アメリカ遠征を終えて

時差ボケでボケボケです。
この感覚も3年ぶりなんだなぁ。

さて、現地で12日間を過ごして思うのは、まだまだ未熟で不十分だなぁということです。
もちろん自分が、です。

もちろん、行くたびに発見があったり、新しくできるようになったこと、分かったことがあるのですが、自分の満足いかない点も明確化されるのです。
もちろんそれは、異国の地を踏んで思うことがあったり、国内での課題が明確化されたり色々ですが。

今や「家に居ながらにして」というネット社会の特徴が発揮されて、海外事情なんかもわざわざ現地に足を運ぶことなく得られたりもするでしょう。
でも、やはりリアルな体験でしか分からないことは多いわけで、そういう意味では頑張っている学生のお付き合いで海外に行けるというのは大変ありがたいことだと思っています。

では、学生たちを客観的に見るとどうかというと、これが実に興味深いのです。

海外遠征は正直なところ、実にキツイと思います。
言葉の問題や環境の違いはもちろんですが、自分が取り組むことだって、現地ならではのトラブルが起きるし、その解決だって大変です。
しかも逃げ場がない。

この環境、人の成長にとっては凄まじく効いてきます。
たかだか十数日で学生は変わります。
もちろん夢工房で頑張っている時だって、普通の学生から比べれば成長の度合いは各段に違うと思うのですが、その比ではないと思います。

コロナ禍によって、ただでさえ減っていた学生の留学とか遠征の機会はとどめを刺された…ということになったら、将来的にはちょっと困ったことになる気がしてなりません。もちろん我が国の将来が、です。

金カネいうのであれば行かないほうがいいし、海外に行ったら少なからず思い通りにいかないことや失敗もあるでしょうから、心も傷つかなくて済むかもしれません。
ただ、そういうちょっと目には損失とかネガティブな経験に見えることが、どんなものと、どういうトレードオフになっているのかが大事なところです。

とはいえ、今どき大金払って大変な思いをしようなんてのは、そうそういないでしょうね。

そんなことを考えると、夢工房で頑張っている連中みたいな学生たちは、実に貴重な存在なんだなぁなんて思うのです。

アメリカ遠征 12日目

今日は遠征最終日。アメリカ出国の日です。

泊まったのは格安モーテルチェーンのMotel 6
ロサンゼルス国際空港の近くは高級ホテルチェーンが多い中でここの存在はありがたい
建物は9階建てでモーテルっぽくありません

一応、セキュリティチェックが混んでいることと、ロサンゼルス国際空港はレンタカーのオフィスが空港から離れていることを考慮して6時起床で動きましたが杞憂に終わりました。

道路も空港も空いていましたし、レンタカーの返却もスムーズで、飛行機は事前のオンラインチェックインを済ませておけば、空港到着時は預け入れの荷物を専用のカウンターでお願いするだけ。
しかもセキュリティチェックは空いていました。

まぁそもそもリノでセキュリティチェックに異常に時間が掛かるのは、小さいながらも国際空港で発着便数がそこそこあるのに対して、たった2箇所程度のセキュリティチェックで対応しているのだから当然といえば当然です。

対してロサンゼルスは複数あるターミナルごとにセキュリティチェックがあるし、対応する係官も相応の人数がいるわけなので、非常にスムーズでした。

とはいえ、やはり飛行機に関することがある日は早めに動くに越したことはありません。
可能性云々はともかく、飛行機の場合はトラブルが起きた時の対応が面倒ですからね。海外ならなおさらです。

搭乗ゲートにて
アメリカの人もエリザベス2世女王陛下の崩御を追悼しています
私も心より女王陛下のご冥福をお祈りいたします

今回の渡航における印象を書いておきます。

入出国にまつわるコロナ関係の書類(データ)のアップロードなどはあまり手間とは感じませんでした。
事前の想像よりは簡単だったと言えばいいでしょうか。
帰国時のPCR検査が不要になっていたのは大きいでしょうね。

人々のコロナ対応ですが、マスクをしている人の割合は場所によって様々です。
田舎の方が大らかで、ほとんどマスクをしている人を見かけません。
しかし、ロサンゼルスの博物館や空港などでは、思っていたより多くの人がマスクをしていました。
ただ、日本のように全員がしているようなことはなく、良いところ1〜2割の人です。これを多いと思うかどうかは人それぞれでしょうけど、私は多いと思ってしまいました(笑)
また、大抵の店舗の入り口には消毒液などが設置されていますが、使っている人はほとんどいません。
総じて日常が戻りつつあると言って良いと思います。

飛行機の利用も含めた消費活動については3年前よりもデジタル化が進んでいる印象を受けました。
特にスマートフォンの利用を前提とした注文や決済方法の多様化が進んだ印象です。
もっともこれについては地域差があって、田舎の方はあまり変わらない気もしますが。

