諦めない心

夢工房で活動する新入生が増えてます。
日々増えてます。
一体どこまで増えるのでしょう。
まぁ、限界はあるでしょうけど。

やはり今年の新入生は
良い意味でコロナ禍の反動が出ていますね。
結構アクティブです。
この勢いで成長してくれたら将来楽しみです。

企業の人事担当者からは
コロナ禍で自粛して過ごしてきた学生が
果たして社会に出て使いものになるのか?
という相談を受けていたりしたのですが
この様子だと杞憂に終わりそうです。

そしてこの春は
企業からの色々な形でのコンタクトも多いですね。

通常は、大学の学生厚生課とか
学科や学系という単位の窓口に来るのでしょうけど
夢工房への直球が増えてきました。
ありがたいことです。

もちろん過去の卒業生達の活躍は影響しているでしょうけど
コロナ禍でもめげずに頑張り続けた
現役生達の努力も効いているのでしょう。

かつては活動する中で
911テロとか、SARSとか
色々な非常事態に遭遇してきました。

危機に対面した時の処し方というのは
大変難しいものです。

過ぎてしまえば何とでも言えるのですが
「その時」は、やはり試されているわけです。

やりたいこと
すべきこと
守るべきもの
そして
取るべきリスクの種類と大きさなど
色んなものをトレードオフして
何とか乗り切らなければならないわけですが

そこには正解なんて無いのです。

こういう危機を乗り越えるには
考えるだけ考えたら
腹を決めてやるしかない。

でも、実際やるとなると
難しいものです。

あらゆるリスクを排除しようとすると
盲目的になってしまって
大事なことも失ってしまうものですが
危機の渦中にいる時は
そんなことも意識するのは難しかったりします。

コロナ禍は収束したと言える状態では無いかもしれませんが
とりあえずは一息ついたと思って良いのでしょう。

正直なことを言わせてもらうと
今回のコロナ禍の状況下で
あまり恐怖は感じませんでした。

とはいえ
そんな環境下でベストな選択と対応ができたかと言えば
決してそんなことはありませんでした。
満足はいっていません。

でも、学ぶことは多かったですね。

特にマインドやメンタルの大切さです。

夢工房の学生達が望む
「新しいものを作る」ことを仕事にする開発職なんてのは
当然ながら色んな壁にぶつかるわけで
言ってみれば、しょっちゅう危機が訪れているようなものです。

そんな環境でものを言うのは何か?
それはやはりマインドやメンタルでした。

今回であれば
「諦めない心」
でしょうか。

それありきで
その上に知識やらスキルが乗っかってくると良いよね
ということです。

さぁ、このコロナ禍で鍛えられた成果を見せる時が来たぞ!

…だよね?
きっとそうです。

うまく行くまで諦めなければ
きっとうまくいく!

100点が最高だなんてのは幻想だ

言われたことをやる
そうすると褒められるシステムはおかしい
なんて思う私はひねくれ者でしょうか?

そうではありません。

単なるひねくれ者ではなく
出来の悪いひねくれ者です。

なんでこんな始まり方をするのかというとですね
こんなことを思ったからです。

学校では、言われたことを100%こなすと
「100点満点」という最高の栄誉を獲得します。
これより上は無くて文字通り最高です。
一番良いのです。

でも
社会に出た時に思ったのですよ。

言われたことが完璧にできると…
普通じゃん。

言われたことをやるって
普通なんですよ。
全く最高では無いわけです。
言ってみれば「ゼロ」かもしれない。
マイナスじゃないけどプラスじゃないから。

学校のテストで60点未満が赤点なら
60点って感じです。
ってのは言い過ぎ?

