難しいから面白い だからチャレンジするのです

なんだかんだでバイクに乗り始めてから
ずいぶん長いこと経ちます。
あと数年で40年になります。

ついこの間、バカなチャレンジに成功しましたが
給油や食事の休憩時間を除くと
15時間くらいバイクに乗ってるわけです。

自分が好きな楽しい乗り物に長時間乗ってるんだから
さぞ楽しいだろうとお思いかもしれませんが
まぁ、修行です。
ある意味楽しいという言い方もできるかもしれませんが
正直キツイですよ。
こういうのが楽しい人は変態ですね。

その間、色々考えてたりするのですが
運転以外のことを考えてると危ないので
もちろん運転のことを考えている時間がほとんどです。

で、まだまだ詰め代があるな
と思いながら
色々試してたりするんですよ。
練習しながら移動しているようなものです。

長距離の巡航とは言え
加速 減速 旋回 加速 減速 旋回…
と延々繰り返しているわけです。
その度にチマチマと色々試すのです。

さすがに1500kmも走れば
この年になっても色々気付きがあって
まだまだ伸び代があるんだなぁ
バイクっていいなぁ
なんて実感してます。

バイクに乗っていて
一番難しくて一番楽しいのは
やはりコーナリングですね。
難しいから楽しいのでしょうね。

別に高いスピードで曲がれば偉いってわけではないのです
公道ですから安全第一です。

自分が納得いくように乗れてるかどうか
ってのがとても重要。

で、今回のテーマは
腰骨の角度と丹田(腹筋)の使い方
でした。
これは減速からコーナリングにかけての
姿勢のつくり方と保持の仕方の話しなのですが。

まぁここであまり細かいことを言っても仕方ないのですが
「現役でレースやってる時に、これに気付いていたらなぁ」
なんて気付きが今頃あったりして
「たら・れば」な思いを巡らせていたりしたわけです。

と、ここまで書いて思い出したのですが
そもそも1日で長距離を走るチャレンジをしたきっかけは…

まず
学生が頑張るばかりではなく
自分も頑張らないとな
と思ったのが第一。

それと
オーストラリアの縦断に備えてのトレーニングとして
ということだったのです。

現地をのんびり走れれば別に問題はないのですが
1週間程度しかない休みの期間中に確実に走りきるためには
1日の走行距離を稼ぐ必要があって
それを可能にしておく必要があったのです。
セコい旅ですね。

大事なのはフィジカル面の耐久性はもちろんですが
もっと重要なのはメンタル面の耐久性なのです。
キツいコンディションで、メンタルが崩壊していたら
成功しません。

宗谷岬や佐多岬のチャレンジでも
大事なのは1500km走った時に
どの程度メンタルを保てているか
それが重要なところでした。

幸いなことに
走りきった途端に茫然自失
という状態にはなりませんでした。

オーストラリアに行ったら
現地では徹夜で走行するなんてことはありません。
夜はカンガルーが飛び出してきて危ないですから。

アウトバックと呼ばれる
暑くて乾燥した内陸の砂漠地帯を
毎日延々と走る必要があるのです。

計画では舗装路を行きますが
仮にオフロードを走っていれば
ガソリンか水のどちらかが切れたら死ぬ
と言われるような場所です。

舗装路でも
致命的な事故をやったら助からないでしょうね。
携帯繋がらないし
周囲数百キロの範囲に病院がない
なんてのは珍しくないですから。

前回の走行でも分かりましたが
気を抜いていたら本当に危ないです。

観光らしいことは
ほとんどできないかもしれません。
でも、それで良いのです。
現地の空気感を味わえれば満足です。
修行ですから(笑)

こんなのは人から見れば
大したチャレンジではないかもしれませんが
自分なりに挑戦し続けるのが大事だな
と思うのです。

次はどうする?

2019年には北海道最北端の宗谷岬に1日以内に到達

2021年の今回は本土最南端の佐多岬に1日以内に到達

で、次はどうするか?

