目指すところ -研究室の理念-
自動車産業はもちろん、あらゆる開発業務に対応可能な人材育成を使命としています。
実際の開発作業を行うことにより、技術や知識はもちろん、業務遂行に必要な思考や関連するノウハウを獲得し、ビジョンを実現できる開発者を育成します。
東京電機大学が建学の精神として掲げる「実学尊重」、そして理念として掲げる「技術は人なり」この2つを研究室の基本ポリシーとして、エンジニアとして即戦力となる人材を育成することを当研究室のミッションとしています。
机上の理論だけではなく、仲間と共に現場に立ち、現物を相手に、現実ベースで実践することにより、社会から必要とされる人材を育成することが基本方針です。
学生が開発した機体”CanSat”はロケットにより打ち上げられ、上空4,000mで放出、パラシュートで降下後に自律走行でゴールに向かいます。
東京電機大学スペースプロジェクトの惑星探査機は、当研究室で開発されています。
一つの部分・要素のみにフォーカスして深く追求する一般的な「研究」のスタイルではなく、性能はもちろん品質やコストなどを考えながら、全体の目的・目標からブレークダウンして各部のあり方を決定し、最適化する「開発」のスタイルを取ります。これにより在学中に、企画-設計-製作-評価とフィードバックという一連の開発のプロセスを経験することになります。
現地での実際の運用や交流を通して、より実践的な経験を積むことになります。
「自動車工学研究室」と銘打っていますが、乗用車などを含むいわゆる自動車に限らず、動力で移動するもの全般を対象としています。 当研究室では現在、レーシングカーなどの自動車の他に、CanSatと呼ばれる小型の模擬惑星探査機も開発しています。これはモーターを動力源として車輪を使って自動制御で走るのですが、「自動車」とは呼びにくいですよね。なので、人が乗る乗らないにかかわらず、エンジンやモーターなどの人工の動力源で動くものが研究対象であると考えてください。
動力源がいかに変化しようとも、運動性能や効率など様々な性能の向上が常に求められます。これは市販の自動車に限らず、レーシングマシンを含むあらゆる車にも言えることです。当研究室では、二輪・四輪の各種自動車や惑星探査機などの形態にかかわらず、実際の開発を通して、エンジンやモーターなどの動力源、車体、サスペンションやブレーキなど、車体を構成する全ての部分について、性能はもちろん、材料や製作方法をはじめ基本コンセプトから常識にとらわれない自由な発想によって実践的な研究・開発活動を行っています。
現在の研究内容
・Formula SAE車両の研究開発
・模擬惑星探査機CanSat機体の研究開発
・Team NOBBYとのコラボレーションによる鈴鹿8時間耐久レース関連の研究開発
・燃費競技車両の研究開発
機体はカーボンファイバー複合材によるモノコック構造。車輪も同じくカーボンファイバー複合材で成形されています。駆動はコンパクトでハイパワーな三相モーターによる四輪駆動。
驚異的な耐衝撃性と軽さを持ちながら、高速走行と高い走破性を両立しています。
卒業研究で獲得する具体的な開発スキルとしては、設計・製図(手描き、2次元CAD、3次元CAD)、解析(機構解析、応力解析、流体解析、運動解析など)、各種加工技術(切削、研磨、溶接など)、複合材料による成型技術(カーボンファイバー複合材の積層成形など)、走行テストとデータの分析、測定、制御、電子回路基板の製作と部品の実装など、多岐に渡ります。
ショックアブソーバは、通常であれば鉄系合金で作るべき部分すらアルミ合金とし、驚異的な軽量化に成功。ブレーキキャリパーは、高い開き剛性を持ち軽量なモノボディの対向4ピストン 、取付形式はラジアルマウントです。