マインド解放のための環境

学生達のマインドを解放するのだ!
なんて記事を書きましたが
これが簡単にいけば誰も苦労しないんです。

もちろん
外部からの入力では何ともなりません。
本人が望まないとね。

本人がそれを望むように
外部から変える?
外部からじゃ変わらないのだから
すでに矛盾してます。

どうする?

なので
彼らのやりたいことをテーマにする以外ないのです。
彼ら自身が「やりたい!」と言って始まるものが良いですね。

レーシングカー作ったり
惑星探査機作ったりです。

さて、彼らの興味のあるものが見えたところで
次は、これらでデッカいチャレンジができるか
という問題が立ち塞がります。

そもそも
レーシングカー作ったり惑星探査機作ったりって
すでにデッカいチャレンジじゃないか
と言いたいところですが

どんなもの作るの?
となった時に、デカイ夢をブチ上げられるのか?
これが問題になるのです。

デカイ夢はあくまで夢なわけで
正解が無いことに加えて
経験が無いから必ず失敗します。

もちろんそれで良いのですが
当人の「失敗したくないシステム」が自動発動して
ちっちゃい答えを探そうとしちゃうんです。
これからデッカいチャレンジするのにね。

さて、やっと本題です。

失敗したくないシステムが自動発動しちゃうのはなぜか

まぁ習慣から来るものなのですが
理由は大きく2つだと思ってます。

1.失敗というリスクを回避するため

2.めんどくさいから

これらを細かく見ていっても良いのですが
果てしなくなっちゃうのでやめましょう。
今現在、我々がたどり着いているのが

失敗だろうが成功だろうが
すぐにアウトプットしたくなる環境
たくさんアウトプットしたくなる環境

これが必要だということです。

一見簡単そうでしょう?
いやいや、これがなかなか手強いのですよ。

自分自身でやってみると分かります。

失敗だろうと成功だろうと
とにかくすぐに言ってみる
とにかくすぐにやってみる
それを継続する。

どうです?
結構難しくないですか?

さらに
その結果がどうであれ
ポジティブな思考でループを作っていく必要があります。
継続するためには
喜びを得られる仕掛けも仕込む必要もあります。

結果がどうであれ
次のアウトプットのループに繋げていく。
グルグル回しながら
どんどん良くしていく。
手間が掛かっても
スピードが速ければ
限られた時間内に良い成果が出せます。

これができる
これをやりたくなる
そんな環境を構築する必要があります。
今までもやってきたつもりなのですが
まだまだ足りません。

これ、教員だけじゃどうにもならないんです。
メンバー全員で常に意識してやる必要があるし
そうすることによって相乗作用でチームが良くなる
という見通しも立ってます。

まだまだディテールは詰められていないので
試行錯誤が必要です。

考えて考えて
分かってからやる!

なーんて事はしません。

走りながら考えるんです。

まずはマインドの解放から

恐らく今年中に日本では
ワクチン接種が進むし
集団免疫を獲得するでしょう

というわけで
そろそろコロナ明けのための
具体的な動きをしていく必要がありそうですね。
皆さんは準備ができてますか?

我々の夢工房では
ものづくりは人づくりなわけで
やはりマインド面の構築と強化がポイントになってくると思います。
そうしないと良いもの作れませんから。

最終的にはどういったものを作る必要があるかというところが
ビジョンでありゴールとなるのですが
性能やら成績は、ライバル達をベンチマークとして
これをベースに決めればいい話です。
これはチャチャッと解析すればOKでしょう。

