人材育成について ちょっぴり戦略編

前回の続きです。

技術系の学校であれば
プロフェッショナルとか
エキスパートとか
スペシャリストとか
そういうのを目指すというのは
ごく自然で当たり前でしょうね。

これに対して違和感を感じるのはなぜか
というのが今回のお話しです。

違和感の正体は何かというと
そこを狙っても競争力が無いのではないか
ということです。

勘違いして欲しくないのは
プロフェッショナルとか
エキスパートとか
スペシャリストとか
そう呼ばれる人達に
価値が無いはずはありません。
そういう話ではないのです。

我々が単純にそこを目指しても
競争力を得にくいということなのです。
それはつまり
十分に人様の、世の中のお役に立てない可能性がある
ということでもあります。

学校は「言われたことをやる」教育なので
その方向で行くとライバルが多すぎるのです。
だって、皆がそうしているのだから当然です。

さらに
2:6:2の法則では
2割は言われなくてもやる
6割は言われたらやる(言われたことをやる)
2割は言われてもやらない
です。

この6割を狙うというのは戦略的にダメです。

なぜかというと
この6割には、定型的な知識を使って
アサインされた仕事をこなすのが得意な人達が沢山いますし
そういうのは学校のお勉強ができる人の得意分野で
さらに、その領域の頭数は足りているでしょうから
過当競争になります。

仕事というのは言われたことをやることだ
と聞かされて、そう思って
そのためのことをやってきたら
そりゃあそうなります。

でも、そのやり方は
これからの日本が生き残っていくためのスジではありません。
すでに日本は安価(低付加価値)で大量生産、大量供給をして
やっていける立ち位置ではないでしょうから。

それに、そういった人材は決して理想ではなく
受け入れる側は、うんざりしているはずです。

なんでそんなことが言えるのか?
「そっち側」にいたからです。

私自身、完璧でも理想型でもありませんでしたが
部下を持った経験があれば、誰でも感じることです。

要求に対して答える仕事をするのは重要だけど
そこに付加される価値が重要です。

普通のことを完璧にこなしたところで
それはどこまで行っても普通なわけで

より大きな付加価値が必要なのですが
定型的な知識で付加価値を大きくできるかというと
そうではないことは、すでに皆が知っているはずです。

そんなのは今の世の中を見れば明らかではないでしょうか。
失われたウン十年と言われるようになったスジで
ハードにプッシュしたって結果は変わらないでしょう。

新卒社員が3年後に3割以上辞めてしまうのは
勉強ができないからですか?
もっと頑張って勉強して成績が良くなれば
それは解消されるのですか?
そんなことはないですよね。

そういうのを政治のせいとか
社会のせいとかにしたところで
それでうまく行くはずはありません。

学校には、できることがあるはずで
むしろ学校が大事なのだと思います。

言われたことを人一倍うまくやれるなら
そもそもウチの大学に来ていないわけなのですが
だからといってダメかというと
決してそんなことはなくて
我々には我々の勝ちスジがあると思っています。
というか、それを作って強化しなければならない。

そんな前提で夢工房の人材育成を考えています。

続く

人材育成について 前振り

夢工房で育成すべき人物像は?

これは私が大学に来てからのテーマです。

もちろん単一種では困っちゃうし意味がありませんので
色々できる競争力のある人材を育てたいと思っています。

扱っているテーマがテーマなので
幸いにして今のところはモチベーションの高い学生が集まってくれて
結果としては卒業生達の多くがやりたいことができていて
世のお役に立てています。

取り組んでいるテーマ自体はほぼ一貫していますし
本質的な部分も一貫しています。

でも、取り組んでいることの細部や手段の面では
ずっと同じことをやってきたわけではないし
今後も同じことをやり続けていくつもりはありません。

冒頭の
夢工房ではどんな人材を育成すべきか
これを継続的に考えているのですが
それにも波があって
ガッツリ考えることもあれば
ゆるーく、何となく考えていることもあって
最近は、それらをちょっと整理すべき時かな
なんて思っています。

