絶対うまくいくヤツ

たまに自己啓発本と呼ばれるジャンルの本を読みます。
仕事が仕事なのもありますが
自分を改造できるようで面白いじゃないですか。

こういう本って
内容が参考になるのはもちろんですが
何より「自己を」「啓発する」
という姿勢が大事なのだと思います。

そんなこんなで
「たまに読む」と言う割には
結構な数が手元に溜まっています。

どれもそれぞれもっともなことが書いてあって
役に立つのですが
中でも

これは絶対うまくいくだろう!

と思えるのが、知る人ぞ知る
中村天風
という人の著作です。
自己啓発本の元祖のような人ではないかな。

Wikipediaで来歴を見てもなかなか面白い
というか、ちょっとビックリな内容です。
本の内容もかなり説得力があります。

一応言っておきますが
明治から昭和にかけての人なので
文体が古くて読みにくいかもしれません。
初版が昭和22年とか
そういう本ですので。

私は最初に読んだとき
かなり読みにくくて
なかなか読み進められませんでした。
そのうち慣れちゃいましたけどね。

内容は70年以上前だったりするのですが
今でも何の問題もなく通用します。
人や物事の本質って変わらないんだな
と思います。

でも、こういう内容を受け付けない人もいるでしょうから
誰にでもお勧めできるわけではありませんけどね。

自己啓発本を読むようになったきっかけは
やはり今の仕事です。

学生達のやっていることが
うまくいくようになるといいな
と。

知識やらスキルやらなんてのは
やっていれば身に付くものだと思っていますが

問題は…
「やるかどうか」
「やるまで」
なのですよ。

つまり心の問題なわけで
そんなもの、他人が直接何とかできるもの
ではなかったりするのですけどね。

なので、環境作りという意味も込めて
相手を改造するのではなく
自分を改造しよう
ということになるわけです。

肝心の本の中身の話はしないのかって?
まぁボチボチしていきましょう。

しょうもなくて何が悪い?

普通じゃないと心配?
変わってないと面白くない?

あなたはどちら?

今、著名なF1マシンの設計者である
エイドリアン・ニューウェイの自伝を読んでいます。

まだ読み始めたばかりだけど面白いです。
実に面白い。

以前読んだ、バート・マンローの生涯を書いた伝記も面白かったですね。
(※バート・マンロー:映画「世界最速のインディアン」のネタ元となった人物)

偉人伝などでは、よくエジソンなどが引き合いに出されたりするけど
結構多くが、しょうもない幼少期を過ごしていたりします。

この幼少期のしょうもない行動は
自分の興味を最優先として多くの経験を重ねている
という重要なプロセスなのでしょうね。

何に対して優先されているかというと
他に及ぼす影響と、そこからくる評価・評判だったりすることが多いのではないかな。

要は、自分の欲求を最優先して人の迷惑を顧みない
ということにもなるかかもしれませんね。

これ、いい歳した大人になってからやると
ちょっと問題かもしれませんが
幼少期になるやら多少は許される部分はあります。

いや、いい年しても変なことを散々やってた人達もけっこういるな。
バート・マンローなんて好例ですね。
なにせ78歳で亡くなる直前まで速度記録の現役ですから。

そんな人達に共通するのは

変なことをしてひどい評価をもらう恐怖
人と同じこと・同じ生活ができない恐怖などなど

そんな外部の物差しに適合できない恐怖に
フォーカスしていないということじゃないかな
と思います。
というか、これは確信です。

レースだって、成績という物差しに…

いやいや、そもそもレースは普通にやったら負けなんで
あれはアウトサイダーの集まりですから(笑)

なので、夢工房では
しょうもないことをドンドンやって欲しいのです。

失敗を恐れて決められた正解を探すようなやり方は
はっきり言って時間の浪費です。

アイデアなんて最初は
しょうもないものだったりするのですから。

最近の堅苦しくて狭苦しい世の中には少々辟易していたりしますが
そんな中でもできることはあるはずです。

Formula SAEや模擬惑星探査機のイベントは
数少ない自由で貴重なフィールドの一つだと思っています。

「衝動」に支配される世界 読了

「衝動」に支配される世界
読了しました。
空き時間にチマチマ読んでたので
1ヶ月もかかっちゃいました。

この本、ポール・ロバーツという
ジャーナリストが書いたドキュメンタリー
なのですが

グローバリズムとか
インターネットを通じた便利な消費社会
それに関わるマスコミや政治
そしてそれらの環境で
衝動的に消費する消費者(ごく普通の人々の行動です)
という
難しい環境にハマっている
現代アメリカの困難を描いた作品です。

なぜアメリカが今のような
強烈な格差社会になっているのか
なぜそれが変えられないのか
というのがよく分かりました。

マスコミの報道やネット上の情報では
どうも原因がよく分からなかったので
どうしても知りたかったのです。

この複雑怪奇な状況
ちょっとした感想文などで
簡単には表現できませんのであしからず。

読んでいて、1、2年くらい前の著作なのかな?
と思っていたのですが
実は7年前。

現在のアメリカは、出版当時同様
今だ難しい状況にあるということですが
何とか脱してほしいものです。

実は日本も着実に同じ轍を歩んでいるというのも
嫌というほど感じます。

で、そのまま行くとどうなるのか
というのは
この本に明確に書かれています。

簡単に言うと
格差は開いて
「経済は回るけど社会は回らない」
という状態です。

「経済は回る」
というのは、みんながお金持ってる
ということではなくて

国内の産業は衰退して仕事は無くなって
みんな貧しくなって中間所得層はいなくなって
国民は精神的に分断されてコミュニティは消滅して
でも
デカイ企業は超儲かる!
みたいな感じです。

国民性の違いなどはあれど
同じようなシステムで
似たようなことをやって
似たようなことが起きているので
似たようなことになる可能性は高いと思います。

自分自身の行動を振り返っても
「ああ、このままじゃダメだなぁ」
と思います。

そんな状況を考えると
我が政府が
「新しい資本主義を…」
と言い出したのも理解できます。

本書には、解決策が提示されているのですが
そこを読んで思ったのが
「昔の日本人の価値観なら
こんな問題は起きないな」
ということです。

「昔の…」
ということは
「今の」価値観のまま行くとダメだ
ということなのですが…
まぁ、ダメでしょう。
でも、何とかしないと。

昨日の記事に教育勅語を引用したのは
実は、著者が示した解決策を見ていて
「教育勅語の内容みたいだな」
と思ったのもあるのです。

たぶん、その辺に脱出口がある。
ヒントは得たのでOK!
読んで良かった。

今回の記事
「何が問題なのかハッキリ言えよ」
ってな感じでしょうけど
それが簡単に言えたら苦労しないのです。
興味のある方は、ぜひご一読を。

ところで
古き良き日本の道徳観念というのは
実は凄く良くできていて
根底の大事な部分をしっかり抑えられているんだなぁ
なんて、この年になって感心したりしています。

ま、それだけ不勉強であった
ということなんですけどね。