仏教における三毒

私は特に仏教徒というわけではありません。
どちらかというと神社大好きで御朱印集めなんかしているので
神道の人ですかね。

でも、日本人である限りある程度の影響は受けていると思います。
お釈迦様の教え
ためになるものが多いなぁ
と思いますもの。

お釈迦様が言われた3つの毒

「欲」
「愚痴」
「怒り」

そうですね。
もっともです。

この場合の「欲」は
向上心などの前向き、上向きな欲のことではなく
いわゆる私利私欲、貪欲のような意味合いです。

「愚痴」と「怒り」
これは我々の心を強烈に引きつけて視野を狭めます。
愚痴を言っても怒っても
大抵のものは解決しないものです。

むしろそれによって
ネガティブなループが生成されてしまうことが多い。

「腹の立つことが起きたのだから怒るのは当然だ!」
気持ちは分かります。
でも、その「怒る」というアクションを受け止めた相手は
どういうリアクションを取るでしょう。
その時、何か良いことが起きるでしょうか。
恐らく大抵は良いことは起きません。

多くは、怒りによって間違いを正すとか
そういう使い方をしていると思いますが
思い通りに行かないものです。

一時的には「気が晴れる」ような気がしますが
心の底からスッキリはしないはずです。

「じゃぁ、腹の立つことが起きた時に怒らなかったら何が起きるの?」
ぜひ試してみてください。
一度だけでも良いので。

むしろ「怒る」の逆をやってみてください。
何が起きるでしょうね。

面白いもので
愚痴や怒りは私利私欲に根ざしていることが多いと思います。
「自分」という小さい枠と怒りがセットになっている。
逆に枠を広げて、自分の外を考えると
あまり怒る理由が無くなったりします。

何で自分は怒ってんだろ?
というのを紐解いていくと
欲にまみれた小さい自分が
もがいているのを発見したりします。

まだまだ未熟な自分は
ついついこれらにとらわれてしまいます
学生達の面倒を見ていて
「はっ!」とすることも多いです。
なもんで、今回こんなことを書いているわけです。
自分への戒めでもあります。

学生達は
まさにこれら3つの毒のなかで
日々もがいてますね。

視野を広げて
色々経験を重ねて
無駄をそぎ落として
ストイックにゴールに向かって行って欲しいですね。

そういったことには
結構勇気が必要なものですが
越えていった先には素晴らしい世界が待ってますよ。

そうそう、なのでゴールの設定を忘れてはいけません。
遭難しないようにね。

私はお釈迦様ではないので
彼らを救うことはできません。
でも、ちょとした手助けはできます。

彼我ともに日々精進でございます。

とんがらないとね

むかしむかし
ピーター・ドラッカーが言いました。

「不思議なことに人間の長所はいくらでも伸びるのに
欠点はどれだけ努力しても並にしかならない」

「莫大な労力をかけて平均点を目指す企業が勝つはずがない。
勝負は長所をどれだけのばすかできまるのである」

まさにその通りだと思います。

レースの経験がある人なら
これを見ると
「あぁ、そりゃそうだよな」
って納得できるんじゃないかな。
彼らは実体験で分かってる。

レース経験者って仕事できる人、結構います。
ビジネスで大成功しないにしても
食うに困るような人はあまりいないな。
なんだかんだ言いながらも何とかしちゃう。

でも
受験戦争をくぐり抜けてきた
日本の学生は、そういうのはピンとこないなじゃないかな。
そんなことない?

だって学校ってダメなところを何とかしようとする組織じゃん?
何か突出しているところがあっても
「そればっかりできたってダメなんだぞ!」
って言われるよね?

受験のシステム上
そうなっちゃうのは仕方ないと思うんですけどね。

でも
ドラッカー大先生の仰るとおり
武器持ってないと戦えないよ。

そんなことないと思ってる?

多くが就活の間際になると
今の自分には何も武器がない
って慌てるでしょ。

そんなの当然だよ。

自分の感性を信じないで
失敗を恐れて
周囲の意見を鵜呑みにして流されて過ごしてたら
そうなるのは当然だよね。

学歴やら学業成績やら資格やら
そういうのが仕事ができるできないってのと関係ないし
幸福に繋がるとは限らない。

知識やら何やらを
どれだけ持っているかは武器にならない。
それらをどう使うか
何ができるようになるか
それが問題なんだね。
やっぱりパッションだね!

だからヤンキーは強いんだよ。

あれ?
何の話だっけ?

