戦略の階層

日本は「技術立国」だ
と言いますね。

確かにそうだと思います。
技術は凄く強いと思います。
世界的に見て
めっぽう強いです。

反面、戦略的な思考がめっぽう弱い。
恐らく技術に力が集約されているからだと思います。
偉そうにこんなこと言ってる私も
めっぽう弱いんですが(笑)
でも何とかしようと頑張ってます。

一体何言ってんだ?
と思った方は
「戦略の階層」
と検索してみてください。

この用語を使い始めたのは地政学をやられている
奥山真司氏ではないかと思います。
この方が書いた
「世界を変えたいなら一度”武器”を捨ててしまおう」
という本、ずいぶん前に読みましたが
面白かったですよ。

この戦略の階層の概念が
色々やる上で
とても分かりやすくて参考になります。
というか基本ですので
ちょっと紹介しておきましょう。

ピラミッドの頂点から下へ

世界観 Vision
政策 Policy
戦略 Strategy
作戦 Operation
戦術 Tactics
技術 Technology

と階層化して表されています。

もちろん上から考えていって
そのために下の階層のものが決まっていきます。

上の方が目的で
下の方が手段です。

上の方が長期的かつ抽象的で
下の方が短期的かつ具体的です。

要は、ビジョンを成立させるために色々考えていって
最終的に最下層のテクノロジーが決定されるわけです。
用いる技術は最後に決まるってことです。
その時点で、欲しい技術がなければ開発する必要がある
ってことですね。

こういう言い方もできます

ある日突然、新しい技術が生み出されると
過去の技術が一瞬で要無しになることもある。
ビジョンを達成できるなら
手段は何でも良いのです。

学校で教えるのは
最下層の技術に相当するもの
もしくは
技術を形作る要素の一部です。

そりゃまぁ仕方ないのですが
もうちょっと上の
いや
欲を言えば
最上位の階層からの考え方
から教えた方が良いのでは
と思います。

そうしないと
何かをやる時に
まず用いる「技術」を決めてしまったりして
これに手足を縛られて
どうにもならなくなる。

手段を最初に決めてしまったら
それによってできることが限定されてしまうのだから
ビジョンを達成できる可能性が制限されてしまいます。
ヘタしたら、最初に「無理」が決定されてしまう。

というか
多くがこうしてしまうでしょう?
無意識のうちに。
そんなことないですか?

だからこそ最近の学校では
PBL (Project Based Learning)
なんてのを頑張ってるんですよね。
課題解決型授業とか言って。

日本人は
技術に特化した優れた能力を持つが故に
戦略の上位階層の概念が掴めないのだと思います。
「何のために」
という考え方が無いのです。

裏を返せば
「何のために」
が無くてもやっていける。

もっと言うなら
「何のために」は
時間的に短くて
範囲的に小さいものに向いていることが多い。

たとえば
「今、自分のために」
とか。
価値が最小化されしまっています。
もったいない。

ただ
その技術レベルがぶち抜けてしまっているので
世界でも特異な立ち位置にいる気もします。

とはいえ、やはり上位概念を理解すべきです。
与えられたタスクを高いレベルでこなすだけなら
それでも良いのですが
今や「世界の工場」の地位は中国ですし。

それに
「何のために」が無いと
頑張っても
あまりハッピーにならないんじゃないかな。

というわけで
夢工房の活動は
こういう概念で進めているのですよ
という紹介でした。

もっと頑張らないとな!

マインド解放のための環境

学生達のマインドを解放するのだ!
なんて記事を書きましたが
これが簡単にいけば誰も苦労しないんです。

もちろん
外部からの入力では何ともなりません。
本人が望まないとね。

本人がそれを望むように
外部から変える?
外部からじゃ変わらないのだから
すでに矛盾してます。

どうする?

なので
彼らのやりたいことをテーマにする以外ないのです。
彼ら自身が「やりたい!」と言って始まるものが良いですね。

レーシングカー作ったり
惑星探査機作ったりです。

さて、彼らの興味のあるものが見えたところで
次は、これらでデッカいチャレンジができるか
という問題が立ち塞がります。

そもそも
レーシングカー作ったり惑星探査機作ったりって
すでにデッカいチャレンジじゃないか
と言いたいところですが

どんなもの作るの?
となった時に、デカイ夢をブチ上げられるのか?
これが問題になるのです。

デカイ夢はあくまで夢なわけで
正解が無いことに加えて
経験が無いから必ず失敗します。

もちろんそれで良いのですが
当人の「失敗したくないシステム」が自動発動して
ちっちゃい答えを探そうとしちゃうんです。
これからデッカいチャレンジするのにね。

さて、やっと本題です。

失敗したくないシステムが自動発動しちゃうのはなぜか

まぁ習慣から来るものなのですが
理由は大きく2つだと思ってます。

1.失敗というリスクを回避するため

2.めんどくさいから

これらを細かく見ていっても良いのですが
果てしなくなっちゃうのでやめましょう。
今現在、我々がたどり着いているのが

失敗だろうが成功だろうが
すぐにアウトプットしたくなる環境
たくさんアウトプットしたくなる環境

これが必要だということです。

一見簡単そうでしょう?
いやいや、これがなかなか手強いのですよ。

自分自身でやってみると分かります。

失敗だろうと成功だろうと
とにかくすぐに言ってみる
とにかくすぐにやってみる
それを継続する。

どうです?
結構難しくないですか?

