い車を作ろう!」
とか言うと、アレ付けてコレ付けて…と足し算で考えていく人がいるけど、色々足されていくと重くなるし、それだけ信頼性が低下するとか、弊害があるわけで、良いことばかりが足し算されるわけではありません。
何よりそういうものって美しくないですよね。

自動車で言えば、もちろん量産車も色々なトレードオフがなされています。
誰でも乗れる、安全性や快適性も求められるなど、色々と複雑な要求がある量産車は、様々なものがトレードオフされて、商品としてのバランスを取ります。
トレードされちゃうのは、性能だったり、重量だったり、価格だったり、外観や品質だったり…。

これ、人の生き方も同様だと思います。
何かを得て何かを失う。
一見失ってばかりの人生でも、意外と見えないところで何かを得ていたりするものです。
失う瞬間は、得られるものが見えなかったりすることが多いですが。

そんなことを考えていくと、何か集中すべきものを見付けて、ストイックに注力していくと、そのために色々失うこともあるでしょうけど、何かを得られるのは必然なんですよね。

やっぱり勇気ある決断とか行動とかが大事なんだよなぁ、と思う今日この頃。
初動の時点で迷うとロクな結果が得られないもの。
これ、最初のトレードオフで何かを失うことに躊躇しちゃって、その時点でトレードオフが効いちゃってるんですよね。
まぁ、ややこしい。

大事なことのおさらい

そろそろチームに新人が入ってきそうな雰囲気になってきました。
彼らにマインドの面で新たに気付きを得て欲しいことを、自身への復習の意味も込めて書いておくとしましょう。

まずは元気
これ最重要。
自信が無いと元気にやれなかったりしますよね。
それは分かります。分かりますが、それでも元気にいきましょう。
元気にやっていれば、そのうちきっとうまくいきます。
自分がうまくいかなくても、周りがうまくいったりします。
良いことしかありません。

やる と やらされる の違いを理解する
世の中、自分の意思とは関係なく、やらなければいけないことは多いですね。
学生ならなおさらかもしれません。
高校までの学校での勉強って、そんなことばかりだったのではないかな。
しかし、自分の好きなことをやるのなら、そういうやり方からは脱しないと、楽しくはならないし、楽しくないのに良い仕事はできません。
自分でやると決めて好きなことをやっているのに、まるでやらされているようなやり方をしてしまったら、良い成果は出るはずありません。とてももったいない。
分かってます。今までの習慣でそうなってしまうことは。
じゃぁ、どうすんの?

自分で考えて決めて、失敗を恐れずに行動する
でも、考えすぎちゃダメ

大事なのは、失敗しないことではありません。
自分の欲しいゴールに到達することです。
事前に考えることは大事です。
でも、これ以上考えてもしょうがないと思ったら、即行動!
動けば何かが分かります。
ペーパーテストをやっているのではないのだから、答えは何度出し直しても良いのです。ただし、締め切りを守るのであれば。
ひょっとしたら、大事なのは、むしろ失敗することなのかもしれません。

他と異なることを恐れずに、勇気を持って、そこに優位性を見いだす
個性や優位性は欲しいけど、皆と違うのは怖い。
そんな矛盾した気持ちがどこかにあるかも。
みんな良いだの悪いだの言いますが、ものごとには多面性があって、違う視点から見ると色々と分かることがあります。
そういうところから成長の材料とか、勝負のネタを見付けられると良いですね。

さぁ、こんなもんでどうだ!

こんな方針で頑張っても、きっと失敗するし、きっと行き詰まります。

ざまーみろ。
人はそうしないと成長しないんだぜ。