どうしましょうね。

なんてことを早くも考えてたりするんですけどね。
あんなにキツイ思いしたのにね。

別に日本一とか
世界初とか
そんなのを狙っているわけじゃなくて

「そんなバカなことやるヤツいるんだねぇ」

程度のことなんですけどね。

で、本土最南端の佐多岬で見付けたこんなネタがあります。

かの有名な風間深志さんの企画で作られた
日本の4極到達証明の記念コインです。

風間深志 さん、知りませんか?
バイクで北極点に行ったり南極点に行ったり
チョモランマ登ったり
伝説的な冒険ライダーです。
ウィキペディアにもありますね。

日本のバイク文化について
かなり真剣に考えてる方で
色々企画されてます。

日本本土四極到達証明書ってのがあるのは知ってました。
東西南北の「先っぽ」に行ってもらえるヤツ。
でも、あまり興味なかったんですよね。
別に証明なんていいかなぁ
と。

でも、このコインはなかなかキュートでしょう?
証明書と同じく「先っぽ」で買うんですけどね。
佐多岬のホテルのフロントで
チェックアウトの時に見付けたので買ってきました。

ツーリング好きのライダーは
よく先っぽを目指します。
何なのでしょうね。
人のこと言えませんが。
達成感はありますからね。
そういうことでしょうね。

このコイン集めるために
また1日で先っぽに行く?

また宗谷岬行くの?
回数で言ったら、もう3、4回行ってますけどね。
またコインもらいに行く?

最東端の納沙布岬は行ったかなぁ。
アザラシがいるところだったかな?
納沙布岬、函館のフェリーターミナルから680kmかぁ
宗谷岬よりかなり近いと思ってたけど
そうでもないんですね。30kmくらい遠い。

最西端は佐世保。
鹿児島よりずっと近いですね。
でも、行ったことないなぁ。

コインもらうために
あと3極にそれぞれ1日で行ってみる?
なんかバカバカしくていいなぁ。

まぁ、気が向いたらふらっと行ってみましょうか。

オーストラリア横断と縦断もぜひチャレンジしたいなぁ。
こっちの方が冒険っぽいですよね。

妄想は尽きません。

自分の冒険も良いですが
学生達の冒険のコンプリートをお手伝いしないとね。


1 Day佐多岬 帰着と総括

前日の昼前に徳島を出たオーシャン東九フェリーで
朝6時に東京港の有明に到着。

このフェリーは、比較的長距離の航路にもかかわらず
レストランが無いのです。
代わりに自販機がたくさんありました。

まぁ、疲れ果てて寝てばかりいたので
食事はどうでもよかったのですが
船自体は綺麗で文句はありません。
風呂にいつでも入れるのは他のフェリーとは異なるところ。
この辺は色んな人がブログの記事にしているので
興味があったら探して参考にしてみて下さい。

港に着いたら、あとは帰宅するだけ。
とはいえ、この「最後の一押し」的な走行が結構キツイのですが。

さて、肝心のチャレンジの感想です。

2年前に行った宗谷岬も同様ですが
渋滞を避けて距離と時間を稼ぐために
徹夜で夜通しの走行です。
こんなのを真似したいと思う人は
そうはいないとは思いますが
参考までに、何を考えてどうだったのか
そのへんをざっとお話ししておきましょう。

まず1500kmの距離ですが
そのほとんど全てが高速道路の走行で
あまり無理をしているつもりはありませんでした。
無理をして必死になったところで難しいと思います。
無理をせずに必死にならずに淡々と走れれば可能でしょう。

そもそも週末にちょっとツーリングをするような楽しみ方をしている人なら
どれくらいの日数を必要とする距離でしょう?
恐らく1ヶ月半くらいではないでしょうか。
それを1日で走るのですから
無理とは言いませんが、まあまあ大変です。

佐多岬までは、途中5回だけ給油と食事のために停車しました。
停車ポイント間のそれぞれの距離は、自宅を出発してから
273km
269km
258km
298km
194km
205km(佐多岬到着)
といったところです。

クルーズコントロールが付いていても
クラッチを使わずにシフトチェンジができる
クイックシフターが付いていても
両手の握力は低下しますし
首や腰が疲れてきます。
モトクロスで使うようなウエストベルト(コルセット)
があると、だいぶ負担が違ってきますのでお勧めです。

