チャレンジし続けるチームのつくりかた

常にチャレンジし続けることができるチームには何が必要でしょうか。
チームではなく個人を対象としても同じでしょうけど。

世の中が大きく変化しようとしている今だからこそ
これを考えておく必要があるでしょう。

というのも
環境が変わっているのに自分達が変化しなければ
それは相対的に低下していることになるかもしれないからです。

変化する世の中への適応も重要でしょうけど
より向上するためにも変化は必要です。
少なくとも今のままではダメです。
面白くありません。

こういうことに対する決定的な答えは無いのかもしれませんが
ちょっと考えてみましょう。

大事なのは変化することです。
もちろんそれは現状からの変化です。

必要なことは

なぜ変化するのか
どう変化するのか
いつ変化するのか

といったところでしょうか。

「なぜ変化するのか」
これは最も大事なポイントかもしれません。

時代に取り残されるから?
それによって恐ろしいことになるから?
それはもっともかもしれませんが
そういう動機ではうまく行かない気がします。

なぜって、動機が「恐怖」だから。
この動機に従って行動して得たいものは「安心」でしょう。
それが得られれば恐怖を感じることはないので
その先に行く必要はなくなります。
ところが、そのためにやることが
100%うまくいくことはないでしょうから
結局は「安心」にすら到達せずに終わります。

それに残念ながら恐怖にフォーカスしてしまうと
それが実現してしまうことが多いのです。
皮肉なことですが。

なので、夢とか明るい未来とかが動機だとどうでしょう。
これなら良いんじゃないでしょうか。
ワクワクすることを動機にしましょう。
夢だからこの時点で完璧である必要はないんですよ。
夢は未来でしょう?
まだ起きていないのに完璧なんてありえませんから。
妄想でも良いんです。

次に「どう変化するのか」
これは難しいかもしれません。

なぜって、答えが無いから。
やってみないと分かりません。

それに、少なくとも現状ではダメだということを
認めなければなりません。
自己否定ですよ。そりゃキツイですね。
でも
それをやらないと現状に安住する理由ができてしまいます。

ではどうしましょうか。

どうせ正解は無いんだから
考えて、やって、評価して…とグルグルするしかないでしょうね。

でもここで問題発生。

考えるにせよやるにせよ
我々の中の正解追求システムや失敗回避システムが発動してしまうのです。
間違えたくない
怒られたくない
無駄なことしたくない
ってやつです。

なので
生真面目な者ほど正解が出るまで考え続けてしまうし
失敗を回避するために実行を先延ばしにします
で、時間切れになる。

皆が認めるグレートヒーローの
故スティーブ・ジョブズやイーロン・マスク
彼らは失敗なくやり遂げたでしょうか。
そんなことはありません。

成功する前は
ホラ吹きの馬鹿野郎と思われていた時期があったことは皆さんご存じの通り。
ほら、分かりやすい見本があるじゃないですか。

でも実行するのには勇気が必要でしょうね。
間違えて
失敗して
怒られたり
笑われたり
無駄になったり
するかもしれませんから。
頑張ってもすぐには報われないことがほとんどです。

間違えたくない
失敗したくない
怒られたくない
笑われたくない
無駄な労力を払いたくない

どれか捨てませんか?
全部捨てられたら最強かもしれません。
どうせ我々の小さな手のひらの上には全ては載りませんよ。
「成功」を載せたいならなおさらです。

こんなふうに色々考えると
「ひょっとして勇気があれば何とかなるのか?」
と思いませんか?
私はその通りだと思います。

チームで変貌を遂げるなら
失敗を恐れずにチャレンジできる環境をつくることがカギになるでしょう。
夢を語れる
ダメかもしれないアイデアを出せる
ダメかもしれないけどチャレンジできる
失敗についてポジティブに話ができる
とか。

今こそ頑張るためのセーフティネットづくりが大事なのかもしれません。
何かと余裕がないこのご時世に難しいのは承知です。

最後に「いつ変化するか」
正解はもう分かっているでしょう。

「今」ですね。

諸行無常

「理想」の反対は「現実」なのか

理想を、夢を実現するために努力していると
「現実から逃げるな」
とか言われることありませんか?
余計なお世話ですよね。

現状が納得できないので
理想を立てて実現するために努力する。
これは「逃げ」ではないでしょう。

では仮に
言われたとおりに現実を見るとして
一体何をすれば良いのだろうか。
身の丈に合ったことをすれば良いの?
今できることをやれば良いのか?
それをやり続ければ良いの?
それでは成長が無いのではなかろうか?

