次の世代に託すもの

「若い世代に同じ苦労を味わって欲しくない」
良く言われる言葉です。
というか、良く言われていた、といった方が良いのかな。
かつては、特に戦時を過ごされた方から聞くことがあったと思います。
でも、最近ではあまり聞かないかな。

これ、単に「苦労して欲しくない」と捉えることができるし
本人もそういうつもりで言っていることが多かったのかもしれません。

気持ちとしては大変ありがたい。
実際に、苦労のタネを除去しようと頑張って下さる方もいる。

その結果として、次の世代が実際に苦労なく生活できたとしたら、それは本当に幸せなのかというと、そんなことはないと思います。

数十年前の子供時代は、未来はクルマが空飛んで、人の代わりに機械が何でもやってくれて楽ちんな生活がやってくる、なんて脳天気な未来予測をしていたりしたわけですが、そんな未来はやってくるはずもなく、そんな未来が本当にやってきて、我々人間が何もしなくて済むようになったら、それこそ存在する価値すら無くなってしまうわけで、そんな想像すらできなかった恥ずかしい過去は誰しも持っているのではないかと信じたい。

苦労の質と、本人がどう捉えるかという価値観の問題もあると思うので一概には言えませんが、次の世代は、その世代が担うべき固有の苦労があるわけですし、先人が除去してくれた苦労の先にある苦労をすることになるのだなと思うのです。まぁ、当たり前のことなのですが。

それを見つけたり、関わることができなければ、存在意義とか存在価値が得られなかったりするわけで、むしろ苦労することが生きていることの証だったりしないでしょうか。

まぁつまり、現代に生きる我々は、現代ならではの苦労のタネを見つけて頑張るからこそ生きている実感を得られるわけで、その辺は腹を決めないと面白くならないだろうな、なんてことを考えていた次第です。

困難と成長

成長とは変わることだ
みたいなネタが続きますが…

今夜は卒業生と
何とかしなければならないという
困難な状況が人を育てるわけで
海外遠征なんかはもってこいなんだよなぁ
という話をしていました。

あらかじめお膳立てしてもらったり
ちょっとした困難でもすぐに手助けが入ったり

まして、困難が想定される際に
先回りして困難を排除しておく
なんてのは最悪で

そんなのは本人の成長にはほとんど役に立たないどころか
そんな環境で年齢を重ねてしまったら
仕事をしていても最もダイナミックな部分を楽しめないし
何かあったらすぐに折れてしまうでしょう。
それじゃぁちょっとお先真っ暗です。

ところが
世にある諸々は
苦労しないのがいいこと
そんなものばかり。

まぁ、そりゃそうでしょう。

困難や苦労を排除するのが発展・進歩
みたいな部分はありますからね。
テクノロジーなんて最たるものです。

でも、困難や苦労がない環境で
成長しようというのは無理があるわけで

だったら自身に
困難を含むミッションをセットして
チャレンジすれば成長できます。

そのレベルは高いほど良くて
それと向き合うと腹を決めて
やるしかない
という状況を作る
それなら成長できますね。

自分の経験上も
学生を見ていても
高いレベルのゴールをセットして
腹を決めてやる

それで大きく成長するのは間違いなくて
それを楽しむくらいになれれば最高です。

夢工房でやっている海外遠征
これは最高なんだな
改めてと実感しました。

ここでの活動は
そもそも日頃から困難に向き合わざるを得ません。
経験のないことに対してチャレンジしているのですから。

遠征に行ったら行ったで
現地では何かしらイレギュラーなことやトラブルが起きます。
でも逃げ場はない。
何がなんでもその場で何とかしなければならない。

だからこそ
終わった後は良い経験になって自信が付くわけです。

でも、その環境に身を置くというのは勇気が必要ですね。