ARLISS 2023 準備その3

ARLISSは「アーリス」と呼びます。
A Rocket Launch for International Student Satellitesの略です。

「Satellites」とあるので、そもそもは人工衛星のイベントなのですが、その派生として惑星探査機のコンペティションがあるわけです。

開催場所は、ネバダ州のブラックロックデザートと呼ばれる砂漠です。
バーニングマンというイベントが行われることで有名な場所です。
デザートなので砂漠なのですが、ここは冬には浅い湖になっていて、夏になると干上がる乾湖なのです。

ここで、AEROPACというアメリカのロケット愛好家達の手作りロケットに、大学生が作った惑星探査機を搭載してもらい、地上4000mまで打ち上げて放出。
パラシュートで着地後は、自動であらかじめ定められた酷評に向かう、とそんなイベントです。

ロケットに搭載できる大きさと重量を守ることができれば形態は比較的自由なため、各チーム工夫を凝らした機体でチャレンジしています。
ただ、事前に振動や衝撃に耐えることを証明するための各種テストをクリアする必要があって、実際に打上げや着地で加わる衝撃や、厳しい自然の環境の中での長距離走行などを考えると、なかなかレベルの高いイベントです。

当チームの機体は、カーボンファイバー製の四輪駆動。これはかつての学生達が考案して作り上げた高性能な機体をベースとして、コータローが電子制御を作り直したものです。


機体の上にちょこんと乗っている四角いセンサーがGPSのモジュールです。その背後にある白い長方形が情報を発信するためのアンテナ。これらは電波系の部品なので、カーボンファイバー製の機体の外に取り付けてあります。この機体は上下がなく、どちら向きに着地しても、仮に走行中に横転しても問題ありません。今までは、センサーが地面側に来てしまったときに感度が落ちるという問題があったので、今回は機体の上下それぞれにに配置してあります。これで送受信の性能は格段に上がりました。あまりスマートではありませんが、その辺は今後の課題ということで。

昨日買った「ヌードル」も装着済み。

で、今日は、より本番に近いコンディションでテスト。
まぁまぁうまく行きました。

イベントは明日からスタートします。
まずは砂漠に参加チームが集合して、会場の設営。
明後日から打上げが開始されます。

ARLISS 2023 準備その2

結果から言ってしまうと、トラブルは解消して、とりあえずちゃんとゴールするレベルにはセッティングできました。良かったよかった。
ただ、コータローが狙ったレベルに達しているかは、もうちょっとテストが必要なようです。

走行テストは宿の近くの公園で実施できたのですが、このARLISSに参加するようになって10年ちょっと経つわけで、これまでずっと宿の近くで十分なテスト走行ができる場所が見つからずに苦労していました。
特に今年は、先週のハリケーンの影響か、いつもなら草が少々は得ているだけの空き地が草だらけになっており、とても走行できる状態では無かったのでUS。

ですが、実は宿のすぐ近くに良いコンディションの公園があったのです。
地面は芝生で、野球とサッカーができるようなラウンドです。

昨日までは敗戦の誤結線とかセンサーの不具合に悩まされていましたが、それらを改修したところ、無事に走行するようになり、事前に設定したゴールへの陽動と停止が確認できました。

ただ、走破性の高い機体とはいえ、機体が90度横転した状態で安定してしまうという弱点があって、万一このような状態になってしまうと走れなくなってしまうので、これを近所のDaller Shopで買ってきた材料を使って解消。
買った材料は、下の写真の青い棒です。
これ、スポンジ製で、商品名はPool Noodleというものです。「プール麺」?一体何に使うのか分かりませんが。
これを切ってホイールの側面に接着すれば、横倒しで安定することはなかろう、ということです。

ここまで色々説明してきましたが、機体の説明やイベントの説明が不十分で良く分からないかと思います。
明日はもうちょっとコンディションの悪い場所でテスト走行をする予定ですので、その際に説明できればと思っています。

ARLISS 2023 準備その1

現地到着2日目は、物資調達です。
とはいえ、さほど大げさなものではなく、2液性のエポキシ接着剤とか、缶スプレーの潤滑剤など、飛行機で持っていけないものを調達する程度。
これらは宿の近くにあるホームセンターで購入。

あとはお約束の食事の準備です。いつも通りのサンドイッチですが。
今回は宿の目の前がWalmartなので大変便利。
近くにはDollar Shop(100円ショップ)もできていたし。

さて、肝心の機体がどうなっているかですが、どうやら内部の電子基板の配線を誤結線してしまったようで、その修復に追われた1日でした。

私は部屋に籠もって事務仕事。

今夜は修復と確認を完了して、明日は走行試験をする予定だそうです。