電気の時代がやってくる 2024年版

一時はかなり盛り上がったEV(電気自動車)ですが、最近ではだいぶ様子が変わっていましたね。

エネルギー密度にまつわる重量の問題や、コストや充電時間の問題など、基本的なところに関しての問題は当初のまま…それはもう、100年前から変わらないわけですが、ここに来て新たな問題が露呈してきました。
…と思っています。

現状、中国は相変わらずEVでイケイケ状態のようです。
対して、欧米では一頃の盛り上がりが見られません。

そこでは何が起きているのでしょう?

以下は私の予想です。

バッテリーの原料は、いわゆる発展途上国で採掘されます。主にアフリカとか南米ですかね。
人件費が安いので当然です。
その採掘現場でも、色々問題があるようですが、ここでは細かいところに触れるのはやめましょう。

そして、採掘した原料を精製したり、それを使ってバッテリーを生産する国は限られていて、中国が最大のシェアを握っています。

欧米と中国の仲が悪くなれば、バッテリーが思うように使えなくなる可能性があります。

自動車の多くがEVにシフトした状態で、ある日突然、バッテリーの価格が急上昇したり、手に入らなくなったら、それはもう大変なことになります。

いわゆるエネルギー安保の観点から、EVシフトは妥当では無い、という判断は働いているでしょうね。

そういったこと以外にも、世の中は問題だらけなようです。
そして、我々が入手する情報は、今やフェイクなのか正しいのかすら良く分かりません。
そもそも、ひとつの事象に対して色々な見方ができるのに、特定の見方をした情報源に頼っている時点で、正しく物事を見られているのかは怪しいものです。

世の中気になることだらけなのですが、我々は雑音に惑わされることこと無く、やるべきことをやるべきなのでしょうね。

その「やるべき」というのは、「己が信じること」です。

やっぱりそうなったかEV

EUが2035年以降もエンジン搭載車両の販売を容認するそうですね。
まあそうでしょう。

理由は色々あります。
まず一番身近で深刻なのが、ウクライナとロシアの戦争によるエネルギー問題ですね。
EUがロシアから天然ガスをはじめとするエネルギーを輸入しなくなったこと。
EVのための電気は、発電所で得るわけですが、天然ガスをはじめとする化石燃料が無ければ発電量が減ってしまいます。
そこは再生可能な発電方法で…と言いたくなるかも知れませんが、その施設を作るにも大量のエネルギーが要るわけで。

あとは電池やモーターを作るのに必要な、いわゆるレアメタルの問題。
代表的なのはリチウムでしょうけど、これが採掘できるところは限られていますし、精製するための施設も限られている。
その供給が絶たれれば危機的なことになるし、コスト面のリスクもあるでしょう。

電池そのものを製造するためのエネルギー量とか、リサイクルや廃棄物の問題。
大きさや重さの割にあまりエネルギーが入らないので、クルマが大きく重くなっちゃうか、走行距離を伸ばせないととか。
充電に時間がかかるのも問題です。

クルマそのものにも問題はあります。
まずコスト、そして重量。
古くなったときにリセールバリューが確保できなければゴミ箱行きですし、事故を起こしたときの安全性確保(感電とか発火とか)などなど。

他もに問題はあるでしょうし、ひょっとしたら解決済みor解決間近の問題もあるでしょうけど、今の世界情勢にマッチする改善スピードは得られなかったということでしょう。

じゃ、どうすんの?
という話しですが、ここで俄に脚光を浴びているのがe-fuel(イーフューエル)です。
簡単に言うと化学合成された燃料です。

代表的な燃料の分子構造はこんな感じで、簡単に言うと「H」(水素)と「C」(炭素)がくっついているわけです。

Cは大気中の二酸化炭素から持ってきて、Hは再生可能エネルギーで作って、それらをくっつければ燃料になるじゃん!という寸法です。

こうやってできた燃料を燃やしても、Cは大気中に還るだけなので、カーボンフリーだよね、という理屈ですね。

液体燃料は、バッテリーの100倍もエネルギー密度が高いので、乗り物としての効率は上げやすいのです。
軽くてパワーがあれば効率が上がるのは当然です。

F1マシンなどはいずれe-fuelで走るという方向性を打ち出していますし、この燃料は既存のエンジンに使用することもできます。

技術的にはまだ研究中で、製造量とかコストの問題はあるでしょうし、そもそも製造に必要なエネルギーは大丈夫なの?と課題もあるでしょうけど、実現すれば、また今回もEVはエンジンに負けたか…となります。100年前の再現ですね。

まあ今や、EVとエンジンで勝ったの負けたのという話しより、いかに環境を改善していくかということが急務であって、本当の問題はもっと大きな枠で見るべき時なのでしょう。
その「環境」も、地球温暖化とその原因と言われるCO2だけではなく、我々の生きる環境全てというスケールで。
そんなことを考えていると

