シンクロニシティ…なのか?

最近
飲食店などのお客さんで
良い感じの人をよく見かけます。

人当たりが柔らかい人
礼儀正しい人
明るい人
そんな人が増えてきた気がします。

潜在的に
良い空気感を積極的に作りたい人は
結構いるのではないかな
と思っています。

今まで感じが悪い人が目に付いていたのは
自分の心が汚れていたから
そういうのばかりが見えていたのか(笑)
そうかも。

まぁ、いずれにせよ良いことです。

みんながそんなふうになってくると
人とコミュニケーションを取るのが楽しくなりますよね。

心が明るく前向きになる工夫は大事です。

もちろん自身のためでもありますし
環境が良くなれば
組織力も高まるし
大きな成果が出せるようになります。

ちょっとしたことなんですが
とても大事なことです。

即効性はないのですが
日々気にとめて工夫していきたいものです。

Real Deadline 本当の締め切り

どんなクルマにするか考える

狙ったとおりになるように考えて設計する

狙ったとおりになるように作る

狙った性能が出るように実走行でセッティングする

こんなプロセスで学生達はレーシングカーを作っていますが
完成したクルマはもちろん
それぞれのプロセスにおいても
何が起きるか分かりません。

だって十分な経験がないのだから
それは当然です。

解析や強度計算がうまくできると
部品単品としては思った通りになるかもしれません。

しかし
それらを組み合わせて
実際に使う(走る)と何が起きるか分からない。

それは
作っている人間の
想像の領域の外のこと
イレギュラーなことが起きるからです。

いくら勉強しても
いくら慎重に設計しても
そういうことは起きます。

現実の世界では
イレギュラーなことは
常に起きる可能性がある。
要因は無数にあります。

授業ではそういうことは起こりません。
時間内に予定されたことを
学べるように考えられているからです。

たとえば
実験の授業では
どんな結果が得られるかは
最初に決まっています。
イレギュラーな結果が出てしまったら
授業が終わらないからです。

本来は
何が起きるか分からないから
「実験」するのであって
最初に何が起きるか分かっていることを
やるのは本来の「実験」ではありません。

でも、授業では「実験」と称して
本当の実験をやるときに
必要なことを学ぶのです。
決して無駄ではありません。

さて
設計の際に
狙ったとおりのことが起きるようなマシンにするために
よーく勉強して
すっごく慎重に設計して
あらゆるイレギュラーな事象を想像して
設計すると何が起きるか。

間に合わなくなります。
レースに。

勝つためのクルマを作っているはずなのに
そもそもレースに間に合わなくなります。

特に学生の活動の場合
時間的にカツカツですから。

なので
今の自分たちには
どんなやり方が効果的なのかを考えて
チームの方針を定める必要があって
その重要性を全メンバーに落とし込む必要があります。
こういうのは授業では学べません。

最近はあまり聞かなくなりましたが
Formula SAEの重要なことの一つに

Real Deadline

があります。

直訳すると
「本当の締め切り」
です。

レースには色々な締め切りがあります。

大会へのエントリー
自分たちの開発スケジュール
レースのスタート時刻
などなど

これらの「本当の締め切り」を守っていかないと
自分たちのミッションは果たせません。

なので
最も効果的なやり方で
開発を進める必要があるのです。

設計段階で
色々考えすぎて時間を使ってしまうと
実走行による最適化のための時間を失っていきます。

いくらよーく考えてマシンを作ったところで
完成したときに得られる性能は
当初の想定よりずっと低いはずです。
大抵はガッカリします。

そして
そこから性能を上げていくのです。
それこそが学びです。

そうやって学んだことは
決して忘れません。

プロでもそんなもんです。
なので「試作車」が必要なのです。
走らせてみないと
実際にやってみないと
分からないからです。

チャレンジしている学生達には
やると
分かる
その面白さを味わって欲しいものです。

色々経験していくと
「やらなくても分かる」領域が拡大していきます。
そうなると
やることのレベルをどんどん上げていけます。

そのループに乗せられれば
ますます面白くなってくるでしょうね。

分かっていることを積み上げていけば安心だし
そういうやり方が必要な世界もあるでしょう。

別にどちらが偉くて
どちらが劣っている
なんてことはないですが

もしチャレンジできる環境にいるのであれば
とにかく色々やってみて
起きる事象に対応する度に試されて
その度に学んで成長していく
そんな毎日も良いのではないでしょうか。

学生生活なんて
迷ってるうちに終わっちゃいますよ。

あれから10年

あの信じがたい大災害
震災から10年が経ちました。

あれから何が変わったのか
そして
何が変わっていないのか
正直なところ
あまり明確に分かっていません。

もちろん
被災した地域に行けば
景観などが変わったのは分かります。

恐らく今でも
色々なところで
色々なことが
ゆっくり変わっていっているのでしょう。

私は
あの時も今も埼玉にいます。
住んでいる地域の防災放送などは
以前より頑張っている気がします。

自治体をはじめ各種組織の
危機管理意識は
かなり変わってきているのではないか
と思います。

個人的には
防災放送の内容をメールで受信できるサービスにも登録して
居住地域や職場など
複数の自治体の情報を得るようにしました。

エネルギー問題に関して言えば
ほとんどの原発が停まり
化石燃料の発電に偏った状態に回帰して
未だに新しい手段は見つかっていません。
こういうのは
10年くらいでは解決は難しいのでしょう。

私は
阪神淡路大震災のときも
東日本大震災のときも
被災した地域のために
お役に立てませんでした。

せいぜい
この10年かかさず
東北ツーリングをして
少しでも被災地域にお金を落とせたら
とやってきましたが
こんなのはしょせん個人的な娯楽の一部です。
まだまだ何かできるはず。

災害は
どのような規模でいつやってくるか分かりません。
きっとまたいつか起きるでしょう。
その時は
もっとお役に立ちたいものです。

私のもとで頑張っている学生たち
全国で何かしらの活動に打ち込んでいる若者たち
彼らはの行動力は
何かが起きた際に
きっと多くの役に立ってくれることと思います。

そんな学生の成長に手を貸すのが
「今できること」
の一つなのかもしれないとも思います。

改めて
犠牲になった方々の
ご冥福をお祈りいたします。