遭難したら登れ!

山で遭難した時のセオリー、知ってますか?

下山するのではなく
登るのだそうです。

遭難救助隊の人も登山家もそう言います。

登って山頂に近い方が捜索隊に発見されやすい
などの理由があるようですね。
裾野の方は広がっているので
ますますどこに行ったら良いか分からなくなるし
当然、捜索範囲も広がっちゃいますからね。

あとは、下山方向だと
藪を抜けたら崖になっていて滑落するとか
そんなこともあるようです。

さて
人生や仕事においても
迷うことはありますね。

そんな時にどう考えたら良いかというお話しです。

迷いが生じた時に
どのように事に向き合うか
恐らく人によって結構違うのだとは思います。

遭難した時に
慌てて下山すると危険なように
迷った時、困難が生じた時に
対処するセオリーを持っておくと良いと思います。

人によって色んなアプローチがあるとは思いますが
手っ取り早いのは
今の自分が取り得る選択肢を列挙して
それらに対して点数付けしたり
それぞれが持つメリットとデメリットを明確化して
最善と思うものを選択するとかかな。

この場合、目で見て分かるように紙に書き出した方が良いです。
表を作っても良いでしょう。
頭の中でやっていると、選択肢を広げられませんし
メリット/デメリットの抽出がうまくいかないことが多いですから。

あと良く言われるのは
空間認識能力
とかですかね。

例えば今、困っちゃってる自分が地図の上にいるとして
周囲にはどのようなものがあるかを俯瞰するようにイメージして
それらとの相対的な関係を認識して
どうするかを決める
そんなことができたら良いですよね。
要は、地図があれば迷わないじゃん!ってことです。
この場合は、2次元の空間認識能力です。

この地図を俯瞰するアプローチに時間軸を加えて
時間の経過と共に周囲がどう変化するかも予想して
どうするかを決める。
そんなやり方もあるでしょう。

この地図のアプローチは
例えば山で遭難するってのは
周囲が見えないから遭難するわけで
山頂がどこにあるのか
山道はどこにあるのか
麓の集落がどこにあるのか
そんなことが分かってたら遭難しないわけです。

なので、今遭難している場所から
上空に飛び上がって
「あぁ、今はここにいるんだな
じゃぁ、あっちに行けば良いんだな」
と分かれば遭難しないじゃん
と、そういうことです。

実際の登山では
もちろんそんなことはできないから遭難しちゃうのですが
日常の環境で、想像の上ならできるでしょう。

ただ、パニックになっちゃってると
冷静に周囲を見たり
自分の環境を俯瞰したりなんてできなくなるので
まずは落ち着くことですね。

ヨガの呼吸法とかを参考にすると良いですよ。
ラマーズ法でも良いですが(笑)

とか言うと、そういうの馬鹿にする人がいますけど
大事なんですよ。

トラブルに遭遇してパニクっている時って
自分がどんな呼吸しているか知らないでしょう?

大抵は浅く速い呼吸になっていたり
止まったりしてます。
つまり、脳への酸素の供給がうまくいかない状態になっているのです。

レースやってても同じです。
特にコーナリングの時に顕著になりますが
呼吸が止まったりするのです。
すると脳が酸欠状態になる。
もちろん自分は気付いていません。

そういう状態では正常な判断ができませんし
それで思ったタイムが出なかったり
何かミスをしたりして焦ると
ますます深みに入っていきます。
なので、たまに意識的に呼吸を確認して整える必要があります。

そういのって、本番の時になってからやろうとしても
そもそもそんなこと忘れちゃってたり
うまくいかなかったりするので
日頃から気付いたら呼吸を整える
なんてことを習慣にすると良いと思います。

呼吸を整えるのは
もちろん身体的な恩恵はあるのですが
これを習慣にすると
「自分はこの呼吸によって落ち着いて
適切な判断ができるようになる」
というマインド面の「スイッチ」が作れるというメリットがあります。
条件反射や条件反射のようなものですね。

さて、大学で色々やって
困っちゃったり悩んじゃったり
そういう経験は沢山しておくべきです。
もちろん将来のために。

なので、時として遭難しちゃっても良いのです。
登山と違って命に関わりませんから。
「あぁ、こうすると遭難しちゃうのか」
って、分かればOKです。

むしろ遭難しないように
何もしない
ってのが一番まずいことだと思います。

それは人生の遭難を先送りにしているだけですから。

ゾーンに入れ!