「戦争なんてやってる場合じゃねぇだろうが!」

と言いたいところですが、当事者にすれば
「環境とか言ってる場合じゃないのだ!」
というところでしょう。
今、ここにある命が掛かってますから。

我々は難しい世界に生きています。
しかし、その難しさに向き合うことによって
そこに意味とか意義が生まれるのだと思います。

電気の時代がやってくる バイク編

クルマやバイクの電動化は
今や既定路線…ですかね。
将来的にどうなるかは分かりませんが
少なくともそのように見えますね。

バイク業界には数年前から
新興メーカーが色々なモデルを投入していますし
既存の大御所も電動化をやっていたり
計画していたりという状況です。

このままバイクが電動化の方向に進むと
何が変わってくるでしょうか?

クルマみたいに
そもそも大きくて重い乗り物であれば
エネルギー密度の低いバッテリーを
たんまり積んでもさほど問題はないのかもしれませんが
バイクとなるとどうなのでしょう?

バッテリーの容量はもちろん
充電時間も気になるところです。

例えば、夏休みともなれば
日本中で多くのライダーがツーリングを
楽しんだりするわけですが
同時に帰省の時期でもあって
高速道路の充電施設は満員御礼になるでしょう。
その中にバイクが入り込む余地があるのか?
特にグループでツーリングなんかしてたらどうなのかな?
何てことも気になります。

これはバイクに限ったことではなくてクルマも同様ですよね。
エネルギーのチャージに時間が掛かる乗り物が
一カ所に集結する際に起こりえる問題を
どう解決するかは課題でしょうね。

まぁ、こういう問題は考えれば誰でも分かることなので
きっと解決差を考えている人がいると思いますが。

あと、今回の佐多岬への走行中に考えていたのは
こんな走り方はEVじゃ無理かもしれないなぁ
ということです。

満充電での走行郷里が短くて
チャージのたびに数十分掛かってしまうとなると
1日で長距離を走るのは難しくなってくるのは当然ですから。
それが高い速度域だとなおさらです。

とまぁ、これから何かが変わる
となると、往々にしてデメリットばかり
考えてしまうものですが
当然メリットもあるはず。

電動モーターならではの
グイグイくる加速なんかはEV独特で
あれはあれで楽しいかもしれません。

あとは静かですしね。
意外と「音疲れ」ってあるのです。
エンジンの排気音は、アドレナリンの源ですが
疲労の源でもあります(笑)

電動で制御が使い勝手や乗り味に
及ぼす影響が大きくなるとすると
今、テスラがやっているような
制御プログラムのアップデートによる
機能の更新や変更なんかは楽しいかもしれませんね。

量産効果や技術の進歩に伴って
車体価格の大半を占める
バッテリーのコストが下がれば
車体価格は当然下がるでしょうね。

でも、世の中あれもこれも電動化
って事になってくると
現在も問題ではありますが
「銅」の価格が高騰したりして
今とは別のコスト問題が浮上するかもしれませんが。

維持費などはどうなのでしょう。
でっかいEVバイク、確か車検が無かったりしますよね。
油脂類なんかは当然負担が小さくなるでしょう。
回生ブレーキを上手に効かせれば
ブレーキの負担も小さいでしょう。

大して、EVならではの負担は?
重い車体に大きな低速トルクによるタイヤの消耗?
タイヤの技術も進化するでしょうから
一概には言えないと思いますが、どうなのでしょうね。

バッテリーの消耗に伴う交換費用は結構な
出費になるかもしれません。
同様の理由で
下取り価格が大きく下がる
なんてことは考えられるかもしれませんね。
買い手のいない乗り物は
ゴミになってしまいます。

色々興味深いところではありますが
昔からちょっと気になっていることがあります。

自動車であれば、物にもよりますが
クラッシックカーにはプレミアムが付いていたり
好んで所有や走行を楽しむ人達がいますよね。
古くても、というか、古いからこそ
価値があるようなところがあります。

それに対して
電気で動くものって
博物的な価値がある場合もありますが
時間が経つと実用に耐えなくなる場合が
多いのではないでしょうか。
世に登場した初期の頃のパソコンやラジオを
好んで使い続ける人はあまりいないでしょう?

真空管オーディオなどは
独特の味があって
それこそが価値ですから
時が経っても価値を維持していますが
本当に古い製品はどうなのでしょうね。

乗り物になってくると
その辺がどうなるかは見ものです。

環境に優しい
とか言いながら
耐用年数が短くなったりしたら
本末転倒です。

お気に入りのEVを乗り続けるために
メーカー欠品のバッテリーユニットや
制御回路を自分でレストアしたり
そんな人が登場するのでしょうか?

色々興味は尽きませんが
こういう大きな時代の変化点に自分がいる
というのは大変結構なことだとも思っています。