教えれば教えるほど…3

「言われたことをやる教育」においては、皆が同じ事を同じように一定レベル以上できるようにならなければならない。
一人の教員が一度に多くの学生に指示して、やらせる。
効率の良い教育とはそういうものでしょう。

そういうやり方の場合、言われたことをやらなければ残念なことになります。
単位が取れなくて留年するとかね。
皆が同じ事を同じようにすることが目的なので、言われたことをやる以外の選択肢は無い構造になっていますから。

しかし、ひとたび学校を出ると、同じ事をやっていたら評価されなくなるのは皮肉なことです。
ヨソ(競合他社)と同じ事をやっていたら競争力無いですから、いかに違うことをやるかが大事ってことになります。

しかし!
「皆と同じように」と20年以上にもわたって訓練されてきた習慣が、そう簡単に変わるはずはない。
これは実に残酷なことでもある。

教えれば教えるほど
それができるようになればなるほど
言われたことをやるようになる。

言われたことをやると高評価だったりする。
でも、言われたこと以上はやりたくなかったりもする。

社会に出て言われたことをやっても、それは普通のこと。

マニュアル通りの対応をするコンビニの店員さんに対して、高い価値を感じて感謝する人は少ないでしょう。
ごく当たり前の機能を果たす、いわゆる普通の製品に感銘を受ける人は少ないでしょう。

要求される当たり前のことに、何を付加価値として加えられるか
もしくは
普通の要求には応えないけど、ゲームチェンジャーとしての新しい価値を生み出せるか

急にそんなことを求められても、言われたことをやる経験とマインドしか持っていなければ、どうしたら良いか分からなくなるでしょう。

これはもう能力以前に、習慣とか価値観とか、そういった問題です。

なので、学校で勉強ができるというのが、イコール仕事ができるとは限らないってことです。
勉強はできた方が良いのでしょうけどね。
形式的な知識だけで仕事ができるとは限らないということなので、勘違いしないでください。

今回言いたいのは、言われたことばかりやっていると…
やる気が育まれなくなったり
言われたことしかできなくなったり
そういったことになりがちだということ。

それが定着してしまうと、なぜうまくいかないのか自分でも分からない状態になります。
習慣なんて、自分にとって当たり前なので気付きようがありません。空気みたいなものですから。

せっかく長い時間とお金を使って得た知識や経験は、習慣に邪魔されて活用するチャンスがなくなるなんて、何ともったいない!

これをひっくり返したいと思いませんか?

教えれば教えるほど…2

その1からずいぶん時間が経ちました。

「教える」って何でしょう?

一般的に「教える」とは、相手に言うなり何なりの方法を使って伝えるということですね。
「これはこうだぞ」と。

で、その方法で、伝えられたことをうまく受け取って活かすことができるか?

まず一つ明らかなこと。
大抵の人は、自分が興味を持てないことを覚えたりできるようになったりするのはとても難しいということです。

大学って、自分の興味のある分野を学ぶために自ら希望して行ってるんじゃないか?

確かにその通りです。
ただし、そのモチベーションのレベルは昔とは違います。

動機の根源は…
誰かが行けと言ったから
皆が行くから
行った方が良い仕事に就ける(と聞いた)から
などなど、本当に欲しいものがそこにあるから、という感じではないでしょう。多くは。

そしていざ大学に入ると、基礎と称して何に使うか良く分からないことを覚えたりできるようになったりすることを要求されます。

それを「できるようになれ」って、なかなか難しいことです。

そういうスタイルが好きな人、向いている人はいるでしょう。
そういう人はそのやり方で成果を出せば良いと思う。

でも恐らく、多くはそういったことに適していない。
それはそもそも能力の高低などではなく、やり方の問題。

言われてやるより、やりたいことをやった方が成果は上がるのは当然。
自分が好きなことに関することなら、複雑なプログラムや計算ができるようになる事例はいくつも見てきました。

そもそも好きなことを上手になりたいなんてのはごく当たり前のこと。
対して、自分に関係ないと思っていることを習得するのは難しい。

嫌いになるやり方、好きでもないことをやらされるやり方では、うまくいく方がおかしいのでしょう。

好きでもないことをやり抜いてできるようになった人が優秀という価値観があったり、自分も昔はそうやってきたのだから、そのようにするのが当然、という価値観があったするのかな。

確かに難しいことや苦しいことに耐え抜くことにには一定の価値があったりすることは理解できるけど、どうせやるならもっと成果の出るやり方…

好きなこと、本当に必要だと実感できることでやるべきだと思います。

自分に課されたミッション、タスクをいかに好きになるかというのも大事な能力の一つではあるのですけどね。

じゃぁ好きになるにはどうしたら良いか?
楽しいとか、自分に関係あることだとか、必要性を実感することではないかな。

本当に欲していること(知識やスキル)を、良いタイミングで手渡すなら、彼らは実にうまくそれを利用するし忘れない。
本当に好きなことなら、放っておいてもバリバリやりますよ。
そこに本当の学びがある。

なので、夢工房で好きなことをトコトンやった卒業生達は、楽しそうにバリバリやってます。

そんな風に思います。

最後に
学校の勉強だって必要じゃないか?
そうなのだけど、それが実際の自分が希望する業務にどのように結びつくのかが分からない。
加えて、実際の仕事がどういったものなのか分からない。
それを解決する必要はあるでしょう。
インターンシップも一つの手ですが、いかんせん期間が短い中での「お客さん」ですから、本質的なところを掴むのは難しいでしょう。
アルバイトは良い経験になると言われるし、実際その通りだと思うけど、結局多くのアルバイトは言われたことをやるわけで、恐らく自分が興味がある仕事のイメージ自体想像付かないのだから、意味が無いとは言わないけどもっと良いやり方があると思う。

仕事って、言われたことをやるものだ
そういう貧困なイメージを破壊することがまずやるべきことなのかもしれません。


即戦力の人材

夢工房では即戦力の人材育成を目指しています。

で、即戦力って何だ?
って話なのですが…

希望の職場ですぐに通用するスキルだけでなく、考え方や想像力、行動力、果てはメンタルタフネスやチームワークまで、求められることは多々あるでしょう。

スキルの詳細などは企業や部署などによっても変わるものなので、その辺は基本的なところを押さえておけば良いでしょう。

むしろ夢工房で大事にしているのは、その他の諸々。
スキルは目に見える部分ですが、目に見えないその他のものです。
そしてそれらを大きくカバーした経験ですね。

ゴール達成のための考え方、やり方。
チームで動くときや、新しいものに取り組むときに必要な考え方や行動。

これといった答えが無いものばかりですし、人によって異なることばかりだったりもします。
なので皆が同じように考えて行動すれば良いというものではありません。
むしろ個々が自分のやり方を見つけて工夫する事が大事なので、卒業時の仕上がりは千差万別。
でも、スピリットやマインドの根底は共通したものを持っているかな。

それらを在学中に達成できればそれに越したことはないのですが、なかなかそうもいかな場合もあります。
でも良いのです。

ベストを尽くした結果分かることがあるわけで、続きは社会に出てから構成していけば良いのです。
本番は社会に出てから。
夢工房はそのための発射台と言ったところです。