とんがらないとね

むかしむかし
ピーター・ドラッカーが言いました。

「不思議なことに人間の長所はいくらでも伸びるのに
欠点はどれだけ努力しても並にしかならない」

「莫大な労力をかけて平均点を目指す企業が勝つはずがない。
勝負は長所をどれだけのばすかできまるのである」

まさにその通りだと思います。

レースの経験がある人なら
これを見ると
「あぁ、そりゃそうだよな」
って納得できるんじゃないかな。
彼らは実体験で分かってる。

レース経験者って仕事できる人、結構います。
ビジネスで大成功しないにしても
食うに困るような人はあまりいないな。
なんだかんだ言いながらも何とかしちゃう。

でも
受験戦争をくぐり抜けてきた
日本の学生は、そういうのはピンとこないなじゃないかな。
そんなことない?

だって学校ってダメなところを何とかしようとする組織じゃん?
何か突出しているところがあっても
「そればっかりできたってダメなんだぞ!」
って言われるよね?

受験のシステム上
そうなっちゃうのは仕方ないと思うんですけどね。

でも
ドラッカー大先生の仰るとおり
武器持ってないと戦えないよ。

そんなことないと思ってる?

多くが就活の間際になると
今の自分には何も武器がない
って慌てるでしょ。

そんなの当然だよ。

自分の感性を信じないで
失敗を恐れて
周囲の意見を鵜呑みにして流されて過ごしてたら
そうなるのは当然だよね。

学歴やら学業成績やら資格やら
そういうのが仕事ができるできないってのと関係ないし
幸福に繋がるとは限らない。

知識やら何やらを
どれだけ持っているかは武器にならない。
それらをどう使うか
何ができるようになるか
それが問題なんだね。
やっぱりパッションだね!

だからヤンキーは強いんだよ。

あれ?
何の話だっけ?

夢工房の現状評価

10年くらい前に
ある有名な先生が鳩山キャンパスに来てくださって
今後の理系の私立大学と取り巻く環境について
講演をしてくれたのですが
なぜか終了後に数名の教員を前にお話ししてくれました。

その時のメモが出てきたので見てみたところ
先見の明がある方だったんだなぁ
と、今更ながら感銘を受けたりしてます。
ちょっと紹介してみましょうか。
走り書きのメモがベースになっているので
わけが分からないところもあるかもしれませんがご容赦ください。

太字が話のテーマで、斜体がコメント、その後にあるのは、現状の評価としての今の私の意見です。大学の現状というより、夢工房の学生達の現状について評価です。

・今後は多極化、グローバル化する
「外向き」になることを意味する。今までの「内向き」から変わるので厳しくなる。

その通りになっていますね。
でも、その対策は十分ではない。英語ができるとかできないとか、そういうことじゃないんだけどなぁ、という感じ。
世の多くの学生は「内向き」傾向なので心配ですが。
夢工房の連中は、ずっと「外向き」のままなので、うまくいっている。大成功!

・幸福な子供とは
学校が好き、親と話が出来る、友人がいるとか

これはうまくいっている…のかな?
学校は好きなんだろうな。
比較的彼らの幸福度は高めだとは思う。

・これからは、マーケティングと技術の両方が出来るようにする必要がある。作れるだけではダメ

Formula SAEをやっている限りは、マーケティングを切り離すことはできない。大成功!
お客さんのことを考えられない開発者では存在意義がないですから。

・大学の教育が社会とかけ離れているので、日本では大学卒業のニーズが高まらず、逆に下がったりする

現にそうなっていると思う。
夢工房は、できるだけ社会のニーズに応えるべく戦略的にやっている。
が、普通じゃないので、いわゆる優等生ではないが。

・私立大学のアドバンテージは、「民間」の気持ちが分かること。
例:私大の先生は、国立の先生に比べてお辞儀の角度が深い。お客さんのためにエレベーターのボタンを押してあげる…など

このアドバンテージが活かされてきただろうか。よく分からない。
学生に関して言うなら、夢工房の連中は企業との接点が多いのでかなりマシだと思う。
私個人としては、民間のお役に立つ人間を育てるとが使命だと思ってます。

・学生に大学を好きになってもらうことが大事

一般的に学校が好きな学生は減っているのではないかな?よく分からないけど。
夢工房の連中は学校が好きで、現場が好きそう。
大学に来られない日はガッカリしているくらいだから、うまくいっているでしょう。

・毎日技術に触れているようにしないとイノベーションは生まれない

狭い部屋で毎日色々やって技術に触れています。
1年生からそうなので、環境は良いと思う。
早くイノベーション生まれないかな(笑)

