新人君来訪中

今日から授業が始まりました。

我が東京電機大学では、週替わりで学籍番号の偶数と奇数の学生が入れ替わりで登校して、半数が対面、残る半数がリモートの授業となりました。

今日、早速授業をやってみました。
半分リモートというのは何とも変な感じですが、まぁこういうのもアリかな、といった気もします。
正直なところ、もうちょっとやってみないとメリット、デメリットはよく分かりませんね。

さて、いよいよ1年生も登校が始まり、我が夢工房にも新人君がボチボチ見学に来始めました。
今年はどれくらい1年生が集まるかな~と期待しています。

今年の傾向は、機械系の学生だけではなく、色々な専攻の学生が集まりそうなところ。

若者の自動車離れと言われて久しいですが、私の周辺ではそんな雰囲気は全くなくて、逆に盛り上がってきてるんじゃないの?という気すらします。
興味深い傾向です。

最終的な人数がどうなるかは、5月くらいにならないと見えてこないかな。
ひょうっとすると落ち着くのは7月くらいかもしれません。

でも、授業初日時点でフォーミュラSAEと惑星探査機合の希望者を併せて6名程度ですから、この調子だと今年も結構な人数になるかもしれません。

そうそう、今頃と言っては何ですが、2年生も数名見学に来ています。
これも興味深い傾向ですね。

これまた意外と言えば意外なのですが、皆揃って元気が良いのも特徴です。
それは1年生も2年生も。
コロナ禍のリバウンド??

世の中の傾向としてはどうなのでしょうね。
これ、ウチだけの特徴なのでしょうか。

というわけで、夢工房は春からイケイケな雰囲気です。
先輩達も頑張ってますからねー。
良い相乗効果ができてきています。

こりゃ、今年はいっちゃうかも。
楽しみです。

結構いい1年でした

今日で3月も終わり
学校は明日から新学期ですね。

夢工房で頑張った1年生も、明日からは2年生。
彼らはコロナ禍の中で1年間頑張ってきて…

いやぁ、凄い成長しましたよ!
毎日彼らのアイデアを聞いたり、図面の確認したりしてるのですが、忙しいのなんの。

彼らはLINEでコンタクトしてきて、Zoomミーティングで報告を受けるのですが、打ってくるテキストにやたらビックリマーク付いてますからね。
勢いがあります。

1年間オンラインばかりになって、当初はどうなることかと思いましたが、驚くほど成長しました。
もちろんまだ物は作っていませんが、1年生とは思えない図面を描けるようになりましたし、何より気持ちが前向きです。

結局、活動に加わった1年生は、合計で16人。
1名も離脱者無しです。
こんなことは過去20年で初めて。

もちろん、そんな彼らを引っ張る上級生も勢いがあるわけで、お互いに相乗効果で良い方向に向かっている気がします。

この調子で行けば、またFormula SAEの新たなトレンドを生み出せそうな気がします。

PBL

最近、というか
ちょっと前から教育界はPBLが大流行。

大流行ってほどではないか。
学校の学びに導入したいけど、なかなか難しいってところなのかな。

PBLとは
Project Based Learningの略で、問題解決型学習ってヤツです。

学生主体で、テーマを決めてやっつけるヤツです。
なにもいわゆる「問題」を解決するばかりでなく
チームで主体的に工夫しながら目標を達成するというようなイメージで良いと思います。
工科系の大学などなら、ものづくりがテーマになることが多いですね。
皆で工夫しながら何か作るとか。

何でこれが大事なのかというと
学校での学びは、大抵があらかじめ答えが決まっていて
その正解を導き出すという形ですよね。
基本的な知識の習得という面では、そういうのは大事なのですが
でも、実際に世の中に出てやることって
そもそも答えがないものをどうするか
ということばかり。

開発業務なんかはその最たるものです。
どんな製品をつくったらお客さんが喜ぶかなんて誰にも分からないし、確証はどこにもない。
さらに、「新しい製品」は、世に無いから新しいわけで
誰もやったことが無いことをやるのは当然で
当然ながら、どうしたら良いかを教えられる人はいない。
それを何とかするのが仕事です。