「ゾーンに入る」って聞いたことありますか?
「フロー状態」とも言いますね。

何かに夢中になって集中・没頭している状態です。
ゲームとか夢中になった経験があるなら理解できるはず。
ああいう状態です。
ランナーズハイみたいな感じです。

これ、何をやってもそういう状態に入るかというと
そんなことはなくて
前提条件としては
難易度の高いチャレンジであること
でないといけません。

難易度が低いチャレンジになっちゃうと
退屈なだけで
夢中にはなれませんよね。

ウィキペディアに良い説明がありますね。

ゾーンに入った状態で
ガーっとやっていくと
当然ながら色々と習得できてレベルが上がります。

イケイケで行き続けると
色々と見えてきますよ。

ただこれ、当然ながら凄く没頭できるような
ネタが無いと無理ですよね。

と聞くと
「じゃ、まずはそういうのを探さなきゃ!」
ってなるかもしれませんが
探してばかりいると時間切れになるので
まずは手近なところに手を伸ばしてみるのも良いでしょう。
今、自分にできる
今、自分が関われる
そんなチャレンジはないかな?

あったら、まずはやってみるってのが良いです。
やらないと分からないし
やっている中で没頭できる領域に到達できるかもしれませんし
何気ないチャレンジや
時として
むやみなチャレンジが
ソーンに繋がっていくかもしれません。

あとは、チームでまとめてゾーンに入っていくようなこともあります。
皆で大きな流れを作って
皆でそれに飲み込まれていくようなイメージですね。

夢工房でやっている活動なんかは分かりやすい例です。

ロクに経験が無い学生が
レーシングカーや惑星探査機を
「作ってみなさい」
なんて言われても、なかなかできるものではありません。

でも、チームで「やる」って決めて
動き始めると
単独ではできそうもない能力を発揮したりします。

会社で仕事してるとありますよね。そういうの。
何か見えない力でチームがゴー!って動いていくような感覚。

学生のうちに、そういう体験をして
そういう領域があるんだって
知っておくのは大事だと思うんです。

でも、何よりそういう状態って
理屈抜きで面白いんですよね。

三現主義って知ってるかい?

三現主義って知ってますか?
開発の現場では
ものすごく昔から言われている言葉です。

あ、「現場」って言うと
肉体労働が行われている職場だって思う人がいますけど
実際に仕事が行われてる場所を総じてそう言います。
なので、かなり広い意味合いを持っています。

そうそう、三現主義は

現場・現物・現実

を大事にして、それに則して仕事しましょう!
ということです。

理屈は大事だけど
それだけじゃダメってことね。

「やってみもせんで何が分かる」
ですから。

ITテクノロジーの発達で
やってみもせんで色々分かるようになってはきましたが
それでも最後は
やらないと見えないものはあります。

なんたって使うのは人間ですから
計算通りにいかないことも多いし
リアルのみが持つ説得力や価値があります。

設計してる時に煮詰まっちゃうことがあるのですが
そんな時は、ためらうことなく現物を見ることにしていました。
なので試作の現場にも良く行ってましたね。

PCとにらめっこして煮詰まってる暇があったら
現場で現物見た方が大抵は早いです。

シミュレーション技術は
基本的な方向性などを見る時などは大変便利ですが
自然環境やイレギュラーな事象を全て入れ込むわけにはいきませんし
そもそも、そんなことやってる暇あんのか?
ってのもあります。

良いもの作るのには時間が掛かるものだ
という先入観があるかもしれませんが
それは素人考えなのです。

時間を掛けたものは人件費が掛かるわけで
当然コストアップするでしょう。

なので、良いものを時間を掛けずに作る必要があるのですね。
なので、余計な手間を掛けちゃダメで
シミュレーションに時間を掛けて
開発期間が伸びるなんてのは本末転倒なのです。

もっとも、それをやっておくことで
その後の開発が総じて短期間で済む
という話であれば、それはそれだったりしますが。

で、開発に関わる諸々の部署が近接しているって
とても大事なことなんです。

ほとんどの自動車メーカーは
設計、試作、テストのそれぞれの部署が
近接して置かれていることがほとんどだと思います。

これ、やはり三現主義に基づいてるのですね。

というわけで、夢工房は
一つの部屋の中で、企画して設計して作って…
とできるようにワンパックになっています。
今や物があふれちゃって、少々狭いですが(笑)

こういう環境って、ありそうで無いのですよ。