概念的に考える人と具体的に考える人

概念的な思考は、ものごとをその枠組みとか本質とか、見えない部分を捉えて考えると言ったら良いのだろうか。

対して具体的な思考は、事実に即した見える部分を捉えて考えるということ。

それらはもちろん両方とも大事なのだけど、新しいものを作ったりする場合は、当然ながら概念的な思考が必要になる。

いや、別に具体的な思考でも、目に見える部分を常識的な手法などで改善したりはできるでしょうね。
でも、本質的な部分を捉えることができなければ、本質的な部分には手を付けられないので、根本的に何かを変えるといったことは無理でしょう。

より上位の概念について…のような思考ができないということです。

これは能力が高いとか低いとかという話では無く、考え方の構造と言ったら良いのだろうか。
何によって何が決まるとか、そういう関係を理解しているかとか、まぁ考え方の順番というか、そういう話。
そういう順番を知って覚えるとか言う次元の話ではありません。

勉強ができる人が概念的に考えられているかといえば、決してそんなことはないのです。
むしろ、先生に言われたことをやる、といったアクションをしているなら、概念なんて無縁です。
具体的な指示に従うだけだから。

対して、何かを作るような仕事をしている人などは、この概念的な思考を持っている人が多い。
その仕事の最終的なあるべき形(最初は曖昧で抽象的)を考えて、そのために必要なこと(具体的で要素的)を工夫するとか、そういった場合は階層的な思考が必要になります。

未来にあるべき抽象的なゴールを設定して、そのためにどうする必要があるか、そのためには何が必要かとか、アイデアを徐々に具体的なものにブレークダウンして現時点まで下ろしていって実行する、とかいう思考の構造。

そういった階層的な思考の構造はとても大事で、それこそが概念的な考え方の代表例だと言っても良いかもしれません。

こんなことを考えていると、改めて知識量よりもむしろ考え方とか想像力こそが重要なんだよなぁ、と思うのです。

面白いのは、この考え方を説明しても、理解して実行できる人とできない人がいるし、理解できるか否かはタイミングにもよるってことです。

経験の量とかによって、それが理解できる段階に達しているかどうかとか、その考え方が本当に必要かどうかとか、そういうことで受け止められるかどうかが決まるのでしょうね。