宇宙のイベントだけど変わるのは我々だったりして

NASAがアルテミス計画で再度月面での有人ミッションを計画しています。
そして今夜は第1号のアルテミスⅠの打上げです。

今回は無人の宇宙機の打上げですが
搭載された10機のうち
日本の探査機が2機含まれているそうです。

初めて人類が月面に立ったのは1969年でした。
私はその時3歳でしたが
テレビでのその模様を見た記憶はありません。
ひょっとしたら家にテレビが無かった可能性があります。

それはそれとして
人が月面で活動するというのは
我々の日常に一体どんな影響があるのでしょうか。

今や宇宙空間を利用した通信や
宇宙ステーションに人が常駐しているのは
日常になっていますし
人類が初めて月面に立つのも初めてではありませんが
人が他の天体に行くとなると
やはりインパクトが違ってくる気がしますね。

果たしてこれが
地上の我々の日常生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

いずれはここから派生した技術が生活の場に登場するかもしれませんが
すぐに直接的な影響は無いのではないでしょうか。

アメリカだと国防的な意味合いも含まれていたりするのでしょうし
必要なリソースを持ち合わせていて
何かしら将来的な展望などがあるからこそ
こういったことを先陣切って実現できるのでしょうね。
詳しくは分かりませんが。

でも恐らく日本なら
「ムダだ」ということになる気がします。

すぐにお金を生まないものはムダだ
経済効果が薄い
なんてことになりそうな気がします。

それ以前に
お金が掛かるわりにすぐに効果が出ない
安全が保証されていない

これ、今の日本人が最も嫌うパターンではないですか?

でもこういう冒険的なチャレンジは
見ている者に
驚きや喜びとや自信を与えます。
自国の計画ならなおさらでしょう。

それはこの先何十年という単位で影響を与えるのではないでしょうか。

我々は、ひょっとしたら
いずれは火星での有人探査など
今までは夢物語だった世界が
具現化していくプロセスに立ち会えるのかもしれません。

今回のNASAによるアルテミス計画は
今回の無人機からスタートして
有人探査の段階になるのは2025年以降だそうです。

そしてなんと
日本の有人月面探査は2030年代に予定されているそうです。

アルテミス計画の数年後に
我が日本も月に行くかもしれません。
これは楽しみ!

その時、日本人はどうなるのでしょうね。

どこへ向かうにしても

我が国の政府が
新しい資本主義を実現するとのこと。

私は経済も政治も詳しくありませんが
人が作ったシステムに
寿命があることくらいは理解できます。
今の資本主義だって
そんなに古いものではないわけで
100年とか200年とかそんなものなのでしょう。

自分が生きているうちに
世界規模の疫病に遭遇するとは思いもしませんでしたが
資本主義の変容も経験できるとは思っていませんでした。

個人的には
まだ乗ったことがない
ヘリコプターと
潜水艦にも乗ってみたいし
宇宙旅行もいいなぁ
なんて思っています。
死ぬまでに実現するのだろうか。
あ、全然関係ありませんね。

さて、社会の構造が変わったりすると
人に求められるものも変わってくるでしょうね。

表面的には。

どういうことかというと
すでにお分かりの通り
コンピューターにまつわる技術は
凄い勢いで発展しています。
AIだの自動運転だの。

そういう変化に伴い
求められる技術が変わるわけです。

もちろん本学のような
次世代の技術者を育成する
というミッションを持った学校は
そういった変化に対応する
ニーズに応える必要があるのですが
果たしてどのように対応するべきなのか。

社会が大きく変化していって
新しい技術
すなわち自分にとって
未知の技術と付き合う必要がありますが

大学の教員は研究者でもあるので
自らその新しい技術に
学生と共に向き合えば
それはそれでOKなのです。
研究ってそういうものです。

さて
「技術」というのは
戦略的な考え方をする場合
最も最下層の「手段」に相当します。

最下層 という表現を使いましたが
別に技術を軽視しているわけではなく
上位には
その技術を用いて実現したい何か
つまり「目的」がある
ということが言いたいのです。

ぶっちゃけ
その目的を達することができるなら
どんな技術でも良いわけなので
新しい技術が現れたときは
色々と出現しては淘汰されていって
最適化されたり効率化されたりするわけです。

というわけで
これから世の中が大きく変わる
という状況になると
広い視野を持って
目的に合わせて
色んなことをやる必要が出てくるでしょう。

おっと
色んなことを「知る」ではないですよ。
知るのは大事ですが
知っているだけでは何も起きませんから
「やる」です。

未来はどうなるか分からない
というか
どうするのも自由です。

ひょっとしたら
どうするべきかなんて誰も分からない
どうなるかわからないけど
とにかくやらなきゃ!
という状況になるかもしれない。

であれば
折れない心とか推進力とか
面白さを自ら作っていく姿勢とか
技術を「駆動する」心の部分が成長しないことには
どんな技術を身に付けようと使いようがありません。

これ、今回のコロナ禍で
見えてきた気がしませんか?

