ビジョンとかパッションとかマインドとか

学校では、最も大事なことは教えていません。
というか、教えられないのかもしれません。

それは
ビジョンとかパッションとかマインドとか
ソウルでもスピリットでもいいのですが
心に関する事です。

学校ではある程度一律に教えるべき内容が決まっていて
だから決められた教科書があります。

でも、ビジョンやら何やらには正解が無くて
形式的にして見えるようにできないから
教科書にできないのでしょうね。

勉学の成績が良ければ
高い学歴があれば
将来ハッピーになる保証はどこにもありません。

新卒で会社に入っても
3年後に4割辞めてしまう現状が分かりやすい例ですが
どんなに幼少期から塾に行って勉強しても
学校の成績を上げて良い学校に進学しても
これは変えられません。
現に、ここ20年以上変わっていないでしょう?

なので、現状のやり方のままで
単にブーストを掛けても
方向性は変わらないはずです。

何も学校の勉強に意味は無いと言いたいわけではなくて
ビジョンとかパッションとかマインドとか
そういうのが無いところに
単に知識やらスキルやらを乗せようとしても
どうにもならんでしょう
ということが言いたくて

ビジョンとかパッションとかマインドとか
それらを育むために、誰がどうするんだい?
それが問題だって気付いているのかい?
と言いたいのです。

別に誰かのせいだと言いたいわけではなく
誰かに何とかして欲しいわけでもありません。
そういうのを何とかするのが仕事ですから。

でも、これは一人で何とかできるものではありません。
それに、皆が気付いている事ではないでしょうか。

気付いているなら皆でやっていきましょう。
試行錯誤しながらやってみましょう。

どうせ正解なんて無くて
やってみないと分からないことだらけです。

何かあったらどうするんだ?

リスクマネージメントは大事です。

でも、勘違いしちゃいけません。
むやみにリスクを排除することがリスクマネージメントではありません。

チャレンジはリスクを取ることです。
「取る」って「排除する」という意味ではありませんよ。
リスクを選択するということです。

リスクと引き換えに得たいことこと
そうしないと得られないことがあるからです。
当たり外れのあるギャンブルとは違います。

今回に限らず、Formula SAEのチャレンジなどは、まさにリスクを取ったチャレンジと言って良いかと思います。
というか、そもそもレーシングカーを作って海外の大会に出るなんてのはリスクだらけなのです。
細かいことを上げたらきりがありません。

さて、で
リスクマネージメントですが
取るべきリスクと得たいものの
バランスを取るようことだ
と思って良いでしょう。

昨今では
「リスクは負の要因だから
できるだけ避けるのだ」
なんて考え方が支配的な気がします。

もちろん、そんな人がいても仕方ないと思いますが
そうじゃない人は絶対に必要です。

皆がやらないことをやったヤツが
皆が困っているときに
いざというときに
何とか出来るヤツだからです。

今回のオーストラリア大会へのチャレンジが成功しなかったことについて、サポートして下さった皆さんには本当に申し訳ないと思っています。
しかし、我々が取ったリスクについて理解してだささって、応援して下さったことについては、本当に感謝しています。

それは活動している学生達自身が最も良く理解しているようで、参戦中止の決定直後こそガックリきていましたが、今は今期の活動の総括や手仕舞いと、今後に向けて真剣に考えて行動を開始しています。

実は、ここが大事なところだったりもします。

うまくいっているときに調子が良いとか
そんな事は当たり前のことで

ピンチの時にどうするか
それが人の価値を決めるのです。

望まない結果が出てしまったときは、まさにピンチです。
そういう時に足が止まってしまうと、さらなる危機を呼び寄せてしまいます。
もっとピンチになります。

そういう時だからこそ動ける
少しはそういう成長ができているのだな
なんて彼らを見ながら思っています。

もちろんまだまだ十分ではありません。
ここからが勝負です。

真面目なだけでは越えられない壁

今年のフォーミュラSAEマシンの開発は
計画通りにはいきませんでした。

いわゆる失敗です。

今のメンバーは、かなり真面目な連中だと思います。

活動開始時から困難な環境・情況ではありましたが
真面目に一所懸命やっているから
ひょっとしていけるか?
とも思いました。

でも、真面目なだけでは越えられない壁に直面しました。

ただでさえ実践的な開発経験経験者や
海外遠征経験者が少ない事に加えて
コロナウイルス感染や輸送費の高騰です。

しかし、もっと工夫していたり、頑張ったりしていれば
何とかなったのかもしれません。

不可抗力もありましたが
まだ何とか出来た部分もあったはずなのです。

そこに気付いていたら
もっと頑張っていたら
まさに「たられば」ではありますが。

今まで何度が記事にしていますが
私は学生に「アレやれコレやれ」言いません。

何をどのようにやると何が起きるのか
それを身をもって知るのが勉強だと思っています。

そういう意味では、今回はかなり勉強になったはずです。

レーシングカーを自分の手で作って
海外の大会に参戦するなんてのは
誰でもできるチャレンジではありません。
特にこのご時世ならなおさらです。

結果としては希望通りにはいかなかったわけですが
残念な結果と引き換えに貴重な経験を掴みました。
この経験を今後どのように使うかは自分次第です。

もちろんこの結果そのものに対しては
全く満足いくものではありませんが

まかり間違って
労せずして海外の大会に出られてしまった
というようなことに比べれば
学びとしてはかなり大きなものになったはずです。

指導者として難しいところは
こんな時でも
学生を信じて期待する
というスタンスを崩さないことだと思います。

信じられてもいないし
期待もされていない
そんな状態では前向きにチャレンジできませんから。

もちろん現状に甘んじるというのとは全く違います。
こんな現状には全く満足できません。