道路に異常に詳しい人はともかく
そうでないならナビゲーションはあった方が良いです。
今回はスマホでGoogleマップを使いました。
これだけでかなりストレスは低減します。
もちろんスマホは車体のバッテリーから給電できるように。

北海道最北端の宗谷岬までの1500kmを22時間で走った時も
事前準備や実行中の基本的な考え方は変わりません。

  • 無駄に疲労しないように渋滞を避けること
  • 地方では深夜は営業していないスタンドがあるので
    深夜でも営業している給油ポイントとルートを事前に調べておくこと
  • 天候が変わるたびにレインスーツを着たり脱いだりしていると
    タイムロスになるのはもちろん、精神的に疲れてくるので
    止まらずに走り続けられる装備があると良い

こんなところです。

あと、距離が距離だけに
基本的な整備はちゃんと済ませておきましょう。
もし途中でトラブルが起きたら
心も体も疲れ果てているはずなので
恐らく途方に暮れます。
エンジンオイルは現地到達前に劣化して
エンジンと変速のフィールが悪化してきます。
できれば出発前に高耐久で信頼性の高い新油に換えておいた方が良いです。
それでもオイルは劣化して
1回のチャレンジで役目を終えますが。

学生には
「どこまで考えて計画してるんですか?」
と聞かれました。
良い質問です。

まぁ、想定できる大まかな部分は
ある程度考えて計画はしていますが
想定外の事については
ある程度まで考えたら、あまり深掘りしません。
初めて挑戦することなのですから
やってみないと分からない部分もあるわけで
そんなの考えていたらキリがありませんし
考えすぎたら実行できません。
考えられるところまでは考えるけど
何かが起きたら何とかする
その辺が重要なのではないでしょうか。

あ!そうそう
最も大事なこと。

余計なことするな

です。
ヘタに色気を出して
観光めいたことや
写真撮ったりしていると
集中力を削がれますから。
何事にもトレードオフがあることを忘れずに。

さて、佐多岬の付近のお話しです。

今回行った佐多岬があるのが東側の大隅半島ですね。
西側の薩摩半島は10年前に一度行っています。

大隅半島、特に佐多岬周辺は
ツーリングの目的地として
もっとメジャーになっても良い気がしました。
(反面、多くのライダーが集まるようになると
地元の人が迷惑するかもしれないという懸念もありますが)

この時期の現地はかなり暖かいです。
キンモクセイの季節ですね。
色とりどりの花がそこかしこに咲いていて
とても冬の入り口とは思えません。
なので、夏から秋の装備で走れると思います。

佐多岬に近づくほど
道路は細く、小さな集落を繋いでいくので
北海道などと違ってハイスピードでドーンと行く感じではなく
法定速度40キロで地元のクルマと一緒にのんびり
といった感じです。
何てことはない田舎の道かもしれませんが
どことなく懐かしい雰囲気の中に
花壇やら公園やらが綺麗に整備されていて
地域の皆さんが頑張っているのが良く分かります。

佐多岬付近のルートで
もっとも雰囲気があるのは
南大隅町道佐多岬公園線のこの区間です。
植生が南国なので単なる山道ではありません。
本土にいるのに、南の島を走っているような
不思議な気持ちになりますね。

佐多岬自体もよく整備されています。
岬の展望台へは山の中の遊歩道を少々歩く必要があります。
途中には本土最南端の神社があったりもします。
小さい神社ですが、ちゃんと神職の方がいらっしゃいますよ。
展望台からは、硫黄島、種子島、屋久島などの島々が一望できるのですが
こんなに沢山の名の知れた島々を一度に見られる場所は私は記憶にありません。
眺望はなかなかのものです。

そして到着の夜に泊まったホテル佐多岬
ここが最高です。
元は国民宿舎だったところを改装したようですが
展望浴場をはじめ、結構綺麗にリノベーションされています。
スタッフの対応も感じが良いし料理もなかなかものです。
ホテルの目の前が浜なので、終始聞こえるさざ波の音
そして素晴らしい星空!
料金は決して高くありません。
というか、この内容なら激安です。
そのうち再訪して、ゆっくりしたいと思っています。