そもそも、「現実から逃げるな」とは
何のためのアドバイスなのでしょうね?
誰をどうしたくてそんなことを言うのでしょう?

そもそも
「現実から逃げるな」
などと言う人間と関係を持って
その影響を受ける環境にいること自体
当人にとっては良い事ではないのではないかと思ってしまう。

「現実から逃げるな」
の前に
「夢みたいなこと言ってないで」
と付く場合もありませんか?
「夢みたいなこと」を言っていてはいけないの?

まぁ、行動が伴ってないならそうも言いたくなるのは分かりますが。

「自助論」という100年以上前に書かれた偉人伝のような本があります。
昔の成功者達が
みんなが無理だと言うことをやって
ヘマこいて
ヒーヒー言って
諦めずに頑張って成功したという内容です。
この本の本質の部分は今も何ら変わらないでしょう。

身の丈に合わない理想を実現しようとするからヒーヒー言うのですよね。
で、諦めずに頑張ると成功するって前例があるわけですよ。

じゃぁ、夢を見て、実現するために頑張るって正解じゃないですか。

過去に「好きなことを仕事にすると辛いぞ」
とアドバイスをくれる人がいました。
実際にクルマの開発を仕事にしてみたら最高に楽しかったですね。
まぁ、大変な仕事なのは間違いないですけど。

今や世界最大の大会”Formula Student Germany”には2008年に出場しました。

夢見て良いんじゃない?

今年は久々にエントリーしましたが、コロナ禍で中止となってしまいました。
きっとそのうち再度チャレンジ!

自由な発想を妨げているのは誰だ

レーシングカーは、勝つためなら何でもありです。
レギュレーションを破らない限りは。
何でもありというのは、目的を達するためには
どんな「手段」を使っても良いと言うことですね。
当たり前ですが。

さて
学生がレーシングカーのある部分を設計しているとします。

ある部分の設定を決めようとしているときに…
具体的に、ある部品の固定方法を検討しているときに…
としましょうか。

その際、あまり考えずに
「こうなってしまう」
と決めてしまっていることがあります。

「この部品を固定するには…ここにボルトを…」

いや、ちょっと待って!

そもそも
ボルトを使う方法しかないの?
そこにボルトを配置するしかないの?
それ、「良い方法」なの?
どんな手段を使っても良いんだよ!

本当はこうして欲しい

この部品を固定するには、これとこれと…こんな方法があるね。
それぞれこんなふうに配置できる可能性があるね。
で、比べてみると、それぞれこんなメリットとデメリットがあるから…
マシンコンセプトを考えると、これがベストだな!

という感じに、まずはアイデアを色々出して広げていく。
次にそれらを比べて、優れたものが「良い」でしょ。

経験を積んだエンジニアなら
直感的にベストな方法を「引き出し」から引っ張り出しますけど
まずは引き出しを増やして欲しいのです。

たくさん出してみたアイデアの中には
その時には適さないものとか
劣ったものとかがあるでしょうけど
まずは広げましょう。
ベストな答えを一個だけ出そうと思って悩んじゃダメです。

次に先入観の枠を外して、いっぱいアイデアを出してから選択。
その時に、色々出たアイデアを組み替えることもできるし
改めて気付くこともあります。

最後に集中。
選んだものを磨きましょう。

急ぐ気持ちも分かるけど
色々出したら視野を広げて選択して集中して
ベストなやり方をしたほうが最終的には早いものです。

選択もせずに思い込みで事を進めてしまう陰には
無意識のうちに発動してしまう何かがあります。

一番多いケースは「めんどくさい」かな。どうでしょう?
最低限の手間で楽したい。

あと、「広げる」段階では
ダメっぽいアイデアが出る可能性はあるわけで
「ダメなものを出したくない」かな。

ダメなものが明確になるから
良いものがどれくらい良いか分かるのですけどね。
なので、アイデアを出す段階で
間違えたら、失敗したらネガティブなことが起きる。
だから間違えたり失敗したりしちゃダメだ。
なんて考えちゃイカンのです。

まぁいずれにせよ
そうなってしまうのはある程度は理解できます。
でも、その結果はどうなるでしょうね。

「ここはこうしなければいけない」と
誰に言われたわけでもないのに
先入観で制限をかけていることが意外と多いものです。
まさか自分自身が自身の自由な発想を妨げているなんて!

自由な発想で作った軽量コンパクトな初号機はFormula SAEの歴史を変える力を持っていました
2002年の話です