その次に必要になるのは戦略です。

やはりマシンを作って闘うのですから
どうやって勝つの?
というところですね。

その次は
じゃ、どういうマシンにするの?
です。

この辺を考えるために重要なのは
当然ながらクリエイティビティです。

この戦略に関しては計算やら何やらで決まるものではなりません。
もちろん、広い視野で現状を把握するのは重要です。

ここで慌てちゃうと
ライバル達と同じ戦略で性能を強化すれば…
とかいう
やる前から負けることが確定しているような戦術
をとってしまいます。
この点は要注意。

戦略と戦術が決まると
それに伴って難しいことや面倒なことが色々必要になるのですが
それは大丈夫。

彼らは、それが必要と分かれば
まるでスポンジが水を吸い込むように吸収していきますから。
多少のアドバイスは必要でしょうが
大抵のことは自ら手に入れようとします。

とまぁ、こんなこと書いてきましたが
私が気にしないといけないのは
具体的な戦略や戦術ではないのです。

だってそれは、学生達自身が決めることだから。

なので、学生達がイケてる戦略を立てられるようにすることが重要
ということになります。

学生がイケてる戦略を立てられるようにするには
一体何が必要なのか
そのためにどうしたら良いのか。

やはりマインドの面がものを言うでしょう。

どうしてもイケてる戦略を立てたい!
どうしてもイケてるマシンを作りたい!
という強烈なパッションを持てるマインドをセットすることです。

というのも
心が小さくなっちゃっていて
視野が狭いと
どうしても初動の時点から小さいことにとらわれてしまいます。

今知っている具体的なこと
現時点でできそうなこと
そんなことをやろうとします。
手段を決めてから目標・目的を決めようとします。

そんなことを考えている時って
失敗したくない
とか
苦労したくない
なんていう、個人的な損得勘定がベースになっていて
それがゴールとすり替えられているんですよ。
でも本人は気付いていませんけどね。

まぁ気持ちは分かります
というか
なぜそうなってしまうのかは想像が付きます。

多くの場合は
今まで目標設定する時に
突飛なゴールを設定すると
怒られたり笑われたりして
それによって自分のゴールを持てなかったからです。
ずっと他人が設定したゴールに向かって
動かされてきたからです。

彼らは
さんざんつまらない思いをしてきて
もうそんなんじゃ嫌だ!
もっとデカイことをやるんだ!
ってことで、今ここにいるのでしょう。

なので
そんなちっちゃい箱に 入っちゃっているような
マインドを解放するのが第一歩です。

もちろんこれは
自らでしかできません。
私は、お手伝いくらいはできます。
というか、手伝うことくらいしかできない。
いや、チームみんなで手伝えば
すごいことが起きるはずだぞ!

そんなふうにして
マインドが解放された学生がどうなるか

過去に例があります。
何人も見てきました。
実は彼らは奇跡のような凄いことができるんです。

今回は、ちょっと(?)やり方を変えて再チャレンジです。

凄いことになるぞ!

ビジョンありき

日々学生と付き合っていると
考え方が大事
ということがよく分かります。

車を作るうえでは
色んなパートに分かれて仕事をするわけです。

そのパートを担当している設計者は
車の一部を設計することになるのですよね。当然ながら。

なので、小さな一つの部品を設計したりするわけですが
何も無いところから
突然、ある一つの部品の形を決めるわけではありません。

自分の担当パートの全体を見て
周辺部品との関係などを決めるのは当然ですが
それこそ車全体を見て
車のコンセプトに沿った設計をする必要があるわけです。

こういったことは
スキルと言えなくもないですが
どちらかというと
考え方の部類かと思います。

コンセプトに準じた設計をするためにどうするか
なんてことはまさに考え方でしょう。

仏像を作るのに
いきなり目から彫ったり手から彫ったりしないでしょう。
各部の造形ができるなら、全体が作れるわけではない。
知識やスキルがあれば、全てできるわけでもない。

仏像を彫るには
まずは材料をよく見て
その中に埋まっている仏様を取り出すように彫っていくのだ
というような話を聞いたことがあります。

理想的な仏様の姿形はすでに決まっていて(決めていて)
その実現のために彫るのだよ
という感じですかね。

こういう匠レベルの話は行き過ぎかもしれませんが
ものをつくるというのは総じてこんなふうに
全体のビジョンがあって
そこからブレークダウンして細部が決まるものです。

という考え方があってはじめて
必要な知識やスキルが明確化されていくわけですよね。
そりゃもちろん
ある程度の基本的なことは知っておく必要がありますので
相応の事前の学習は必要でしょう。

しかし
勘違いしてはいけないのは
基礎をどんどんやっていったり
その応用をやったりしていけば
最終的な製品に行き着くかというと
決してそんなことはないということです。

良い仏像を作るには
もちろん考える経験が必要で
作ってみる経験も必要でしょう。

しかし
最初にビジョンを思い描いて
その具現化のために努力をして
やっと作った仏像を眺めて…

「うおおお!こんなんじゃなーい!!」

と斧で叩き割る。

あれ?
こんな話をしたかったんだっけ?

ともかく
出来不出来はともかく
理想を実現するために
理想を描いて
その実現のために
細部をどうするか決める
というようなプロセスをグルグル経験して欲しいのです。

そして
苦労して作った車を走らせて

「うおおお!こんなんじゃなーい!!」

と叫んで
ヒーヒー改善して欲しいのです。

なので
経験が浅い学生が
小さい部品一つを設計するのに
どうしたら良いか分からなくて
手が止まっているのを見ると

「わははは。お前もか!」

と思う反面
「なるほど。これを何とかするのが自分の使命なのかもな」
とも思うのです。