電気の時代がやってくる 2024年版

一時はかなり盛り上がったEV(電気自動車)ですが、最近ではだいぶ様子が変わっていましたね。

エネルギー密度にまつわる重量の問題や、コストや充電時間の問題など、基本的なところに関しての問題は当初のまま…それはもう、100年前から変わらないわけですが、ここに来て新たな問題が露呈してきました。
…と思っています。

現状、中国は相変わらずEVでイケイケ状態のようです。
対して、欧米では一頃の盛り上がりが見られません。

そこでは何が起きているのでしょう?

以下は私の予想です。

バッテリーの原料は、いわゆる発展途上国で採掘されます。主にアフリカとか南米ですかね。
人件費が安いので当然です。
その採掘現場でも、色々問題があるようですが、ここでは細かいところに触れるのはやめましょう。

そして、採掘した原料を精製したり、それを使ってバッテリーを生産する国は限られていて、中国が最大のシェアを握っています。

欧米と中国の仲が悪くなれば、バッテリーが思うように使えなくなる可能性があります。

自動車の多くがEVにシフトした状態で、ある日突然、バッテリーの価格が急上昇したり、手に入らなくなったら、それはもう大変なことになります。

いわゆるエネルギー安保の観点から、EVシフトは妥当では無い、という判断は働いているでしょうね。

そういったこと以外にも、世の中は問題だらけなようです。
そして、我々が入手する情報は、今やフェイクなのか正しいのかすら良く分かりません。
そもそも、ひとつの事象に対して色々な見方ができるのに、特定の見方をした情報源に頼っている時点で、正しく物事を見られているのかは怪しいものです。

世の中気になることだらけなのですが、我々は雑音に惑わされることこと無く、やるべきことをやるべきなのでしょうね。

その「やるべき」というのは、「己が信じること」です。

オーストラリアのEV事情

というほど多くを見ているわけではありませんが、今回のツーリングルートで、ざっくり見たレベルでの話です。
忘れちゃう前に記事にしないとね。

メルボルンではテスラを見ました。でも、決して多いとは感じませんでした。
やはりEVと言えばテスラが代表格なのですね。
あとは、中国製のデッカイEVのSUVを1台だけ見ました。
そもそも充電設備を見かけませんでした。

アデレードとダーウィンではEVを見た記憶がありません。
充電設備は言わずもがな。

もちろん、内陸部ではEVは皆無です。
そりゃ充電設備が全くありませんから。

テスラは右ハンドル車の生産をやめてしまったそうなので、オーストラリアでテスラを見ることはますます無くなっていくと思います。
果たしてそこに他のEVが入り込んできて、普及するかどうか…。
個人的にはかなり懐疑的です。
あの大きな国では充電インフラの整備は困難でしょうし。

加えてお国柄というか国民性の問題もあるのではないかな。
これは個人的な見解というか、勘なのですが…

オーストラリアの人は英国からの移民が多いわけですが、彼らは結構経済観念がしっかりしている気がします。
EVの車両価格の半分は電池代なわけですが、使っているといずれはゴミになってしまう。そういうのを受け入れられないのではないかなと思っています。
オーストラリアの人は、結構長い期間クルマを所有する人が多いようですので、10年かそこらで新車価格の半分の費用を払って電池交換するなんてのは受け入れられないでしょう。

あと、ライフスタイルも大いに関係しているでしょう。
何せ、かの国で一番売れているクルマはトヨタのハイラックスです。
ディーゼルターボの四駆で、キャンピングトレーラーをグイグイ引っ張れるヤツが人気なのです。
他にも良く見るのは、同社製のランドクルーザー。
中古車屋さんでも、一番目立つところにに置いてあるクルマのウインドウには「Turbo Dieselだぜ!」とデッカく表示してあったりします。

見かけるクルマの多くは、トレーラーを引っ張るための牽引装置(Tow Bar)が装着されていることが多いです。非常に多い。
これはピックアップトラックだろうが、SUVだろうが、普通のセダンだろうが同様です。
そのクルマを普段使っていて、週末はトレーラーを牽いてキャンプとか、そういうライフスタイルなのでしょうね。
あと、ペトロールステーションでは、荷物を運ぶためのトレーラーがレンタルできたりしますので、普段使いのセダンで、ちょっと大物の荷物を運ぶのも簡単です。

次回オーストラリアに行って、現地人とゆっくり話す機会があったら詳しい事情を聞いてみることにします。

EVの電池について

前回の投稿で
「ガソリンはバッテリーの100倍くらいエネルギー密度が大きい」
というようなことを書きました。

今回は
ガソリン自動車の燃料タンク
イコール
バッテリー
では無いのですというお話を。

どういうことかというと
燃料タンクは単に燃料の入れものですが
バッテリーは違うんですよという話です。
電気に詳しい人にとっては当たり前な内容で恐縮ですが。

バッテリーは大きさと性能によって
入れられるエネルギー量が決まるのはもちろんですが
出すときの性能も重要なのです。

つまり
超ハイパワーなモーターがあったとしても
いっぱい電気が貯められるバッテリーがあったとしても
超加速が良くて超スピードが出るクルマになる
というわけではないということです。

ガソリン自動車は単にハイパワーなエンジンで性能を上げられますが
EVの場合はモーターだけで単純に性能を上げられません。
ドーン!とたくさん電気を吐き出せるバッテリーの性能も必要になります。
バッテリーは単なる電気の入れものではないということです。

なので
エンジン+燃料タンク
イコール
モーター+バッテリー
と言った方が分かりやすいかもしれませんね。
出せるパワーはモーターとバッテリーの両方で決まる。

EVの時代がやってくると
バッテリーには色々な要求が課されます。

軽くて
小さくて
ロス無くたくさんの電気がすぐに入って
放っておいても電気がなくならず
ドカンと電気を出せて
安全で
レアな資源をあまり使わずに
寿命が長くて
しかも安い

そんな高性能なバッテリーが求められます。

でも多分、当分は無理なので
当面は使い方を変える
つまり今のクルマのあり方を変える
という方向に進まざるを得ないでしょうね。

EVによって本当に環境負荷を低減できるのは
革命的な性能を持ったバッテリーが誕生したときだと思います。

ダイソンの充電式ハンディクリーナーのバッテリーを「殻割り」してみました。
結構繊細な制御基板が入ってるんですね。

きけんなのでよいこのみんなはまねしないでね