夢はあるかい? その3

今回は、叶えたい夢についてのお話しです。

将来、何になりたい?

「ケーキ屋さん!」

何で?

「だって、ケーキいっぱい食べられるから!」

子供の夢って、そういうものですよね。
でも、ケーキを食べるのと、ケーキを作って供給するのは全く違います。

ゲームで遊ぶのと、ゲームを作るのは違うし
レースを見て楽しむのと、レーシングマシンを作ったり運用するのは違います。

入り口はそれでも良いかもしれない。中には、そういうのが一本の道筋に乗っていて、そのまま突き進む人もいるから。
でも、サービスやプロダクトを享受する側と、創造して供給する側を勘違いしている場合もあります。

ゲームを凄く楽しめる人が、良いゲームクリエイターになれるわけではないし
レースを見るのが大好きな人が、良い開発者になれるわけではありません。

何を当たり前のことを言ってんだ?
と思いますか?
でも最近、仕事ってどういうものかということを考えていない学生は、意外と多いと思うんですよ。

仕事は好きなことをやるべきだと思うし
それを楽しめるなら最高だと思います。

でも、サービスを享受する消費側と、創造して供給する側を勘違いしてはいけません。

「言われたことをやるのが仕事でしょう?」
という勘違いも多いかも。
まぁ、そういう場合もあったりするでしょうけど、そりゃアルバイトでしょうが。

価値をつくり出して供給するのが仕事です。
どうせやるなら好きなことでそれができたら良いよね
ということであって

消費者が遊ぶようなことでお金がもらえたら良いよね
という話では無いのです。

それを理解した上で
「どうせなら好きなことで価値を創造したい」
と思うなら、ぜひそうするべきだと思います。

夢はあるかい? その2

そもそも「夢」ってなんだ?
という話もあります。

もちろん、ここで言いたいのは、寝てるときにみるヤツではないというのはご想像の通り。
将来叶えたい希望の方です。

この、「将来叶えたい希望」という意味での「夢」はあるかい?
ということについては、なんだかんだ言いながら、誰しも何かしら持っていると思ってはいるのではないかなとは思っています。
でも、実際のところはどうかというのは、正直なところよく分かりません。
だって、他人の心の中なんて見えませんから。

なので、「ある」とか「無い」とかではなく、「夢」に対してどのような捉え方をしているのかというのをいくつか書いてみましょう。

まず最初は
「夢」は追うべきものなのだろうか?
追ってもいいものなのだろうか?

そんな疑問は昔からあるでしょう。

就活が始まって、仕事選びの時に直面することの一つでもあるのではないかな。
「好きなことを仕事にするのはどうなのか?」と。

そんなのは好きに決めるべきことなのですが
なぜそこで悩むかというと
「夢を追ったら失敗しないだろうか?」
でしょう。

でも、好きなことを仕事にしようが、そうでなかろうが、仕事してたら大なり小なり失敗はするものですし、必ず壁にぶつかって、乗り越える必要が出てきます。

その時、自分が好きなことと、好きでないこと
どちらがパワフルに乗り越えようとするでしょうか?
まぁ、そんなことは聞くまでもないのですが。

「そこで壁を乗り越えられなかったらどうしよう?」

壁を乗り越えられるようになることが成長なわけだし、そもそも壁にぶつからないようにしたいなら、可能な限りレベルの低い容易な仕事を選ぶ必要があるわけで、最初からできると分かっていることをやることが面白いはずはありません。

で、面白くもない仕事を我慢しながら何十年もやるつもりですか?

とまぁ、これは極端な考え方ですが、就職を考える入り口のところでは良くある話ではないでしょうか。

大抵の仕事は、やりながら面白くしていくということもできるよね、というのが実際のところではありますが。

でも、夢を追う、面白い仕事を選んじゃって良いと思いますよ。
うまくいかなかろうが何だろうが、失うことはそれほど無いと思います。
少なくとも後悔することは無いでしょう。
実感としてそう思います。

夢はあるかい?

「世界最速のインディアン」という映画があります。
バート・マンローというニュージーランド人のおじいちゃんが、バイクでの速度記録を狙うという、事実に基づいたストーリーなのですが、劇中でバート・マンローが言った台詞が

If you don’t follow your dreams you might as well be a vegetable.

「夢を追わないなら野菜になったも同然だ」とでも訳すべきでしょうか。
映画の話なので、彼が本当にそんなことを言ったかどうかは分かりません。
でも、良い台詞ですよね。

私も、夢が無かったら何のために生きてるのか分からないだろう、なんて思います。

大きくても小さくても
明確でも不明確でも
夢を持っているというのは大事なことです。

最近の若者は夢が無い
とか言われることがありますが、そんなことはないと思います。
人に言えるほどのことではないと思っていて、否定や批判を含む評価を恐れているケースが多いのではないかな。

人に比べてどうこうではないので、別に気にすることはないと思うのですが、やはり気になるのでしょう。

私は、まだできていないことを「できると思える」ことも才能だと思っています。

でも、それを実現していくには、スタート地点から、チャレンジの過程で味わうことになる否定や批判や、それによって感じる劣等感を処理しなければなりません。
我が国では、これは結構難しい。
何とかならんかな、と思います。

この辺は学生達を見てきて分かってきたこともあるので、少しずつ明文化してみましょうか。
夢工房では、最も重要なことの一つですからね。