2023種子島遠征 第4日

大会のスケジュールはいよいよ今日から動き出します。
15時から受付と機体審査がありますが、その前後は自由です。なので、何はともあれ機体のセッティングをしなければなりません。

午前中は宿に籠もって機体の制御プログラムをゴリゴリと

午後は受付と基地あの審査を済ませたら、宇宙ヶ丘公園でテスト走行…

種子島は鹿児島より南の島なのですが、3月はあまり暖かかった印象がありません
風が吹き抜けるので結構寒いのです
この時の気温は12度、埼玉とあまり変わりません

と行きたかったのですが、謎のトラブルに見舞われました。

今回の機体もカーボンファイバー製で、その強靱さが売りなのですが、この素材は電波を遮断して、かつ電気も流れるというちょっと厄介な特性を持っています。

電気が流れるということは、内部の電子基板と絶縁しないといけないのですが、絶縁材を入れるとどうも調子が悪い。
それに加えて、電磁波のノイズを遮断する材料も入っていて、これは電気を通すので、そこにも絶縁材を入れているのですが、そもそも絶縁材が電気的に悪さをするなんてことは考えにくいのです。そしてもちろん入れないわけにはいかない。

宿の夕飯の時間(7時)が近づいてきたので一端撤収して、続きの原因解析は宿で行いました。

色々試しているのですが…

問題が解決次第、再度宇宙ヶ丘公園に行ってテスト走行をしたかったのですが、結局、夜中まで問題解決できず。

明日は午後から開会式~技術発表会(プレゼンテーション)という流れなので、午前中にテスト走行をすることにしました。

頑張れコータロー!
負けるなコータロー!

2023種子島遠征 第3日

例年のこの時期、種子島では桜がそろそろ終わろうかという頃です。
今年はまだかなり残っていますが。

種子島の人は花見をしないのだそうです。全員では無いかもしれませんが。
宿の人に聞いたところ「山に生えてる桜は見るけどねぇ」といった感じで、桜を見ながら宴会をするような感じではありませんでした。
そういえば、桜の木が沢山ある公園など見た覚えがありません。

午前中は機体の整備

午後からは近くの宇宙ヶ丘公園に行って動作テスト
ここには大会が行われるJAXAの会場同様に芝生の広場があって、テストには最適なのです。
ちなみにロケットの打ち上げの祭は、射点から半径3km以内は立ち入り禁止になるので
打ち上げがよく見える公園が数カ所あって、そこに見学者は集まります。ここはその一つです。

南種子町には、こういうロケットのモニュメントが沢山あります
上皇陛下の御製の碑があったりもします
奥の方にポツポツ見える建物がJAXAの施設群
発射場もそこにあります
一番奥は水平線です
公園にはガジュマルが沢山
枝から垂れ下がる根が地面に達すると幹のように成長します
不思議な木です

公園でテストを開始…

いかにも南国な公園でしょう

といきたいところでしたが、トラブル発生。
再度宿に戻りトラブルシュート

機体内部の基板上には、マイコンやらモーターやら電磁波のノイズを発生するものと、ノイズを避けたいセンサーが同居していて、それらをアルミのテープでシールドしているのですが、それが悪さをしていたようです。
こういうのって目に見えないので厄介なのです。

夕方には何とか対策を完了して、宇宙ヶ丘公園てテストを再開したら、あっというまに真っ暗。

7時は真っ暗
でも、関東よりは日没が遅いですね

とりあえず走行してゴール判定はできましたが、精度はイマイチで、他にも課題が残っています。何とか動作確認はできたので、あとは宿でプログラムの修正です。

明日は午後に大会の事前受付と機体審査があります。
その前後は機体のテストをすることになるでしょう。

2023種子島遠征 第2日

機体にトラブル発生!

搭載した通信モジュールが動作しません。
コータローは朝から対策に追われていました。

通常なら難なく動作するはずのものが動作せず
あいにくスペアパーツも無し

ずっと宿の部屋に籠もりっきりで、延々とトラブルシュートを続けます

昼は近所のコンビニに買い出しに行きました。
ここ、南種子町には1件しかコンビニがありません。
唯一のコンビニはファミリーマートなのですが、かつてここはエブリワンという九州のコンビニチェーンのお店がありました。
弁当とか店内で焼いているパンが秀逸で、大好きだったのですが、いつの間にやらファミリーマートになってしまいました。
でも、弁当やパンは変わらずに残っていたので、ちょっと安心。

巨大な「ばくだんおむすび」
島内で作っています

そもそも種子島にはコンビニエンスストアがあまりありません。
島内で記憶に残っているのは3件くらい。

調べてみたところファミリーマートが4軒ありますね。
他は種子島ローカルのお店が数件あります。

では不便なのか?というと決してそんなことは感じません。
来る度に「こんなもんでいいんじゃないかな」と思います。
いかに日頃、あらゆるものが過剰な環境で生活しているのかが、ここに来ると実感できます。

ここには昭和な雑貨屋がいまだに沢山残っているわけですが、そういうお店に行くと思うのです。
「こんにちはー!」
とお店に入って、買い物ついでに雑談したりして、これが望ましい本来の姿だよな、と。

便利さと引き換えに人間性を失う、なんて言ったら大げさかもしれませんが、でもここに来て気付くのはそういうことです。

本来であれば、今日はテスト走行をして機体の最適化をするはずでしたので、コータローと一緒に車で近所の公園に行くはずでしたが、日中は本を読んだり…

宿にある南国の盆栽
何というか…迫力がありますね

夕方6時ごろ

「やりました!分かりました!!」

ついにトラブル解決です。
おお、良かったよかった。

原因は、基本的な部分に関するもので、いわゆる凡ミスですが、こういうトラブルがなかなか解決しないのは良くある話です。

「こんなところが間違っているはずは無い」

と思って(「思いもせずに」かもしれません)、視野の外に出してしまったものは意識することができませんから。

人間は間違えるものです。
なので、トラブルシュートの基本は、間違えるはずが無いと思っているところから順に確認することです。
本来、今回やっている作業も含めて、大学で済ませておくべきことなのですが、それも含めて良い経験になっていると思います。

こういうことは、あらかじめ口頭で教えておいたり、マニュアル化することもできますが、単に受け身で知識として知ったことと、自分で身をもって知ったことは大きく異なります。

コータロー、良い経験してます。

ちょうど機体が分解されているので写真を上げておきましょう。

左から駆動機構が組まれた下部ボディ、上部ボディ、内部基板
本当は、この機体は上も下も無い設計です
基板上には複数のマイコン、GPSアンテナ、各種センサーを搭載
この四角いのが今回の新ネタ、レーザー測距センサー