さて、ボチボチ搭乗開始です。
ちょっと投稿のタイミングが早いですが、今回の記事はこの辺で。

コータロー、お疲れ様でした。一人でよくやったね。
応援してくださった皆さま、ありがとうございました。

アメリカ遠征 11日目

明日は早くも帰国日です。
遠征は朝から晩まで大忙しで、10日なんてあっという間に過ぎてしまいます。

今日は早朝4時起きでリノ・タホ国際空港に向かい、オークランド経由でロサンゼルス国際空港へ。
ロサンゼルスは久しぶりです。
2007年にFormula SAEの遠征で来たので、実に15年ぶりでした。
空港周辺の雰囲気は変わりませんね。
詳細については良く覚えていませんが。

空港到着後は、コータローのリクエストで、カリフォルニア・サイエンスセンターに行ってみました。科学博物館です。

展示物は自然に関することや宇宙開発について
なのですが…

ここにはスゴイ奴がいます。

スペースシャトル エンデバー
本物です。

以前、スミソニアン博物館のウドバー ヘジー センターに行ったときにスペースシャトルがあって興奮したのですが、実は実物大のモックアップでした。
でも、こっちは実物です。

残念ながら内部などは見られませんが、外観だけでも良い勉強になりました。
想像とはかなり違っていましたね。

白い部分はツルッとしていて、全体的にもっと緻密な作りになっているのかと想像していましたが、実際は白い部分は繊維質のような質感です。セラミック繊維なのかな?
黒い部分は皆さんご存じのセラミックタイルで、まるでパズルのよう。
タイヤはミシュラン製でした。

2022年9月23日追記
ウドバー ヘジー センターへは2009年に行ったことがあるので、その時の記録を確認してみました。
あったのは60パーセントだったか80パーセントだったか、中途半端なスケールのエンタープライズのモックアップでした。
その後、そのモックアップは本物のエンタープライズに置き換わって、さらにその後、本物のディスカバリーと入れ替わり、エンタープライズはニューヨークにある本物の空母イントレピッドを博物館にした、イントレピッド海上航空宇宙博物館の甲板上に設置されたスペースシャトルパビリオンに移されています。
ややこしいですね。
もう一つの現存する実機(アトランティス)は、ケネディ宇宙センターにあるそうです。
なお、エンタープライズは大気圏の滑空試験に用いられた機体なので宇宙へは行っていません。

巨大だけど軽くて丈夫にしたいロケットの胴体(つまり燃料タンクの外板と言ったらいいのか)を構成しているのは単なる板材ではなかったりします。
これ、以外と知られていないのではないでしょうか。

まず、アルミ合金の厚板の片面(ロケットの内面側)を以下の写真のような格子状に削り出します。この工程で材料のほとんどはゴミになっちゃうのですね。
形状を付けるのは内面側だけで、外側は平坦でツルッとしてます。
その後、コイツを曲げて、湾曲したものをつなぎ合わせて、大きくて長いパイプ状にします。それがロケットの本体です。

要はロケットの本体は削り出しってことです。なんとゴージャスな!

NASAは長方形格子のオーソグリッド

対してJAXAは正三角形格子のアイソグリッド

JAXA 種子島宇宙 センター 宇宙科学技術館にて

ロケットの大きさとかコストとか、色んな理由でやり方が違うのでしょうし、どちらにも一長一短があるのでしょうね。
個人的にはアイソグリッドの方がカッコイイと思ってます。ネジレ方向にも強いでしょうし。
JAXAの研究者に材質を聞いたところ、5000番台のアルミ合金を使っているそうです。5052だったかな。「吊るし」の材料だったはずです。
溶接ができる最強のアルミ合金7N01材なんかを使っているのかと思っていたのですが
「コストがありますから」
だそうです。
対してNASAはアルミ・リチウム合金です。リチウムは最も軽い金属なのですが、こりゃお高いでしょうね。

その後は、近くにあった自然史博物館に行きました。
一般的にはこちらがメインなのでしょうね。
もちろん、お客さんもこちらの方が圧倒的に多いです。

建物は立派です。大理石造りです。

たしかどこかで
その国の将来を考えるなら、若者の教育に力を入れるべきで、博物館などを充実させるべきだ
みたいなことを聞いた覚えがあります。
台湾の奇美博物館なんかはまさに良い例で、内容も外観も素晴らしいです。
たぶん、日本で同じようなことをやろうとしたら「無駄遣い」と言われることでしょう。
でも、上野の東京国立博物館は良い線行ってますね。

おっと脱線しました。

ここの目玉は恐竜の化石なのですが、やり方がうまいのは、目玉になる恐竜が施設のあちこちに分散してあることです。

子供はやはり恐竜大好きなので、一部屋に集めてしまうと、そこを見たら「もういい!帰ろう!」ってなるでしょうから。
その辺のやり方は、ニューヨークのアメリカ自然史博物館なんかとはちょっと違っていて斬新です。
反面、何がどこにあるかは分かりにくいですが。

という感じで、1日があっという間に終わりました。

今日の夕食はメキシコ料理です。
ホテルのフロントスタッフに、近くでお勧めのメキシカンレストランは無いか聞いたところ、老舗の良い店を教えてくれました。
アメリカ遠征では、できるだけメキシコ料理屋さんに一度は行くようにしています。
安くて量があるから(笑)
でも、大抵は多すぎるんですよね。まぁ、アメリカで食事をしたらそんなものでしょうけど。

今日もとても良い経験ができました。