さらに
その結果がどうであれ
ポジティブな思考でループを作っていく必要があります。
継続するためには
喜びを得られる仕掛けも仕込む必要もあります。

結果がどうであれ
次のアウトプットのループに繋げていく。
グルグル回しながら
どんどん良くしていく。
手間が掛かっても
スピードが速ければ
限られた時間内に良い成果が出せます。

これができる
これをやりたくなる
そんな環境を構築する必要があります。
今までもやってきたつもりなのですが
まだまだ足りません。

これ、教員だけじゃどうにもならないんです。
メンバー全員で常に意識してやる必要があるし
そうすることによって相乗作用でチームが良くなる
という見通しも立ってます。

まだまだディテールは詰められていないので
試行錯誤が必要です。

考えて考えて
分かってからやる!

なーんて事はしません。

走りながら考えるんです。

まずはマインドの解放から

恐らく今年中に日本では
ワクチン接種が進むし
集団免疫を獲得するでしょう

というわけで
そろそろコロナ明けのための
具体的な動きをしていく必要がありそうですね。
皆さんは準備ができてますか?

我々の夢工房では
ものづくりは人づくりなわけで
やはりマインド面の構築と強化がポイントになってくると思います。
そうしないと良いもの作れませんから。

最終的にはどういったものを作る必要があるかというところが
ビジョンでありゴールとなるのですが
性能やら成績は、ライバル達をベンチマークとして
これをベースに決めればいい話です。
これはチャチャッと解析すればOKでしょう。

その次に必要になるのは戦略です。

やはりマシンを作って闘うのですから
どうやって勝つの?
というところですね。

その次は
じゃ、どういうマシンにするの?
です。

この辺を考えるために重要なのは
当然ながらクリエイティビティです。

この戦略に関しては計算やら何やらで決まるものではなりません。
もちろん、広い視野で現状を把握するのは重要です。

ここで慌てちゃうと
ライバル達と同じ戦略で性能を強化すれば…
とかいう
やる前から負けることが確定しているような戦術
をとってしまいます。
この点は要注意。

戦略と戦術が決まると
それに伴って難しいことや面倒なことが色々必要になるのですが
それは大丈夫。

彼らは、それが必要と分かれば
まるでスポンジが水を吸い込むように吸収していきますから。
多少のアドバイスは必要でしょうが
大抵のことは自ら手に入れようとします。

とまぁ、こんなこと書いてきましたが
私が気にしないといけないのは
具体的な戦略や戦術ではないのです。

だってそれは、学生達自身が決めることだから。

なので、学生達がイケてる戦略を立てられるようにすることが重要
ということになります。

学生がイケてる戦略を立てられるようにするには
一体何が必要なのか
そのためにどうしたら良いのか。

やはりマインドの面がものを言うでしょう。

どうしてもイケてる戦略を立てたい!
どうしてもイケてるマシンを作りたい!
という強烈なパッションを持てるマインドをセットすることです。

というのも
心が小さくなっちゃっていて
視野が狭いと
どうしても初動の時点から小さいことにとらわれてしまいます。

今知っている具体的なこと
現時点でできそうなこと
そんなことをやろうとします。
手段を決めてから目標・目的を決めようとします。

そんなことを考えている時って
失敗したくない
とか
苦労したくない
なんていう、個人的な損得勘定がベースになっていて
それがゴールとすり替えられているんですよ。
でも本人は気付いていませんけどね。

まぁ気持ちは分かります
というか
なぜそうなってしまうのかは想像が付きます。

多くの場合は
今まで目標設定する時に
突飛なゴールを設定すると
怒られたり笑われたりして
それによって自分のゴールを持てなかったからです。
ずっと他人が設定したゴールに向かって
動かされてきたからです。

彼らは
さんざんつまらない思いをしてきて
もうそんなんじゃ嫌だ!
もっとデカイことをやるんだ!
ってことで、今ここにいるのでしょう。

なので
そんなちっちゃい箱に 入っちゃっているような
マインドを解放するのが第一歩です。

もちろんこれは
自らでしかできません。
私は、お手伝いくらいはできます。
というか、手伝うことくらいしかできない。
いや、チームみんなで手伝えば
すごいことが起きるはずだぞ!

そんなふうにして
マインドが解放された学生がどうなるか

過去に例があります。
何人も見てきました。
実は彼らは奇跡のような凄いことができるんです。

今回は、ちょっと(?)やり方を変えて再チャレンジです。

凄いことになるぞ!