レーシングカーは、勝つためなら何でもありです。
レギュレーションを破らない限りは。
何でもありというのは、目的を達するためには
どんな「手段」を使っても良いと言うことですね。
当たり前ですが。
さて
学生がレーシングカーのある部分を設計しているとします。
ある部分の設定を決めようとしているときに…
具体的に、ある部品の固定方法を検討しているときに…
としましょうか。
その際、あまり考えずに
「こうなってしまう」
と決めてしまっていることがあります。
「この部品を固定するには…ここにボルトを…」
いや、ちょっと待って!
そもそも
ボルトを使う方法しかないの?
そこにボルトを配置するしかないの?
それ、「良い方法」なの?
どんな手段を使っても良いんだよ!
本当はこうして欲しい
この部品を固定するには、これとこれと…こんな方法があるね。
それぞれこんなふうに配置できる可能性があるね。
で、比べてみると、それぞれこんなメリットとデメリットがあるから…
マシンコンセプトを考えると、これがベストだな!
という感じに、まずはアイデアを色々出して広げていく。
次にそれらを比べて、優れたものが「良い」でしょ。
経験を積んだエンジニアなら
直感的にベストな方法を「引き出し」から引っ張り出しますけど
まずは引き出しを増やして欲しいのです。
たくさん出してみたアイデアの中には
その時には適さないものとか
劣ったものとかがあるでしょうけど
まずは広げましょう。
ベストな答えを一個だけ出そうと思って悩んじゃダメです。
次に先入観の枠を外して、いっぱいアイデアを出してから選択。
その時に、色々出たアイデアを組み替えることもできるし
改めて気付くこともあります。
最後に集中。
選んだものを磨きましょう。
急ぐ気持ちも分かるけど
色々出したら視野を広げて選択して集中して
ベストなやり方をしたほうが最終的には早いものです。
選択もせずに思い込みで事を進めてしまう陰には
無意識のうちに発動してしまう何かがあります。
一番多いケースは「めんどくさい」かな。どうでしょう?
最低限の手間で楽したい。
あと、「広げる」段階では
ダメっぽいアイデアが出る可能性はあるわけで
「ダメなものを出したくない」かな。
ダメなものが明確になるから
良いものがどれくらい良いか分かるのですけどね。
なので、アイデアを出す段階で
間違えたら、失敗したらネガティブなことが起きる。
だから間違えたり失敗したりしちゃダメだ。
なんて考えちゃイカンのです。
まぁいずれにせよ
そうなってしまうのはある程度は理解できます。
でも、その結果はどうなるでしょうね。
「ここはこうしなければいけない」と
誰に言われたわけでもないのに
先入観で制限をかけていることが意外と多いものです。
まさか自分自身が自身の自由な発想を妨げているなんて!
自由な発想で作った軽量コンパクトな初号機はFormula SAEの歴史を変える力を持っていました
2002年の話です