アメリカに行ってきます

夢工房で惑星探査機の開発をしている学生のお付き合いで
今日からしばらくアメリカに行ってきます。
実に3年ぶりの海外遠征です。

行き先はネバダ州のブラックロックデザートというところ。
知る人ぞ知るBurning Manというイベントで有名な場所です。
我々が現地に到着するのは
そのイベントが終わった後で
彼らが後片付けをしている最中です。

そこはプラヤと呼ばれる
雨期の冬には浅い湖になっているけど乾期の夏は干上がって砂漠になる
そんな場所です。
乾湖ってヤツですね。

なので、砂漠とは言っても
ラクダが歩いているような砂丘があるといったイメージではなく
ひたすら真っ平らです。

広さは東京23区が入っちゃうくらいなので
ヘタに迷い込むと出口が分からなくなっちゃうような場所です。

そこで学生が開発した模擬惑星探査機を
現地のロケット愛好家の手作りロケットに搭載してもらって打ち上げて
あらかじめ砂漠に設定されたゴールまで走行させるという
コンペティションでもあり実験でもある
そんなイベントに参加してきます。

今日は、16時55分発のユナイテッド便で
まずは成田から中継地点のロサンゼルスに飛びます。
飛行時間は9時間55分。
ロサンゼルス着は現地時間で7日の午前10時50分
日本時間では8日の午前2時50分です。

現地は米国太平洋標準時の夏時間なので
日本の時間からマイナス16時間の時差があります。
簡単に計算するなら
今の日本の時刻に8時間足して日付を1日戻せば現地時間。

日本の夕方に飛行機で発つと
現地に着くのは出発した日の午前です。
飛行機はタイムマシンですね。

ロサンゼルスからは国内線でネバダ州の北部にある都市リノに行き
そこからレンタカーで東に60kmほど行ったところにある
ファーンリーという小さな町が今回の拠点です。
日付上は、9月7日のうちにそこに着きます。

ちなみに、砂漠はそこから北へ約160km行ったところにあります。

どうでもいいことかもしれませんが
このブログは1日も途絶えずに毎日記事を投稿する
というチャレンジ(修行)をしている都合上
日本時間で日付が変わる前に記事を投稿したいのですが
日本時間で夜の12時は現地時間では朝の8時なんですよね。

このイベントに参加していると
朝の出発は早いし砂漠は携帯の電波が届かないので
朝に投稿するというのは難しいですね。

逆に現地時間で夜の12時は日本時間では夕方の4時です。

なので、現地の時間で日付が変わる前に
その日の模様を投稿でお知らせするのがいいかな
なんてことを考えています。

初海外の2年生のコータローと行ってきます

再起動中

コロナ自粛の反動なのか
夢工房では日々課題が明確化されています。
毎日問題が起きている
という意味ではないのですが。

まぁ、この時期を通り抜けてきた学生達は
当然環境の影響を受けているわけで
その状態が自分の「普通」になっていたり
それどころか
環境が変わりすぎてどうしたらいいか分からない
なんて状態なのだと思いますけどね。

それ以前に、偉そうにこんなことを言っている私自身も
過去3年で色々と変わったりしている部分もあるわけで

夢工房としては
学生に対する一方的な指導
なんてことではなく
学生達と一体になって
今後に向けて対応していく
という感じになるかと思います。

学生達を見ていても
自身を振り返っても
まず手を付けるべきことは見えています。

コミュニケーションですね。

これは単に「話をする」に限らず
ノンバーバルなものも含んだ
幅広い意味で変えていくべきことだと思っています。

あとは考え方かな。
これは色々やりながら
ですね。

でもまぁ、色々と課題はあるものの
というか
課題が明確になっているのは良いことなのですけどね

ものづくりの実務的な部分は
期待を上回っています。

正直なところ
学生達がここまで頑張れるとは思っていませんでした。

もちろん、再スタートですから
思い通りにいかない部分もありますが
相当頑張れているのは事実で
その分大きく成長しています。

見た目の話 3

今回は「見た目」というより
「見えない」話になるかもしれません。

世の中色んな分野のプロフェッショナルがいるわけで
それなりの経験を積まないと
見えない世界があります。

形とか色とか精度とか
分野によって色々です。

私は自分の言うのもなんですが
結構多岐に渡って経験を積んできた方かと思います。

ただし、沢山経験できたのはいいのですが
限られた人生で多くの分野を経験するということは…
それぞれが浅いってことですね(笑)

学生の時分は
レースのメカニックをやっていて
組んだりバラしたり組んだりバラしたり…
手先の感覚はここで磨かれた気がします。
お陰で百分の数ミリの指先の感覚も得ることができました。

これは実際に経験しないと
理屈では分かっていても
「見えない」世界です。

百分の数ミリがどういう結果を及ぼすかを
分かっていなければ意識に上がってこないので
見えないも同然です。

いわゆる超有名なエンジンチューナーの
仕事を見る機会があったりしたのも良い経験です。

で、レースをやってると
何かとお金が掛かるもので
色々とアルバイトをしていましたが
中でも自動車の鈑金屋さんでの経験は貴重でした。

そこで自動車の基本的な構造や部品名を知れたし
鈑金塗装に関する知識
特に形状と色に関しては大変ためになりました。

ボディの微妙な凹凸などは
「直さなければ」
という意識があるからこそ見えるわけで
塗色も同様です。

「あぁ、この白はちょっと黄色いなぁ」
とか
「この青はちょっと赤すぎるよね」
なんて、経験のない人からしたら
一体何を言ってるんだ?
という世界じゃないでしょうか。

その後、紆余曲折を経て
自動車の開発を経験するのですが
その道のプロがいる世界は楽しかったです。
仙人みたいなプロ中のプロがいたり。

例えばボディの設計なんかでは
「合わせ建て付け」
などと言いますが
段差とか隙間の設定は見た目の品質に影響するので
それはそれはシビアにやってます。

ドアの周囲の隙間なんていい例ですね。
ここが狭い隙間が一定に走っていたり
ボディとドアの面がピシッと出ていたり
そんなところに技術レベルの高さが現れます。

「え~?お客さんそこまで見ないでしょう?!」
というレベルまでキッチリやりこみます。

特にモーターショーのショーカーを
やらせてもらったのは良かったです。

量産と違って、職人さんの手作りですから
それはそれはシビアな人達が集まります。

面の段差とか隙間とか形状の狂いとか
まぁ1ミリも狂ってたら論外でしょうね。
コンマ2~3ミリでも
見る人が見れば、はっきり分かるレベルですから。

こういうのって
部分的に、ちょっぴり手を抜いただけでも
全体を見たときに何か違和感を感じるものです。

なので、美しいカッコイイ部品が組み付けられて
ヨシ!できた!
と思っても

「ダメだ。やり直そう」
なんてことが繰り返されたり。

これも、経験や技術があって
その上で目指すレベルがあるからこそ
見える世界だと思います。

よくメカの設計をしていると
設計的におかしなものは直感的に違和感を感じる
と、そんなことがありますが
これも経験があるからこそ
直感が働くということです。

とまぁ、こんな感じで
普通は見えないもの
普通は感じないものも
見えたり感じたりできるようになる
というお話しでした。