10年くらい前に
ある有名な先生が鳩山キャンパスに来てくださって
今後の理系の私立大学と取り巻く環境について
講演をしてくれたのですが
なぜか終了後に数名の教員を前にお話ししてくれました。
その時のメモが出てきたので見てみたところ
先見の明がある方だったんだなぁ
と、今更ながら感銘を受けたりしてます。
ちょっと紹介してみましょうか。
走り書きのメモがベースになっているので
わけが分からないところもあるかもしれませんがご容赦ください。
太字が話のテーマで、斜体がコメント、その後にあるのは、現状の評価としての今の私の意見です。大学の現状というより、夢工房の学生達の現状について評価です。
・今後は多極化、グローバル化する
「外向き」になることを意味する。今までの「内向き」から変わるので厳しくなる。
その通りになっていますね。
でも、その対策は十分ではない。英語ができるとかできないとか、そういうことじゃないんだけどなぁ、という感じ。
世の多くの学生は「内向き」傾向なので心配ですが。
夢工房の連中は、ずっと「外向き」のままなので、うまくいっている。大成功!
・幸福な子供とは
学校が好き、親と話が出来る、友人がいるとか
これはうまくいっている…のかな?
学校は好きなんだろうな。
比較的彼らの幸福度は高めだとは思う。
・これからは、マーケティングと技術の両方が出来るようにする必要がある。作れるだけではダメ
Formula SAEをやっている限りは、マーケティングを切り離すことはできない。大成功!
お客さんのことを考えられない開発者では存在意義がないですから。
・大学の教育が社会とかけ離れているので、日本では大学卒業のニーズが高まらず、逆に下がったりする
現にそうなっていると思う。
夢工房は、できるだけ社会のニーズに応えるべく戦略的にやっている。
が、普通じゃないので、いわゆる優等生ではないが。
・私立大学のアドバンテージは、「民間」の気持ちが分かること。
例:私大の先生は、国立の先生に比べてお辞儀の角度が深い。お客さんのためにエレベーターのボタンを押してあげる…など
このアドバンテージが活かされてきただろうか。よく分からない。
学生に関して言うなら、夢工房の連中は企業との接点が多いのでかなりマシだと思う。
私個人としては、民間のお役に立つ人間を育てるとが使命だと思ってます。
・学生に大学を好きになってもらうことが大事
一般的に学校が好きな学生は減っているのではないかな?よく分からないけど。
夢工房の連中は学校が好きで、現場が好きそう。
大学に来られない日はガッカリしているくらいだから、うまくいっているでしょう。
・毎日技術に触れているようにしないとイノベーションは生まれない
狭い部屋で毎日色々やって技術に触れています。
1年生からそうなので、環境は良いと思う。
早くイノベーション生まれないかな(笑)
・学生が自力で「準備」しなければならないような質的転換が必要。
つまり主体性が必要と言うこと。「自ら準備しなければ”終わり”」というやりかたが必要。
これは夢工房のやり方の基本なので大丈夫。
・1年生は期待している。そのうちに応える授業をやる必要がある。
産学連携授業など。プロがやっても難しい課題を1年やると勉強の必要性が分かる。
夢工房はやっている。授業じゃないけど。
・「大学を卒業しても学び続ける力」を身に付けさせる。
これは日本の大学が、社会がおろそかにしてきたこと。
これ、うまくいっているのかな?卒業生に聞いてみようかな。
でも、日頃から自力で学ばないとできないことをやってきたわけだから大丈夫でしょう。
・「コミュニケーション能力」は大事
良くそう言われるが、その定義は難しい。
定義はさておき、夢工房で重視し続けているテーマであり、比較的うまくいっている。
まだまだ行ける!
・臨機応変力は大事
応用力のこと。
これは何が起きるか分からない実践経験で磨かれるはず。
日常でも遠征でも磨かれっぱなしなのでOK!
・産業界とのつながりから必要とされるものを学べないか?
企業との繋がりで色々学ばせてもらってます。
もっとお役に立てると良いな。
・リーダーシップとイノベーションに関わる学生を作っていくべき
必然的にそうなっている気がする。
そうなじゃないとFormula SAEはやってられない。
・「オープン」で「柔軟性」がないとダメ。
日本は硬すぎで均一的すぎ。工場の労働者を作っているのではないのだから…。
夢工房では硬くて均一はありえない。うまくいっている。
けど、まだまだ行ける!
これは課題であり続けると思うので、常に気をつけるべきポイント。
とまぁ、こんな感じです。
まだまだ頑張らんといかんけど、方向性は良いと思ってます。
それはそれとして
やはり日本の教育の形自体が変わるべきではないかと改めて思います。
何か科目を加えるとか変えるとかじゃなくて。
今の方向性のまま、もっと力を入れれば良くなる
…とは誰も思っていないのではないでしょうか。
技術は人なり