学校でいくら学んでも、結局はこういう壁にぶつかっちゃうので
PBLで学びましょうってなわけです。

まぁそうですよね。
確かにそういうのをやるべきですよ。

で、夢工房でやっているFormula SAEとかCanSatは、まさにPBLなんです。授業ではないですけど。
これらは、ずいぶん昔からあるイベントで、PBLとか言い始める前からあるんだと思いますけどね。
何せFormula SAEは40年も前から、CanSatにしても20年くらいは歴史がある。
それだけ長く続いてきたのは、やはりイベントそのものに魅力があって、その効果が大きいからなのでしょうね。

これらのイベントの威力ったらないです。

だって、Formula SAEの卒業生達は、今やレース界はもちろん、世界中の自動車業界の担い手になっている。

そりゃそうでしょう。
だって、学生のうちから小型のレーシングカーとはいえど、クルマ作ってるんですから。
授業で得る知識だけでは作れませんもの。
それを自ら学んでやってしまう。

それを運用する戦略とかはもちろん、品質とか信頼性とか、人間工学的なものとか、授業では全く教えなかったり、教えたとしても実践への適用の機会がないことができるようになっちゃう。

昔は、1台の新車を作ると2年間はイベントに出られたけど、今はレギュレーションの改定に伴って、毎年新車を作らないといけない。
つまり、学部の在学中に4台もクルマ作ってるわけです。
これで会社に入って使い物にならなかったら、お前一体何してたんだ?ってな話しです。
海外の大会に行けば、本物のレーシングカーの開発者や、メーカーの技術者と話ができて、ヘタすりゃ、そういうプロフェッショナル達に技術を教える人達とも繋がりを持てる。

CanSatにしても同様です。
考えに考え抜いた惑星探査機を作って、厳しい審査を通過して、ネバダ州の砂漠まで持って行ってロケットで打ち上げ!
その後は英語でプレゼンテーション。
経験者はJAXAを含む航空宇宙産業で働くケースも結構あります。NASAで仕事している経験者もいたのではなかったかな?
夢工房の卒業生も、飛行機関係の仕事をしたり、某社で本物のロケットの設計をしてたりします。

これらの活動を経験して、何も自動車業界とか航空宇宙業界に行くことが全てでは無いのです。
その他の業界でも、みんな元気に良い仕事してます。
きっと、こういう活動していく中で、「やれば何とかなる!」って気付くんでしょうね。

さて、この手のPBLですが
教える方はどうしたら良いのでしょうね?
これが教育界の抱えている問題なのだと思います。

というのも先日、工業教育についての集まりで、お呼ばれで講演させてもらったのですが、やはり皆さん、その点の問題を抱えてらっしゃることが分かりました。

私なんぞが、そういうエキスパートの皆さんにお話しさせてもらうなんて、おこがましい感じなのですが、そこで分かったのは、こういうのって教えようとすればするほどうまくいかなくなるってことです。

「先生」なんだから、「教えなければいけない」ってやっちゃう気持ちは分かります。
でも、そうすると身も蓋も無くなっちゃうんじゃないでしょうか。

だって、教えたらゴールが定まっちゃうでしょ。
答えが決まっちゃう。
そもそも、その答えを作り出すのが学生達の役目なのに。

恐らく、お題目を先生が決めた時点で破綻しちゃってるんじゃないかな。
何をしたいかは、やる本人が考えて、自身の口から出ないと意味が無いと思うんですよ。
そうしないと、ゴールに到達するパワーは生まれてこないでしょ。
「どうしてもやりたいんだ!」ってならないとね。
人から与えられたものでは限度がありますよ。

というわけで
Formula SAEやりたい!
CanSatやりたい!
という学生は偉いなぁ。
というお話でした。

あれ?違った?

他にも
「先生!オレ、これやってみたい!」
という学生が次々に現れると盛り上がるだろうなぁ。
色んな意味で今がチャンスなんですけどね。