「知」は大事ですが
それだけでは何も起きない。
「心」が無いとどうにもならんですね。

そのあたり、夢工房の連中は
この2年間でピンチをチャンスに変えて
うまいこと成長できた気がします。
まぁ、ここからが勝負所ですが。

石油の話 主に発電編

昨日は化石燃料の枯渇について記事にしましたが
近年は電気自動車の話題がホットなので
どうも乗り物の燃料としての石油
という視点ばかりになりがちです。

ところが、原油は色々な形で利用されていて
液体燃料としての利用は一部に過ぎないのですね。

自動車や航空機などの燃料としては40%程度
発電や熱源としての利用が40%程度
残りの20%程度が原料として使われています。

乗り物の燃料としての利用は
電気自動車で盛り上がっていますので
変化に向けて動いていることが実感出来ます。

ただ、電気自動車が解決策になるかというと
現時点では疑問を持たざるを得ません。
最終効率で言うと
液体燃料のエンジンを使った自動車と
さほど変わらないことや
電池を作るのにも電力が必要だし
その電池自体の性能劣化やコストなども問題で
そもそも充電のための電力はどうするのか
など問題が山積みだからです。

原発を持つ国や
北欧のように氷河の水を利用した
大規模な水力発電を使える国なら
電気自動車のメリットはあるでしょう。

ただ、現状から変化の兆しがあるというのは
良いことなのかもしれません。

おっと、自動車ばかりの話になってしまいそうです。

石油の発電や熱源としての利用は40%ですが
発電での利用は5%程度です。
意外と少ないですね。

35%は熱源としての利用で
仕事や家庭においての熱源
他には製鋼業での熱源
つまり鉄を作ったりするときに使われています。

さて、日本の発電は今や
LNG(液化天然ガス)と石炭
が主流なのでこんなもんです。
ちなみに日本の発電の80%程度は
LNG、石炭、石油の3種の化石燃料によるものです。

石油の発電での利用は火力発電です。
ちなみに全ての発電電力のうち
7%程度が石油によるものです。
火力発電では、石油を燃やして水蒸気を作って
タービンで発電機を回して電力を得ます。
燃料自体が持つのは、あくまで熱エネルギーなので
これで水蒸気を作って運動エネルギーに変換して
発電機を回す必要があるのです。

熱エネルギーで水蒸気を作って
運動エネルギーでタービンを回して
電気エネルギーが得られる
という感じですね。
こんなふうにエネルギーの形態が変化しすると
その過程でロスが出るので「効率」という表現が出てきます。
電気になるのは石油の持つカロリーのうちの40%くらいです。
電気にならなかった残りはどこに行っちゃうかというと
大抵は熱として放出されてしまいます。
この放出される熱を廃熱と呼びますが
これで温水を作ったりして利用が可能で
そういうのをコージェネレーションと言います。
「コージェネ」なんて聞いたことありませんか?

ゴミの焼却場で熱の再利用をして
バンバン電気起こして
地域に温水とともに供給をすればいいんじゃないか
と思いますが
発電施設をまかなうにはコストが必要で
発電した電気を売っても割に合わない
というのが普及しない理由だそうです。

多くの場合、リサイクルの可否はコストで決まるのです。
割に合わないのでは持続できませんから。

電力会社が電気を高く買ってあげればいいのに
と思いますが
そうすると我々の電気代が上がってしまいます。

ちなみに自動車のエンジンの効率は30%程度です。
最新のエンジンなら40%を超えているのではないかな。
残りは熱エネルギーとして大気中に捨てられてしまいます。
でも冬ならこのエンジンの廃熱をヒーターの熱源にできるのです。
電気自動車は、電力を使ってわざわざ熱を発生させるので
冬場は走行距離が短くなってしまうのですね。