トレンドに思う

その時々のトレンドってありますよね。
ファッションを始め
技術とか、資産形成とか
そりゃぁもう色々です。

で、学校でのトレンドもあるわけです。

インターンシップなんかを例に挙げてみましょうか。

今や多くの学生がインターンシップに行きます。

理由は様々で
就職前に、実際の業務内容を知りたいとか
希望する会社の雰囲気を知っておきたいとか
インターンシップがすでに選考の場になっているからとか
まぁ、色々です。

行きたい人は行けば良いです。
受け入れる企業側は大変でしょうけど。

でも、真剣にチャレンジしている学生に対しては
そうは思いません。

それはなぜか?

時間を無駄にして欲しくないからです。

インターンシップが無駄とは思いませんが
日々チャレンジする学生にとって
インターンシップに行く長期休暇期間は
それこそ一日中活動に没頭できる貴重な期間です。

その期間中の一日で
一体どれだけ成長できるか

それは取り組みの内容と本人の努力次第ですが
その気になれば
ちょっと普通じゃない成長を遂げることができます。

もちろんその成長は
短期間の単発ではなく
その後のさらに大きな成果のための貴重な一部分にもなる。

それは普通の学生の普通の成果ではなく
普通でない決意をして
普通でない努力をした
その末の成長なわけで
独自性のあるアドバンテージになる可能性がある。

もちろんこれは
普通を捨てたアドバンテージなわけですが
それが確実に得られるという保証はありません。

自分次第だから。

インターンシップは
皆が行っているからとか
行かないと不利だからとか
そんな理由もあるかもしれません。

でも、同じ土俵に乗っている限り
過当競争になるのは避けられないわけで
そもそも同じ土俵で戦うってどうなの?
とも思うわけです。

受け入れる側だって
どこを切っても一緒な
金太郎飴状態の新人ばかりじゃ困るでしょうに。

数年前までは、バックパック背負って
海外をウロウロしている若いコがそこそこいたのですが
コロナ禍以降は激減したでしょうね。
もうああいう状況は来ないのかな。

当時の彼ら
「そんな風に海外をブラブラしたってしょうがないだろ」
なんて言われたりもしていましたが
私は捨てたもんではないと思っていました。

だってね、一人で海外をブラブラしてみなさいよ。
傍から見るほど楽じゃないですよ。
リスクを払いながら、相応のものを得ているはずです。

あれもトレンドといえばトレンドだったのかもしれませんが
誰でもできることではないですよね。

彼らにしか見えない、分からない世界があるわけで
間違いなくアドバンテージのタネになる可能性はあります。
もちろん、それをどうするかは本人次第ですが。

今は当時に比べて
多様性は無くなっている気がするわけで
多様性が無ければアドバンテージを構築しにくいのかなぁ
なんて思うのですが
だからこそ考えようによっては有利な状況でもあります。

ま、どんな時だって考え方次第なんですよね。
そこに気付くかどうかです。


ダメでもいいからやってみな

夢工房は、学生が色々作るところです。

何も、決められたものを作るわけではなく
何を作るか、どんなものを作るか
そういうところから考えます。

もちろん、ここに集まる学生達は
何かやりたい、何か作りたい
という希望を持っています。

持っているのですが
経験が無さ過ぎて
何をどうして良いのやら
というところからスタートします。

まず最初は頭の中のアイデアからスタートして
最終的には、物体にするわけです。

その途中には
思っていることを見えるようにしたもの

文字の情報とか、スケッチとか、図面とか

そんなふうに
徐々に明確化していくプロセスが必要です。

頭の中の、ボヤーっとしたアイデアから
いきなり物体にはなりませんからね。

そんなことをしている彼らを見ていると
現代教育の問題を目にすることになります。
それは…

一発で正解を出そうとすること
です。

この考え方が実行を困難にして
実現を不可能にします。

まず、頭の中にあるものなんて
曖昧で、わけ分からないものなのです。

なので、ダメかもしれない…というより
ダメを承知で頭から出して
見えるようにして
どうすべきかを考えられるようにする必要があります。

ですが!
「正解かどうか分からないものを描けない(書けない)」
ということになったらどうですか?

そもそも、これから作るもの
つまり、まだ世にないものに対して
「正解」って何だよ?
という話でもあるのですが。

さらに「一発で」が、問題を難しくします。

経験もないのに
一発で決まるわけないだろう
というのもあるのですが

複数のアイデアを比べて
相対的に「良い」が決まるわけで

一個しか無かったら、良いも悪いも無いだろうに
という話なのです。

「ダメでもいいから描いてみな」
と言うと
面白いくらい描けなかったりします。

心のブレーキが強烈に効いています。
「ダメなものを描いちゃダメだ!!」
って。

なので、良い子ほど何もできない
というか、成長が遅い
という結果になります。

こういう状態になってるのって
明らかに本人に原因はありません。
これまでのトレーニングの成果です。

そんな風にものごとに取り組む訓練を繰り返してきて
意識せずとも、そのようなやり方になってしまう。

ダメでもいいから出しまくって
比べて、直して
そうしてドンドン良くしてく
そんな経験が無いのでしょうね。

「正解」は隠されていて
指示された問題を解いて
合っているかどうか答え合わせをする

そんな経験ばかりなのでしょう。

なんて気の毒な!
なんてもったいない!

彼らの心の内にある
そんな世界をひっくり返してあげたいけど
そういうのは他人がやってあげられるものではありません。

「どうしても、それをひっくり返したい!」
と思うようなゴールが必要で
それができる、と思える環境が必要です。

でも、それにも「正解」は無い
ってところが、難しくも面白いところ。

フタを外そう

多くの学生、保護者、学校が望む「学力向上」ですが
どうにも違和感を感じるのです。

もちろん、学力が向上すること自体には
何の文句も無いのですが
恐らくこの場合
「学力だけ伸びればいいのだ」
というニュアンスが強いのではないか
と思っています。

特にいわゆる中堅どころ以下の場合。

違いますかね。

だって、学校ではほとんど勉学しか教えないでしょう?
そりゃ他のこともあるにはあるでしょうけど
いずれにせよ定型的な知識が中心で
それを「やらせる」のが中心ですよね。
決まったことを「やらせる」。

勉学やって成績上げたら良い仕事ができるなんて
そんなの幻想だと思うのですが
どうなんでしょう?

そりゃぁ、中にはそういう経験をして社会に出て
良い仕事をする例も出てくるとは思いますが
そんなのは少数で、ほとんどギャンブルみたいなもの
になっちゃうのではないかと思ってます。

言われたことをやる勉学に馴染めない学生達だって
多くは存在意義が欲しくて
何かしらやってみたいのだと思っているでしょう。

ただ、それにはフタをされている。

「そんなの勉強できなきゃ…」
みたいなフタです。

恐らくそれは
かなり早期にセットされてしまって
創造性などを押さえ込んできたはずです。

そしてそれが習慣になって
本当に創造性が無くなってしまう。

自由に広がっていくのではなく
すぐに収束して狭いところで思考する

そんなふうになっている気がします。

そうなってしまったら
フタを外して際限なく高くジャンプしても良いのに
できるだけ小さく収まろうとする。

それで、勉強さえできるようになれば
将来が明るくとか、安定とか、安心とか…

そりゃ本当なのか?
って思ってしまうのです。

そう。
夢工房は彼らの「フタ」を外したいのです。
それが我々のミッションだと思っています。