そう、ボンヤリとしたビジョンはあるのですが
明確化していく必要があるということです。

仕事柄、この話は業務の核心に触れるところなので
もし開発業務であれば機密事項です。

でもまぁ、他人から見ると
それほど大したことでは無いかもしれません。

しかしもし意味のあることだと思って
参考にしたいと思って下さる方がいるのなら
それはそれで結構なことなので
ブログで展開してみようと思いました。

さてさて
基本的な部分は
やはりものづくりなわけで
その路線で行くとイメージ的には

プロフェッショナルとか
エキスパートとか
スペシャリストとか
そういうニュアンスになるかと思うのですが

それらを良く考えてみると
どうも違うな
という気もしています。

まぁ、それでも悪くはないのかもしれませんが
その線で行くと敗北決定かもしれません。
一体どういうことか。

次回に続く

続続・考え方が逆…の正体

前回の投稿では
自由なゴール(理想)の設定が問題だ
ということになりました。

そもそもゴール設定の経験が無いと
この「考え方が逆」シリーズで言ってきたように
手段から積み上げていって
ショボいゴールが決まってしまったり
意味不明なゴールになったり
そんなことになるのですが
その際の考え方というか
姿勢が参考になるかもしれません。

私はそれを
ザリガニのロジックと呼びます。

何かを考え行動するときに
まずは防御腺を張って
いつでも逃げられるように行動する

そういうことありませんか?

私はありましたよ。
そのうちそれが
いかに意味の無い、しょうもない考え方か
ということに気付いてやめましたが。

まずはクドクドと
ほとんど言い訳みたいな説明から始まって
「仕方なくこうする」みたいな
消去法みたいな考え方の末に
「こうなっちゃう」のような
弱腰で無難な
最低限のゴールを設定するのです。

大抵の場合それは
簡単にできそうな手段を寄せ集めて作られています

そしてそれは
やってみたところで大したメリットはありません。
自分にも他人にも。

何かうまくいかなくなりそうなら
いつでもすぐにバックで逃げられる
ザリガニのようなやり方

それが
ザリガニのロジック!
経験者だからこそ語れる
最弱のロジックです。

さて、面白い話はこれくらいにして
ゴール設定の話でしたね。

これまで何度か記事にしてきましたが
ゴールは高くデッカく設定しましょう。

じゃないと面白くなりません。
自分も他人もです。

その高くデッカいゴールを
どうやったら設定できるのでしょう。
それが問題です。

このゴール設定をするという情況に置かれたとき
たとえザリガニ野郎でも
きっと一瞬思うはずです

「これを最大限にやると
どうなるのだろう?」
って。

その後
「いやいや、いかんいかん
そんなこと考えたら大変なことになるかも」
ということになって
強烈にバックをして
可能な限り低いゴールを考えるのではないでしょうか。

だとすると
必要なのは

勇気です。

高飛び込みってありますよね。
高いところからプールに飛び込むヤツです。
あれ、やったことありますか?
初めて高いところから飛び込むのは本当に怖いです。

その際、選択肢は2つしかありません。

飛ぶか
飛ばないか
です。

ありがちなのは
飛ぶ寸前になって怖くなって
その怖さに慣れたら飛ぼう
なんて思ったりするのです。

するとどうなると思いますか?

どんどん怖くなって
ますます飛べなくなるのです。

なので、一番いいのは
怖さが増大する前に飛んじまえ!
です。

100m越えバンジージャンプも同じでした。
時間をかけると
「これは絶対に死ぬ!」
と、体が拒否反応を示すので
その前に飛ぶのです。

何か話が脱線傾向になってきましたが
ゴールの設定も似たようなものです。

できるかどうかなんて分からないけど
やるべきだと思ったらセットしろ!
です。

その結果、諦めずに取り組むと
多大な労力を払って
苦労することになるかもしれません。
でも、何も失いません。

高飛び込みと同じで
勇気と自信が得られます。

やればできるじゃん
って。

あと大事なこと

やったことがないことに対しても
「できる」
と思いましょう。

これは、やったことがないことに対して思うのだから
いわゆる「思い込み」なわけですが
それでOKです。

チャレンジなんて大抵はそんなもんです。
理論的な根拠なんて無かったりするから
そこには驚きとか感動があるわけです。

とはいえこれは
会社に入ってから困ることの一つでもあります。

やりたいことを思い付いちゃって
提案すると

「それができる裏付けはあるのか?」
とか言われちゃったりするのです。

正直なところ
できるかどうかなんてやってみないと分からないし
どうしてもやりたいんだよ!!
って話なのですが

渋々チマチマ情報集めとか資料づくりとかやっちゃうわけですけど…
結局、最後にものを言うのは理解者を増やすことだったりしますけどね。
で、みんなの「やりたい」に変えていく。

「裏付け」とか言ったって
結局人は理屈じゃ動かないんですよ。
逆に、理屈だけで動いていたら
そこには感動とか価値は無いんじゃないかと思うのですが
どうなんでしょうね。

まぁ、こういうのは会社とか職種によりけりかな。

ここまで言っておいて何ですが
やはりポジティブな心や熱意が
ゴールの設定はもちろん
その後の全てをも決めるのです。