止まったら負けだ

キャリアデザインって聞きますよね。
私、そういうの考えたことないんですよ。

仕事していて、たまに
「この仕事していると偉くなれんのかなー?」
なんて思うことも以前はありましたが
それはいわゆる「偉い人」になりたかったわけではなく
ふと思っただけです。

今さらながら考えてみれば
今に至るまで
やりたい事や、やるべき事を
好きなようにやってきたらこうなった
みたいな感じですからね。
無計画な人生と言う人もいるかもしれませんが
それなりに意味は感じてるので
結構、満足感はあるんですよ。

今まで色んな事をやってこられたのも
色んな人のお導きのおかげですから
そうれはもう、沢山の人に感謝しています。

いわゆる「偉い人」に自分は向いてないんじゃないかな
と思ったのは
前職で、ある日ボスに呼び出されて
「小平、おまえ係長な」
と言われたときに
うれしさよりも寂しさを感じてしまったときでしょうか。

それまでは、班長とかグループリーダーとか
やらせてもらっていましたが
それは現場へばりつきのエンジニアだったわけですよ。
でも、係長となると、ちょっぴり管理側で
ちょっぴり現場の実務から離れるわけですね。
図面描くより見る側で
マネージメント側の立ち位置に変わってくる。
この辺は会社によっても違うでしょうけど。
それがとてつもなく寂しく感じたんですね。
だって現場大好きだったから。

まぁ、結果としては
ボスが新しい部署を作ってくれてハッピーな日々が始まりました。

その部署は
自分で図面描いて
自分で部品作って
自分で組んで
車を走らせることができるという
まるで今の夢工房のような組織でした。
少人数で構成した、その「特殊部隊」を回せ
それが私にアサインされた仕事です。

「特殊部隊」では、入社間もない新人設計者数名と
ベテランの試作のエキスパートが
私の部下に付きました。
変態野郎ばかりで最高でした。

こういう部署があると
超短納期かつ低コストで試作車を作れるので都合が良いんですよね。
でも、普通の人にはかなりキツイんじゃないかな。
そう簡単に「できない」とか言えないし。
変な仕事ばかりだし。
でも、変態野郎達のチームは、毎日がお祭りでした。

あるとき、試作車の改修作業をやっていて
「こりゃ、締切までに終わらんわ」
ということになって、ボスに
「絶対終わらせたいから徹夜させて欲しい」
って頼んだら、労働組合と交渉しなきゃいけないし
徹夜なんて認められるわけないって言うので
「じゃ、組合辞めます」
って啖呵切ったら何とかしてくれたりしたのは良い思い出だなぁ。
今、そこそこ色んな事ができるようになっているのは
無茶言って無茶やっても
フォローしてくれた周囲の人達のおかげです。

ちなみに
当時、労働組合には専従(組合の仕事だけしてる人)に
幼稚園~高校まで一緒だった友達がいたんですね。
で、組合事務所に乗り込んで行って
「組合費を巻き上げておいて、やりたいことをやらせないのか?オレは組合辞めるぞ!」
なんて言いに行って喧嘩したのも良い思い出。
その後、なぜか社則が変更になって
「従業員は労働組合に所属していること」
という一文が追加されましたとさ。
「オレのための社則だ!」
と喜んでいた私は、やはり馬鹿野郎です。
やっぱり、キャリアデザインなんてどうでも良かったんです。

そういうの、考えたい人は考えれば良いけど
考えてる暇があったら進んじゃうのも手ですよ。

最近の会社では、とてもこういうことはできないでしょうけど
夢工房の学生達には
ムチャクチャでドタバタでヒーヒー言いながらも
凄い流れに乗っているような感覚で突き進む
そんな経験をさせてあげたいのです。

あの歳でそんなことやってたら凄いヤツになれるはず。
普通の物差しでは測れないから
いわゆる「優秀」ってことにはならないかもしれないけど
希少価値はありますよね(笑)

技術は人なり

…でいいのかな。

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