夢工房の現状評価

10年くらい前に
ある有名な先生が鳩山キャンパスに来てくださって
今後の理系の私立大学と取り巻く環境について
講演をしてくれたのですが
なぜか終了後に数名の教員を前にお話ししてくれました。

その時のメモが出てきたので見てみたところ
先見の明がある方だったんだなぁ
と、今更ながら感銘を受けたりしてます。
ちょっと紹介してみましょうか。
走り書きのメモがベースになっているので
わけが分からないところもあるかもしれませんがご容赦ください。

太字が話のテーマで、斜体がコメント、その後にあるのは、現状の評価としての今の私の意見です。大学の現状というより、夢工房の学生達の現状について評価です。

・今後は多極化、グローバル化する
「外向き」になることを意味する。今までの「内向き」から変わるので厳しくなる。

その通りになっていますね。
でも、その対策は十分ではない。英語ができるとかできないとか、そういうことじゃないんだけどなぁ、という感じ。
世の多くの学生は「内向き」傾向なので心配ですが。
夢工房の連中は、ずっと「外向き」のままなので、うまくいっている。大成功!

・幸福な子供とは
学校が好き、親と話が出来る、友人がいるとか

これはうまくいっている…のかな?
学校は好きなんだろうな。
比較的彼らの幸福度は高めだとは思う。

・これからは、マーケティングと技術の両方が出来るようにする必要がある。作れるだけではダメ

Formula SAEをやっている限りは、マーケティングを切り離すことはできない。大成功!
お客さんのことを考えられない開発者では存在意義がないですから。

・大学の教育が社会とかけ離れているので、日本では大学卒業のニーズが高まらず、逆に下がったりする

現にそうなっていると思う。
夢工房は、できるだけ社会のニーズに応えるべく戦略的にやっている。
が、普通じゃないので、いわゆる優等生ではないが。

・私立大学のアドバンテージは、「民間」の気持ちが分かること。
例:私大の先生は、国立の先生に比べてお辞儀の角度が深い。お客さんのためにエレベーターのボタンを押してあげる…など

このアドバンテージが活かされてきただろうか。よく分からない。
学生に関して言うなら、夢工房の連中は企業との接点が多いのでかなりマシだと思う。
私個人としては、民間のお役に立つ人間を育てるとが使命だと思ってます。

・学生に大学を好きになってもらうことが大事

一般的に学校が好きな学生は減っているのではないかな?よく分からないけど。
夢工房の連中は学校が好きで、現場が好きそう。
大学に来られない日はガッカリしているくらいだから、うまくいっているでしょう。

・毎日技術に触れているようにしないとイノベーションは生まれない

狭い部屋で毎日色々やって技術に触れています。
1年生からそうなので、環境は良いと思う。
早くイノベーション生まれないかな(笑)

・学生が自力で「準備」しなければならないような質的転換が必要。
つまり主体性が必要と言うこと。「自ら準備しなければ”終わり”」というやりかたが必要。

これは夢工房のやり方の基本なので大丈夫。

・1年生は期待している。そのうちに応える授業をやる必要がある。
産学連携授業など。プロがやっても難しい課題を1年やると勉強の必要性が分かる。

夢工房はやっている。授業じゃないけど。

・「大学を卒業しても学び続ける力」を身に付けさせる。
これは日本の大学が、社会がおろそかにしてきたこと。

これ、うまくいっているのかな?卒業生に聞いてみようかな。
でも、日頃から自力で学ばないとできないことをやってきたわけだから大丈夫でしょう。

・「コミュニケーション能力」は大事
良くそう言われるが、その定義は難しい。

定義はさておき、夢工房で重視し続けているテーマであり、比較的うまくいっている。
まだまだ行ける!

・臨機応変力は大事
応用力のこと。

これは何が起きるか分からない実践経験で磨かれるはず。
日常でも遠征でも磨かれっぱなしなのでOK!

・産業界とのつながりから必要とされるものを学べないか?

企業との繋がりで色々学ばせてもらってます。
もっとお役に立てると良いな。

・リーダーシップとイノベーションに関わる学生を作っていくべき

必然的にそうなっている気がする。
そうなじゃないとFormula SAEはやってられない。

・「オープン」で「柔軟性」がないとダメ。
日本は硬すぎで均一的すぎ。工場の労働者を作っているのではないのだから…。

夢工房では硬くて均一はありえない。うまくいっている。
けど、まだまだ行ける!
これは課題であり続けると思うので、常に気をつけるべきポイント。

とまぁ、こんな感じです。
まだまだ頑張らんといかんけど、方向性は良いと思ってます。

それはそれとして
やはり日本の教育の形自体が変わるべきではないかと改めて思います。
何か科目を加えるとか変えるとかじゃなくて。

今の方向性のまま、もっと力を入れれば良くなる
…とは誰も思っていないのではないでしょうか。

技術は人なり