仕事の価値の本質

そもそも
何をもって「仕事」と呼ぶか
という話しもあるのですが

やはり仕事は大事です。

とか言うと
食うためには仕方ないから
命令されて仕方なくやらされているのが仕事だ
という先入観を持っている人だったりすると
反発を感じるかもしれませんね。

他から課されたタスクをこなす仕事は多いので
そういった価値観を持ちやすいのも理解できます。

ただ
他に価値を提供するのが仕事だ
他人に喜んでもらうのが仕事だ
ということになるとどうでしょう?

仕事の本質的な価値はそこにあるのだと思います。

他に価値を提供して喜んでもらえたということは
自分が存在する意義がある
ということです。

これは幸せなことですよ。

自分の好きなことや得意なことで
大きな価値を生み出せるといいですね。

とはいえ
なかなかうまくいかない仕事や
提供したものの価値がすぐには現れない仕事もあるわけで
なかなか難しいのですけどね。

仕事がうまくいかない考え方・やり方
というのはシンプルで

我欲に囚われて
自分のためのことばかり考えていると
相手のことなんてどうでも良くて
どうしたら相手が喜ぶかなんて考えも及ばないわけで
当然ながら
どうしたら良いかなんて分かるはずがないので
うまくいきません。
当たり前ですね。

そうなっちゃったら
言われたことをやるしかなくなるのも理解できます。
生きるためにはそうするしかない
ということになるでしょう。

でも最近では、恥ずかしげもなく
自分のことばかり考えて
自分のためだけに
仕事をやる・稼ぐ
みたいな価値観が横行していませんか?
「それのどこが悪いんだよ?」
みたいな。

悪いかどうか以前に
それじゃぁうまくいかないでしょうに
と思うんですよ。

「だから勉強してるんだ」
なんて言わないで下さいね。
そういう話じゃないですから。

いずれにせよ
言うのは簡単なのですが
やるのは難しいです。
だから面白いのですけどね。

仕事も「心」なのでした

「できる」ようになるためには「やる」必要があるわけで
そのためには探究心とか好奇心は欠かせませんよね
なんて話を卒業生としていました。

例えば、プレス金型で製品を打つ(金属材料などをプレス機で成形することです)場合、一見やっていることは単純なようですが、実は細かなノウハウがあって、精度の高い製品を作ろうと思ったら、通り一遍の知識ではどうにもならないのです。

実に繊細な条件や調整の結果、設計通りの製品ができあがるわけで、これは単にAIにお任せで何とかなる世界ではないと思います。

「え?そんなところをいじると、そっちが変わっちゃうの?」
みたいなトリッキーな仕事なのです。

そういう繊細な仕事をキッチリ仕上げていくには、「なんでそうなるんだ?」という自発的なアプローチや、「なんで?なんで?…」と突き詰めていく姿勢が必要です。

これは単に勉強ができるとか何とか、そういうものではないのです。

というわけで
探究心とか好奇心とかを持って
やっぱりその仕事を好きにならないと無理だよね。
そういうのを楽しめないとね。
と、そんな話をしていたのです。

で、探究”心”とか好奇”心”とかなんだから
結局は「心」ですよね。
それが無いと仕事できるようになりませんもの。

うん、確かにそうですね。
本当に仕事ができる人を見ても
学生を見ていてもそう思います。

その「心」を土台として
技術やら何やらが乗っかってくるんだなぁ。

うん
技術は人なり
です。

何か変だが何とかしましょう

学校という組織における環境と
実社会という環境は
あまりに違いすぎます。

もちろん目的が違うのだから
環境が違うことは当然ではあるのだけど
それにしても、あまりに違いすぎる。

工科系の大学と
エンジニアリングをする会社組織を考えてみると
学校と会社という
目的が違う組織ではあるのだけど
向いている方向は一緒であるべきではないのかな?

やっていることや考えていることは
あまりに違いすぎて
とても同一線上にあって
繋がっていくようには思えない。

もちろんそこにある価値観から違っているから
やること考えることが違ってくるのだろうけど。

価値観が違いすぎていて
共有できるものがほとんど無い。

これで良いのだろうか?

…ダメなんだろうな。

学校では
言われたことをやるトレーニングをして
知識を重視して、人間性というか人間力は軽視して
現物から離れて紙の上、机の上の理論に終始する
そんな方向に突き進んでいるわけですが
これで実社会に出て何とかなるわけないでしょう。

でも、みんながそれを望んでいます。
親も先生も、恐らく政府も。
ひょっとしたら学生本人も。

「勉強できればいいんだ」
「それで大丈夫なんだ」
って信じている。

望んでいないのは
学生達を受け入れる企業だけかもしれません。

なんか変な構図になっていませんか?

でも夢工房はエンジニアリングにおける
恒久的な何かを模索しながら
本質にこだわって行きたいと思っています。

こんな状況も
見ようによっては大きなチャンスなわけで。

色々チャレンジする中から
「こうするといいんだよ」
というヒントが見出せる…といいな。