ビッグチェンジがやってくる

日頃色々言ってますが、世には色んな人がいるわけで、持っている価値観とか考え方とか、それはもう様々。

一口に「開発に必要な資質」とか言ってみても、色んな人が必要なわけで、ある一つの特性や才能を持ち合わせていれば良いというわけでもない。

そこで、どんな資質を持ち合わせているのかを探るチャンスや、それを延ばす経験が必要だと思うのです。

しかしながら、学力という単一の尺度しか持たないシステムで、限定的な視野と価値観を身に付けてしまうのはいかがなものか。

というところで先の見えない世の中に突入する気配が濃厚。
これはビッグチェンジを迫られることになる可能性が大きいのではないでしょうか。

というか、必ず来るね。
このままじゃもたないはず。色々と。

これはチャレンジャーにとってはチャンスですよ。
面白くなりそうだ。


概念的に考える人と具体的に考える人

概念的な思考は、ものごとをその枠組みとか本質とか、見えない部分を捉えて考えると言ったら良いのだろうか。

対して具体的な思考は、事実に即した見える部分を捉えて考えるということ。

それらはもちろん両方とも大事なのだけど、新しいものを作ったりする場合は、当然ながら概念的な思考が必要になる。

いや、別に具体的な思考でも、目に見える部分を常識的な手法などで改善したりはできるでしょうね。
でも、本質的な部分を捉えることができなければ、本質的な部分には手を付けられないので、根本的に何かを変えるといったことは無理でしょう。

より上位の概念について…のような思考ができないということです。

これは能力が高いとか低いとかという話では無く、考え方の構造と言ったら良いのだろうか。
何によって何が決まるとか、そういう関係を理解しているかとか、まぁ考え方の順番というか、そういう話。
そういう順番を知って覚えるとか言う次元の話ではありません。

勉強ができる人が概念的に考えられているかといえば、決してそんなことはないのです。
むしろ、先生に言われたことをやる、といったアクションをしているなら、概念なんて無縁です。
具体的な指示に従うだけだから。

対して、何かを作るような仕事をしている人などは、この概念的な思考を持っている人が多い。
その仕事の最終的なあるべき形(最初は曖昧で抽象的)を考えて、そのために必要なこと(具体的で要素的)を工夫するとか、そういった場合は階層的な思考が必要になります。

未来にあるべき抽象的なゴールを設定して、そのためにどうする必要があるか、そのためには何が必要かとか、アイデアを徐々に具体的なものにブレークダウンして現時点まで下ろしていって実行する、とかいう思考の構造。

そういった階層的な思考の構造はとても大事で、それこそが概念的な考え方の代表例だと言っても良いかもしれません。

こんなことを考えていると、改めて知識量よりもむしろ考え方とか想像力こそが重要なんだよなぁ、と思うのです。

面白いのは、この考え方を説明しても、理解して実行できる人とできない人がいるし、理解できるか否かはタイミングにもよるってことです。

経験の量とかによって、それが理解できる段階に達しているかどうかとか、その考え方が本当に必要かどうかとか、そういうことで受け止められるかどうかが決まるのでしょうね。

人生は無意識の結果だ

日頃の行動や考え方のほとんどは無意識にやっているわけで、我々の現状はそれらの結果に過ぎないわけです。

これはつまり、知識や資格や学歴など、立派なものをもっていたところで、それらをどう使うかは、ある程度は意識的にできるものの、全てというわけにはいかないどころか、ほとんど習慣によってハンドリングされるということ。
この習慣は価値観によるもの、と言っても良いかもしれません。

もちろん、立派な能力を持っているのは良いことでしょう。
でも、何事も使いようなのです。
どう使うかを習慣化しない限りは無意識によって自動的に駆動されます。

どうなるか予想がつかないというか、未来に対して確信が持てず、恐れる対象になってしまうと守りに入る。
守りに入ると、それに準じた対策を打つことになるのですが、確信を持てないことに対する対策ですから、一般論ベースで手数を打つことになるでしょう。

知識や資格や学歴などは、こうやってコレクションされていきます。
すると色々できるようになる錯覚を起こすのですが、実際には「やる」というプロセスが無いので、自信は得られません。
そしてこのループは延々と続く…

この状態を「選択肢が広がる」と言う人がいますが、客観的に状態を見る限り「発散している」状態です。

ゴールと価値観に基づく意識が入っていれば、結果は異なります。
「何のために」があると無いとは大違い。
極端なことを言うなら、「何のために」が無ければ、それは意味が無いということでもあるから。

例えば、レーシングカーを作るなんてのは分かりやすいかもしれません。
知識は重要ですが、知識が、それも一般的な知識があったところで何も起きません。
ただ動くものを作ったところでレースにはなりません。
一人では何もできません。

知識を得る方法
知識を使う方法・試す方法
問題を解決する方法
改善の方法
チームでゴールに到達する方法
などなど

そのプロセスで得たものは、あらゆるフィールドで役に立つはず。
もちろんそれはレーシングカーに限ったことでは無く、チームでものを作るコンペティション全てに言えることでしょう。

そういったことを4年も続けていれば、きっと価値観が、習慣が変わります。
それはその後の人生を形づくることになる。

というわけで、習慣が無意識の駆動力となって、全ての鍵を握っているのだなぁ
なんてことを、卒業生達、夢工房で頑張っている現役生達を見て思う今日この頃なのでした。