日本人の強みは何だろう

国際社会で日本人がうまくやって行くには
一体どうしたらいいのでしょう?
なんてことを日々考えています。

地方の一大学教員がそんなこと考えてどうするんだ?
なんて言わないで下さいね。

夢工房の学生達は海外のコンペティションに出て
社会に出た後はグローバルマーケット向けの製品開発をするのですから
私ごときでも、そういうことを考えて仕事をしないといかんのです。

そもそもモータースポーツは欧米発の文化だし
海外大会で戦うレーシングカーを作る
学生の面倒を見ているのですから
これは大事なことなのです。

学生のレーシングカーにしても
グローバルマーケットの製品にしても
ライバル達の真似をしていても
オリジナルには勝てないので
自分達の強みを使う必要があります。

ここで言う
真似だの強みだのと言うのは
技術的なことに限りません。
というか、むしろ考え方なのです。

戦略的な思考の階層で言ったら
上位の方の概念に関する考え方ですね。

その辺を考えて
強みや価値にしていく必要があるのですが
現在の我々の持つ独自の強みとか特徴って
意外と分からないものなのです。

だって、日ごろ意識していないから。

我々が普段自然に考えていることは
我が国の歴史とか風土とか
そういうものから自然とできているのです。
そういうのって意識できません。

なので、その辺を意識できるようにするには
昔のことを調べてみると良さそうな気がします。

昔から我が国日本でコンスタントに起きていたこと
といえば自然災害です。

またまた前置きが長くなりましたが
最近考えているのは
日本の自然環境が日本人の考え方を作ったのだろうな
ということです。

前に書きましたが自然災害なんかは
我々の考え方に
とても大きな影響を及ぼしていると思います。

我々にとって自然災害は
結構身近で慣れちゃっているところがあるのですよね。
そりゃぁ大規模な災害ともなれば話は別なのですが
小さな地震なんかはあまり気にしないでしょう?

でも、ほとんど地震が無い国なんてのも結構あるわけで
そういう国にしたら、震度1とか2くらいでも
大騒ぎだったりもします。

他にも、大雪が降ったり水害に見舞われたり
火山が噴火したりなんてこともありますが
何とか対応してしまう。
インフラの復旧スピードなんて凄いと思いますよ。

そういうのって
自然災害は我々にはどうしようもないことだ
って諦観しているようなところがあって
いつまでも執着しないで
手早く対応に着手できる
なんてのもあるのかな
とも思っています。

この災害に対する対応スピードや内容については
恐らく賛否があるとは思いますが
たぶん世界的に見たら
かなり頑張っている方だと思います。

で、このあたりから何を考えていたかというと

起きてしまったことに対して
必要以上に執着しないならば
次のアクションに速やかに移行できるわけで
開発のサイクルを早く回す
なんてのもうまくいくのだろうな
というようなことです。

それがうまく行ったら
性能とか品質を向上させるようなことも
うまくいくでしょうね。

ただ、技術を向上させていくためには
執着するのも大事なことなわけで
その辺の使い分けはどうしたら良いのかな
というのを引き続き考えてみます。

戦略的思考は大事だけどもっと大事なものもある

夢工房のレーシングカーを作っている連中は
昨年から2022年のマシンの開発に着手していました。
なかなか衝撃的なコンセプトのニューマシンなので
完成をお楽しみに!

で、現在は色々とバリバリやってはいるのですが
何となくボンヤリとしてる不明確な部分があって
スッキリしないなーと思っていました。

皆一所懸命やってはいるのですが
なんかこう、ピントが合っていないというか…
メンバーそれぞれの
力の入れどころが合っていないというか…

理由は戦略的思考の欠如でした。
もちろん、そうなる理由もあります。

レーシングカーを作る
とは言っても
実現方法は無限にあって
何をどうするかは各チームの戦略次第なのです。

何のために?
という目的が不明確で
手段と目的が入れ替わっていたり
目的が無いままに手段を考えていたり
そんな状態になりがちです。

これ、学生が一番苦手なところですが
一番面白いところでもあるんです。

最終的なゴールを明確化して
そのためにやることを構築して
今やるべき事を決める

そういう考え方は
学校では経験しないし
そもそもそんなのは
やりたくないのかもしれません。

そういうのは
「やれ」と言われやっても
何のためなのか
どうしたら良いか
よく分からないはずで
面白くないんですよね。

理屈では分かっていても
感情が付いていきません。

学校では、ひとつの答えに向かって
決められたやり方で解いていく
というロジックばかりを経験します。

なので自ずと考えを小さくまとめてしまう。
すぐに小さくまとめたくなってしまう。
もう条件反射みたいなものです。

戦略を立てて実行までこぎ着けるには

ひとつのゴール、ビジョンから展開していきます。
これ、いわゆる「目的」ですね。

ここから徐々に「手段」的な落とし込みをしていって
戦略になり、作戦になり、戦術になり…
最終的には具体的な技術まで行き着きます。

そうしてはじめて実際の行動となるわけです。

そしてこれには正解はありません。
自分で決めて良いのです。
そのための戦略です。

その落とし込みの過程で
どれだけ広げられるかが勝負なのですが

受動的なやり方でやっていると
広げるのは面倒なので
早く絞り込んで
下層に落とし込みたくなる。

焦って下層に落とし込んでしまったら
アイデアが絞られてしまって
できることは限定されて
結果も「できなり」になりがちです。

気付いてみたら
こんなんじゃゴール達成できないじゃん!
となる。

こうならないためには
やはり受動的なやり方から
脱する必要があるのですが
それにはもちろん自発的な
ポジティブな感情が必要なのですね。

え?結局は感情?

そうです。
理屈で分かっていたって
できないものはできないのです。

ポジティブな感情がないと
考えを広げていく
なんてできません。

やはり中心にあるのはこれなのでしたとさ。

そんなこんなで
こういうことが数日のうちに解決して
グイグイ進んでいくってのも
夢工房の良いところなのかな
と思っています。

チームで成功するには

どうしたらいいのでしょう?

学生にとっては難しい課題です。

なぜかというと
そんなの学校で習わないから。

逆に
「自分でやりなさい!」
ってのは良く聞くでしょうけどね。

なので、何か課題にぶち当たると
一人で考え続けちゃう。
で、貴重な時間を失っていく。

もちろん、自力で何とかしなければならない
と思うのは立派です。

ですが、期限までにゴールに到達する必要があるのであれば
チーム力をいかに有効に使うかがカギになります。

レースは勝てば良いのです。

夢工房でのものづくりは
考える やる
の連続です。

PDCAサイクル
なんて言いますが
単純化してしまえば
考える やる
です。

これをいかに早く回していくかが勝負。

考えても調べても分からなければ
聞けば良いのです。

一人でやってみて、できなければ
できない!と言えば良いのです。

何も一人で全てをできる必要はないし
一人が天才的な才能を発揮できなくても良い

チームとして成功すれば良いのです。

勝てるマシンが
必要なときに必要な場所にあって
勝てるチームになっていれば良い。

と、こんなことを言うのは簡単ですが
それがなかなかできなかったりもするのです。

それは
ゴール到達のための
熱意が足りないのかもしれない

「このままじゃヤバいぞ」
という嗅覚が磨かれていないのかもしれない

必要な行動が取れない環境なのかもしれない

いずれにしても
そんなことも含めながら
凄い勢いでグルグル回していくことが
成功の鍵かと思います。