成長は変化すること

「仕事」を考える上では
必ず相手がいて
その相手がどう思うかが価値の大きさです。

良い仕事をする
ということは
その価値を大きくしていく必要があるので
今のまま
というわけにはいきません。

今のまま
は楽なのですが

それは自己都合で
相手には関係ないことです。

なので、現状から変化する必要があるのですが
これが結構大変です。

なぜって
人は変化を嫌うからです。
これは生存本能から来ているからです。
以前も記事にしましたが。

今生きているのは
昨日の行動があったから

であれば
それを続ければ生き続けられる。

そんなわけで人は変化を嫌うのです。
変化は本能的なリスクです。

成長とは変化すること

これもさんざん記事にしていいるネタですが
つまり…

成長とは本能に抗うこと
でもあるのですね。

本能に逆らって変化するには
何かしら動機が必要です。

変化しないと命が危ないとか

変化の先にリスクを払うだけの
価値がある魅力的な何かがあるとか

そう!
つまり、価値観が成長の動機になるのです。

自分は何に魅力を感じるのか
何が大切なのか

そういったことを明確化したり
優先順位を付けたり

はたまた整理し直したり

そういったことで
成長の速度や大きさは変えられます。

ただし…
それは自力でのみ可能です。

「教える」について

昔ながらの職人さんは
弟子に教えません。

技を盗む
という方法で技術を継承してきました。

この方法にはメリットもデメリットもあるでしょう。

メリットについては深読みすれば
いくらでもネタは出てきます。

これは思い込みとか勘違いかもしれませんが
結局は親方と同じ
もしくは親方より良いものができれば良いわけで
詳細な方法は問わない
というところがあるのではないかな
と思っています。

親方がいちいち教えていると
弟子は自ら考える必要は無く
言われた通りにしかできなくなる可能性があります。

デメリットは
分かりにくい
ってところでしょうか。

学校では
「こうやるんだよ」
と教えます。

で、それを覚えれば良い。

もちろん
この方法にもメリットとデメリットがあります。

簡単に知ることができる
というのは最大のメリットでしょう。

でもそれは
最大のデメリットでもあるのです。

自分の興味の有無にかかわらず
情報が提供される

よって、興味を持つ必要が無いのです。
言われたことをやれば良いのですから。

従順に従うことも求められます。
やることに対して疑いを持つのは悪い子で
従わなければ点数はもらえません。

これ
考えなくなる
ってことです。

「やれ」と言われてやるのだから
理由も目標も興味も無くて良い。
むしろそんなものは邪魔でしょう。

そんなやり方を
小学校から大学まで
16年間もやったら
それはもう、そのやり方から簡単には抜け出せないでしょう。

挙げ句の果てには
就活セミナーやらで
さらに言われたことをやる

これは本当に社会が求める教育なのでしょうか?

言われたこと疑問を持たずに
覚えたりやったりする
それが上手にできるのが理想の技術者?

そんなことはない。

この構造は
我々年長者が良かれと思って作ってきたわけですが…
いや、私は作ってはいませんが
現状を継続する片棒は担いでいますので
責任はあると思っています。

でも、この構造に従っているとマズイぞ
と気付いたとしたら
それを継続するか否かは本人の決定によります。

まぁ、これに関しては
誰が責任を取れるわけでもないのですが

このままじゃ行き詰まるのは確定していませんかね?
というのが今回言いたいこと。

どうするのが正解かなんて、未来のことは分かりませんが
自分で考えて、信じることを一所懸命やってみる
なんてのは、いつの世でも価値のあることです。

モノはものを言う

作ったモノは、作ったその人そのものです。
作った人以上にはならない。
当たり前です。

なので、モノを見れば
人となりが分かります。
これまた当たり前です。

幸いなことに
夢工房では色々作っているので
物体を見れば、学生達のレベルや考えが分かります。

ペーパーテストでは
そういうことは分かりません。

もちろんモノを作った本人も
目が肥えてくれば色々分かるようになって

モノとお話しできるようになります。

「なぁ、オレは何が足りないんだろうね?」
と問い掛ければ応えてくれます。

自分の頭の中を自分で見ることはできませんが
作ったモノは見ることができます。
見れば自分が何をしたのかは分かるでしょう。
それがモノとの会話です。

そこには理想とかビジョンも必要でしょうね。
それらと現実のギャップを埋めるのが
開発であり、改善であり
そのために必要なのが
知識や能力やスキルです。

夢工房の学生達のゴールは
端的に言うと
良いモノを作れるようになることです。

これは
短期的にも、長期的にも
狭い意味でも、広い意味でも
です。

夢工房から巣立つ彼らのほとんどは
実際に手を動かして作る仕事ではなく
設計したりテストしたり
そういうのが実務になるケースがほとんどですが

それでも実際に手を動かしてモノを作る経験は超重要です。
やった人にしか分からないことだらけです。

作って使った経験が無ければ
作るとき、使うときに何が起きるかは分かりません。
作る人、使う人の気持ちも分かりません。

それが分からなければ
良い仕事はできません。

良い仕事ができなければ
誰も喜んでくれない。

それ、価値が無いってことです。

それじゃぁ
面白くないし続かない。

そのために必要な経験をどれだけできるか
その辺が重要なところなのです。

そんなことを考えていると
スピードって重要で
そのためには勇気が必要で
続けるためには根性も要るし

そもそも、そういうことを自らやるには
好きとか面白いとかは当然重要。

そんな根源的なことって大事なのだけど
そういうのって軽視されてるよなぁ
なんて思うのですよ。