効率よりも大事なこと

「良いものを安く手に入れたい」
そうでしょうとも。
そういうニーズは多いでしょう。

ニーズの無いものは淘汰される
それも必然でしょう。

しかし、その「ニーズ」の内容が問題です。
そこにトレードオフがあることも忘れてはいけません。

短期的な効率を目指すと文化は失われます。
「文化」と呼ばれるものは
大抵は非効率だったりします。
でも、その中に大事なものがあるのです。

あとは環境に対する影響です。

例えば、自動車などは分かりやすいかもしれません。

最近の売れ筋といえば
ミニバンや軽自動車でしょう。

では、メーカーが
そればかり作るとどうなるか?

クルマが大好きな若者は減ってしまうと思います。
ミニバンや軽自動車には夢やロマンがありません。
断言してしまうのもどうかと思いますが
一般論としてはそうでしょう。

ミニバンや軽自動車が大好きで
最高のミニバンや軽自動車を作りたい!
と情熱を燃やす人は少ないのではないかな。

自動車好きと言えば
スポーツカー…とは言わないものの
いや、言っちゃっても良いかもしれませんが
いずれにせよ、それなりにインパクトのある
カテゴリーにこだわるものです。

そういう人達が次世代の開発の中心を担う
のではないでしょうか。

自身の経験からもそう思います。

なので、メーカーが効率を追求して
パッション関係無しの
儲かるクルマばかり作るようになると
次世代の「燃える開発者」が
いなくなってしまうのではないかと思っています。

そう
効率を追求すると
パッションとか夢とかロマンとか
目に見えなくて数値にできないものは
邪魔になるのでしょうね。

あとは
義理とか人情とか
任侠映画に出てきそうなことが
仕事をする上では
とても大事だったりするのですよね。

でも、それらも見えないし測れなくて
教えようもない
というか
教えにくい。

テクノロジーや理論で何とかしようとしても
人の心は理屈では動かないのです。

AIが台頭してくる今
これらを忘れてはいけません。

そうそう!
だからレースは大事なのですよ!

効率追求のトレードオフ

自動車整備工場が減って
ディーラーが残る。

しかし
町の整備工場がなくなってしまうと
あそこに持っていけば何とかしてくれるよ
という商売が無くなってしまいます。

最近では
雑貨屋さんのような商売はほとんど見ませんね。
個人経営の商店は減っています。


コンビニとか
スーパーとか
ショッピングモールに置き換わる。

チェーン店のようなところは
あらかじめ決められたマニュアルに
従って仕事が進められるので
効率は良いでしょう。
ラクだし。

お客さんも無駄なく手早く欲求が満たせる。

もちろん
効率を重視しているので
収益は良いわけで
報酬はそこそこ良いわけです。

ラクで儲かる割りの良い仕事
ということになるのでしょうね。
で、多くがそれをやりたがる

でも、何事もトレードオフがあります。

効率を追求してマニュアル化すれば
工夫の余地は最小限で
マニュアルに無いことはできない。

効率を最優先にすれば
そういうことになるのでしょうが
これは大問題です。

最終的には
人件費の低いよその国で作られた
安価な製品を買えばいい
ということになっちゃう。
というか
すでになっている。

いざ、自らの力で何か新しいことを…
と思っても
リソースが無いのですよ。

例えば
与えられたことをやる能力があっても
それは
新しいことを生み出す能力とは違います。

そんな能力は授業では与えられないし
成績表に表せないのでムダです。

そんな社会環境の中で
効率を追求して物質的に満たされても
心が満たされるのとは違うな
ということが分かりつつある
そこが我々の現在の立ち位置です。

これは
理想と現実のギャップが見えてきた
ということでしょうか。

であれば、捨てたものではありませんね。

得か? 徳か?

将来は安定した暮らしを…

と、将来を望むのはよくある話。
なのですが

これ、一体何を望んでいるのでしょうね?

収入に対しての支出の話であって
収入に対する労力で
インプットに対するアウトプットで

いわゆる
「インカム(income)」に対する
「アウトゴー(outgo)」ですね。

同じようなアウトゴーに対して
同じようなインカムが継続的に得られる
といったような感じで

さらに
あわよくば得したい
わけです。

言ってみれば
タイパとかコスパですかね。

違いますか?
昔々、学生の頃
私はそう思ったことがありましたよ。

皆がそんなことを言うので
そういうのもアリなのかな?
と思ったのでしょうね。

速攻で
そんなのくだらねぇ
と思って却下しましたが。

安定なんて
そんな面白くなさそうなことは
きっと自分には継続できない
と思ったのです。

さて、今回は何を言いたいのかというと

「得したい」
と思っているかぎり
「得しない」
ということです。

なぜって、それは簡単です。

そういう人の動機は
「自分が」「得をしたい」
です。

あなたは
「得したいなー、得したいな-」
と思っている人に
得させたいと思いますか?

恐らく多くの人は思いません。

でも、今やそれが「普通」になっていませんか?

相手に得をさせよう
とは思わずに
自分が得したい
と思う。

これは
相手には価値を手渡さないけど
自分は欲しい
ということです。

気持ちは分からなくはないけど
理にかなっていません。

得したい
という心には
徳が無いのですね。

なかなかうまくいかないのも当然でしょう。

ただ
得したい
と思っている状態から
徳のある行動をするには
かなり勇気が必要です。

しかし
勇気が必要な行動の多くには
価値があるのですよ。

対して
勇気の要らない行動の多くは
価値が無かったりします。

そんな事を考えていると
価値を創造するのは
シンプルだけど難しいのだよなあ
なんて思うのです。