ともかく
普通の仕事
当たり前のことをして
喜ぶお客さんはいないのですよ。

「これ、くれ」
というオーダーに対して
「はい」
と手渡す

で、喜ぶお客さんはいない。
当たり前なことが起きただけだから。

「じゃぁ、超絶に優秀じゃないとダメなの?」

それでもいいけど
そうじゃなくてもいい。

要は、言われたことを
超絶優秀にこなすことができなければ
他の方法で勝負してもいいよね
ということなんですよ。

まぁ、納期を守るなんてのは当然として。

ピンポイントでも
何かしら強みを持っていれば良いと思います。

会社組織なんてのは
色んなことができる人が集まっているのだから
分からなければ誰にでも聞けるし
できないことは得意な人にやってもらうこともできる。

ただ、忘れてはいけないのは
義理と人情です。

当たり前のように他に依存していたら
相手は気持ちよくないわけで
そんな人間関係では
組織としてのパフォーマンスは向上しません。

開発職でありがちなのは

設計と試作の現場が不仲であるとか
設計と事務方が不仲であるとか

そんなところだと思います。

設計が試作を下に見ている
なんてのがあったとしたら最低です。
彼らのゴッドハンドに敬意を払うべきです。

偉そうなことを言うなら自分で作ってみろ
という話です。

彼らがいてくれなくては
どんなに素晴らしい設計だってモノにはなりません。

そもそも試作にいる職人さんが怖くて
ロクに現場に顔を出せなくて
対応や調整ができなくて怒られるとか
そんなのは新人の頃によくある話だと思いますが
そのまま年齢を重ねて中途半端にキャリアを積んだりすると
そういうことになりがちではないでしょうか?

あと、事務方から何か言われて逆ギレしちゃうとか。
「誰が稼いでると思ってんだ!?」
なんてね。

「少なくとも、あんた個人じゃねぇよ」
と言いたい。
「誰のお陰で仕事が回ってると思ってんだ?」
と。

そもそも同一の組織内で
そんな考え方に至ってしまったら致命的です。

そういうのは
「仕事ってのは言われたことをやるもんだ」
なんて価値観でやっていることが
原因ではないかと思うのです。

何も100点満点君じゃなくても良いのですよ。
ピンポイントの強みは何でもいいのです。

力学が得意とか、材料の知識が豊富とか
そんなのではなくても

とにかくチャレンジするとか、すぐやるとか、諦めないとか
気が利くとか、思いやりを持って仕事ができるとか
そんなことだって突き詰めると強みになる。

で、そんなことでも継続していくと
結構仕事ができるようになっちゃうものです。

夢工房の学生達は
「即戦力になりたい」
と日々頑張っていますが

何も「即戦力」という「型」があるわけではなく
やり方は色々。

彼らはヘタに分業しすぎない…というか
システマチックに分業できるようなリソースが無いので
各人が色々やる必要があるわけで
結果として色々できるようになっちゃうわけですが

そういう経験で
考え方やスキルを手に入れるのはもちろんなのですが

将来的には
他部署や他社や、お客さんの気持ちが分かる
エンジニアになって欲しいな
とも思うのです。

心の慣性力

この春の夢工房は、コロナ禍の自粛からの本当の再スタートといった雰囲気です。
恐らく世の中もそんな感じなのではないかな。
と、トイレのハンドドライヤーの再稼働で感じる今日この頃。

世の中の色々な仕事もそういう方向に向かうでしょうけど、何がどのくらい変わっていくのかが気になるところでもあります。
これは心配と言うより、期待の方だったりするのですが。

とはいえ、この自粛モードからの変化になかなか対応できない…というか対応したくない人もいるでしょう。
特に疾患を抱えた方とか高齢者とか。
でも、周囲の高齢者で、そういう雰囲気を感じさせる人はあまりいなかったりするのですが。

とはいえ、コロナに対する警戒というのは、心配な人からしたら命の危機で、真剣・深刻だったわけで、一度そのような意識を持ったら慣性力が付いちゃうのではないかな、なんて思ったりもしていました。
そして、そういう意識が習慣化してしまうのではないかと思ったわけです。

新入生に関しては、その点は概ね杞憂だったようで、一安心というか、むしろ期待が持てるな、というのが今のところの感想です。

彼らは高校の3年間、ずっと我慢してきたと同時に、それは多くの「やらなくて済むこと」を生むわけです。
恐らく彼らは命を失う恐怖は感じていなかったでしょうけど、やらなくて済む楽さ加減を知ってしまったわけで、その辺がどうなっているのかな、というのが気になっていました。
でも、たぶん、大学入学という環境の変化で、一気にリセットできているものが多い印象でした。

夢工房の活動はチャレンジの連続であって、リスクを取ったりコントロールしたりしながら前進し続ける必要があるわけです。
これは、怠惰や恐怖のような、非常に強固な本能的なものを超越する必要があるのだろうなぁ、なんて思いました。
まぁ、その辺がこういう活動をやる本質でもあるのでしょうけど。

で、そういうのが習慣となってしまえば、社会に出た後も慣性力を効かせて頑張れる。
スタート時点のマインドレベルが違うので、受け身で仕事にヒーヒー言わされるのではなく、楽しめるようになるだろう、というのが夢工房で狙っているところの一つだったりします。