仕事も「心」なのでした

「できる」ようになるためには「やる」必要があるわけで
そのためには探究心とか好奇心は欠かせませんよね
なんて話を卒業生としていました。

例えば、プレス金型で製品を打つ(金属材料などをプレス機で成形することです)場合、一見やっていることは単純なようですが、実は細かなノウハウがあって、精度の高い製品を作ろうと思ったら、通り一遍の知識ではどうにもならないのです。

実に繊細な条件や調整の結果、設計通りの製品ができあがるわけで、これは単にAIにお任せで何とかなる世界ではないと思います。

「え?そんなところをいじると、そっちが変わっちゃうの?」
みたいなトリッキーな仕事なのです。

そういう繊細な仕事をキッチリ仕上げていくには、「なんでそうなるんだ?」という自発的なアプローチや、「なんで?なんで?…」と突き詰めていく姿勢が必要です。

これは単に勉強ができるとか何とか、そういうものではないのです。

というわけで
探究心とか好奇心とかを持って
やっぱりその仕事を好きにならないと無理だよね。
そういうのを楽しめないとね。
と、そんな話をしていたのです。

で、探究”心”とか好奇”心”とかなんだから
結局は「心」ですよね。
それが無いと仕事できるようになりませんもの。

うん、確かにそうですね。
本当に仕事ができる人を見ても
学生を見ていてもそう思います。

その「心」を土台として
技術やら何やらが乗っかってくるんだなぁ。

うん
技術は人なり
です。

夢に理由なんて要らない

趣味でも仕事でも
ライフイベントのようなものでも何でもいいのですが。

自分の夢を設定して
それを実現したときのメリットなどは明確化できるかもしれない。

しかし
なぜ自分がそれをやるのか?
なぜそれがやりたいのか?
その理由は明確化はできないかもしれない。

理由が必要だと思い込んでいたりしませんか?
理由がないとダメなんだって。

そんなことありません。

でも、そもそも夢を掴みに行くパッションなんてのは
奥深く探っていくと
そこにあるのは理屈ではなく
感情だったりするのですよ。

仮に、何か物体にまつわることが夢だったとしても
本当は、それを手に入れたときの
感情が欲しかったりするのです。

夢の実現は
その感情を掴みに行く
ということです。

そんなの理屈じゃ無いです。

だから、自分の夢について深掘りして
理由付けなんてしない方がいいですよ。
理由なんて考えていくと
せっかくの夢が
つまらない形に変わってしまったりするから。

なにも自分じゃなくてもいいじゃないか。
なにもそれじゃなくてもいいじゃないか。
なにも今じゃなくてもいいじゃないか。
…べつにやらなくてもいいじゃないか。

そんなふうに。

下手に理由を考えて体裁を整えて
中途半端に腰が引けた夢なんて
面白くもなんともなくて
滑稽なだけです。

もちろん
他に対する貢献とか
そういう夢であれば
理由も体裁も大事なのでしょうけどね。

でもそれも
深掘りすれば根っ子は同じなのかもしれません。

とすれば
多くに対してより価値のある夢を設定するということは
自身の心が磨かれていないとできませんね。

自分の感情も周囲の多くの感情も
同時に満足できる
そういうのができたら本当に立派なのでしょう。

コロナ後の計画色々

世界的にコロナの感染が落ち着いてきたので、やはり人の動きが活発化してきたようですね。

恐らく東京にいれば、そういう雰囲気も実感できるのでしょうが、ここ埼玉の鳩山町では全く分かりません。

とはいえ、オーストラリアの大学生から、当チームのメンバーに「日本に遊びに行くから東京で会わない?」と連絡があったりしますので、多少は以前との違いが感じられるかな。

なぜオーストラリアから連絡があるのかといえば、当然Formula SAE関係なわけです。

我々はオーストラリア大会で海外大会デビューを果たし、かれこれ20年以上、オーストラリアを中心として海外大会に出場しているので、やはり現地の学生からしたら連絡を取りやすいのでしょうね。
学生にグローバルな視点を持ってもらうためにも、こういうのは大事なことです。

私もオーストラリアの大学でFormula SAEをやっていた連中が、卒業後に日本に遊びに来た際には、一緒にバイクでツーリングをしたり観光をしたりしたものです。

近年では、オーストラリアの景気の良さと日本の景気の悪さが相まって、日本に旅行するにはちょうど良いのではないでしょうか。
オーストラリアに限らず、といったところでしょうが。どんどん来てほしいものです。

我が研究室の学生達は、卒業旅行を計画しています。
行き先はヨーロッパだったりアメリカだったり。
皆で同じところに行くわけではなく、単独とか二人でとかバラバラなのですが、これは就職後のことを考えて、それぞれ目的地を設定している結果です。
単に旅行としてエンジョイしてくるわけでなく、学びに行くということです。偉いなぁ。
彼らは在学中最後の海外遠征を逃してしまいましたから、その変わりの何かを手に入れに行くのでしょう。

私はと言えば、今年の夏休みには、ついに念願のオーストラリア大陸縦断ツーリングを実行することにしました。
すでにレンタルバイクや飛行機の手配は完了しています。
こういうのはギリギリに動くとロクな事は無いですから、早めに動くに限ります。
というか、暇なときに飛行機の空き具合をチェックしてみたら、結構動きがあるというか、半年先でもうかうかしてると埋まってしまいそうな雰囲気だったので、予約してしまったのです。やはりコロナ開けの人の動きはダイナミックになってきているようです。

2019年の年末にオーストラリア縦断ツーリングを実行しようとしたら、現地の北部は雨期ということで、縦断目的ではバイクを貸してもらえなかったのす。雨期は道路が冠水して寸断されてしまうことが多いので。オーストラリア北部は熱帯なのです。
その時は、ブリスベンからメルボルンへのルートに変更しました。

で、今回は冬に実行ということです。ちなみに、南半球は季節が逆なので、日本の夏には現地は冬です。さらに言うなら、南半球では北向きの家は日当たりが良いので人気があります。

ブリスベンからメルボルンへのツーリングは、内陸部をグネグネ走って、7日間でざっと3,700kmでした。
今回計画している大陸縦断は、メルボルンから出発して、北のダーウインまで9日間で4,300kmくらいになりそうです。
メルボルンではなくアデレードから出発すれば最短距離で3,000kmで済むのですが、アデレードのオフィスが閉鎖してしまったため、メルボルンから出発すると800kmくらい余分に走ることになります。加えて、オーストラリアのど真ん中にあるエアーズロックに寄ると、さらに500kmくらい増えるわけです。

今から大変楽しみではあるのですが、例によってタフなチャレンジになるのは間違いないでしょう。