・学生が自力で「準備」しなければならないような質的転換が必要。
つまり主体性が必要と言うこと。「自ら準備しなければ”終わり”」というやりかたが必要。

これは夢工房のやり方の基本なので大丈夫。

・1年生は期待している。そのうちに応える授業をやる必要がある。
産学連携授業など。プロがやっても難しい課題を1年やると勉強の必要性が分かる。

夢工房はやっている。授業じゃないけど。

・「大学を卒業しても学び続ける力」を身に付けさせる。
これは日本の大学が、社会がおろそかにしてきたこと。

これ、うまくいっているのかな?卒業生に聞いてみようかな。
でも、日頃から自力で学ばないとできないことをやってきたわけだから大丈夫でしょう。

・「コミュニケーション能力」は大事
良くそう言われるが、その定義は難しい。

定義はさておき、夢工房で重視し続けているテーマであり、比較的うまくいっている。
まだまだ行ける!

・臨機応変力は大事
応用力のこと。

これは何が起きるか分からない実践経験で磨かれるはず。
日常でも遠征でも磨かれっぱなしなのでOK!

・産業界とのつながりから必要とされるものを学べないか?

企業との繋がりで色々学ばせてもらってます。
もっとお役に立てると良いな。

・リーダーシップとイノベーションに関わる学生を作っていくべき

必然的にそうなっている気がする。
そうなじゃないとFormula SAEはやってられない。

・「オープン」で「柔軟性」がないとダメ。
日本は硬すぎで均一的すぎ。工場の労働者を作っているのではないのだから…。

夢工房では硬くて均一はありえない。うまくいっている。
けど、まだまだ行ける!
これは課題であり続けると思うので、常に気をつけるべきポイント。

とまぁ、こんな感じです。
まだまだ頑張らんといかんけど、方向性は良いと思ってます。

それはそれとして
やはり日本の教育の形自体が変わるべきではないかと改めて思います。
何か科目を加えるとか変えるとかじゃなくて。

今の方向性のまま、もっと力を入れれば良くなる
…とは誰も思っていないのではないでしょうか。

技術は人なり

迷ったら負けだぞ

5月に入っても夢工房にはボチボチ見学者が来ます。
1年生はもちろん、3年生まで来ます。

最近では、機械系じゃない学生も結構来ますね。
すでに何人かメンバーになってます。

今年は何人加入するんだろう。
現時点で在籍者は全学年合計で30人くらいなのかな。
すでに部屋のキャパシティは超えてます。
新しいやり方を考えなきゃ。

幸いにもコロナ禍でオンラインのノウハウが手に入ったので
人数が多くても回せそうな気がします。

見学に来る学生は
色んなタイプがいますが
一通り見て聞いて
最後に迷いを見せる学生がいますが
彼らを見てると思います

あぁ、迷ったら負けだ
と。

その学生が良いだの悪いだのという話ではないのです。
迷いを見せるとチャンスは掴めないんだな
というのを実感するんです。
本人は気付いていないでしょうけど。

迷いがなければ背中を押せますが
迷った者の背中は押す気になれませんものね。
つまりチャンスをあげる気にはなれない。

お師匠様の佐野彰一先生が良く言ってました。

幸運の女神は
前髪はあるけど
後頭部はツルッパゲだ

と。

どういうことかというと
チャンスがやってきた時は
前からはガツッと掴めるけど
通り過ぎてしまったら掴めないんだよ

ということです。

なので
佐野先生は頼まれた仕事は基本的に断らないそうです。

私もそうしてます。
とはいえ
たまに、あまりに分不相応な仕事が来た時は断っちゃうこともありますが。

自分自身
あまりガツガツゴリゴリ行くタイプではないと思ってはいますが
基本的にはあまり遠慮しない方だと思います。
人がどう思っているかは分かりませんが(笑)

かつてそれで失敗することも多かったと思います。
でもあまり気にしてないから良く分からないし
それらが無駄な経験だったとも思っていません。
変に遠慮して後悔する生き方はしたくない。

どうせやるなら
失敗しようが何だろうが
あぁ、オレは生きてるぞ!
って感じられるような人生が良いです。

言われたことをやって
与えられたものを黙って受け取って
静かに怒られないように正解を探すような
生きてんだか死んでんだか分からないような人生は耐えられない。

現状では、まだまだ理想にはほど遠いけど
だからこそやり甲斐があるってもんですよ。

でもね
迷う時って
実はすでに自分は答えを持っていることが多いんですよ。

迷った時に
「何のために」迷っているのかを考えると分かります。
大抵の場合は短期的なリスク回避です。

それ、長期的には
誰も何も得しないことが多いです。
自分の価値を高めたり
成長したり
ということに繋がらないことが多くて
誰も喜ばないことだったりします。

ということを考えると
あら不思議
もう答え出ちゃってるでしょ。