オーストラリア大会の見通しと意義

昨日の記事では、今回のオーストラリアは散々な結果となるといったような内容を書きました。

今までのチームの歴史から考えた理想像と、コロナ禍の自粛によるダメージを受けた現状のギャップがあまりに大きいと感じています。
恐らく、周囲の期待に対するギャップも大きいでしょう。

開発の初期段階でそのシーズンの内容がほぼ決まっていますので、これは今さらどうにもならないこと。
とはいえ、準備も含め、遠征ではベストを尽くすべきです。

学生達にしてみれば、3年に及ぶ何もできない期間によって、本来得られる機会を逃し、自分の意に反した状況に置かれたということで、チームの歴史がどうこう言っていられる状況では無かったでしょう。

この状況に至るには様々な原因があることが分かっていました。それは学生達のみならず、アドバイザーの私にも。

で、今はどういう心境なのかというと…
もう腹が決まっていて、今後に向けて今回の遠征の経験をどう活かすか、といったところに目が向いています。

色々な問題や原因を頭で理解はしていたのですが、どうも腹落ちしていなかったということを自覚してきたのが最近のことです。
頭では分かっているけどできない状況だったと言ったら良いのでしょうか。

今まで色々ありましたが、底を打ってしまえばあとは上がるだけです。
ある意味、我々のコロナ禍がやっと終わったと言って良いのかもしれません。

学生達のモチベーションが高い状態で遠征に望めれば、世界的にもレベルの高いオーストラリア大会で様々な経験をして、価値観のレベルを大幅に上げてくるはずです。
そういう意味では、我々の来シーズンはすでに始まっているということになります。

この状況を支えてくれて、彼らにチャンスを与えてくれている関係者やスポンサーの皆さんには感謝するばかりです。

ところでこの状態、これは恐らく我々だけの問題では無く、かなり広範囲に同様の状態になっているようです。
他チームの学生達も、きっと苦労が多いことでしょう。
彼らも何とか現状を克服してくれることを祈っています。

リスタート

夢工房の学生達は頑張っていますが、いかんせんコロナ禍の自粛によって技術継承が不十分で、技術レベルが低くて、何よりマインドセットが難しい状態です。
彼らなりに頑張ってはいると思いますが。

自分なりに頑張るのは大事なことなのだけど、コンペティションに参加するとなると、「自分的には」は通用しません。
けど、そんなのは参加しないと分からないことなのかもしれません。

というわけで、12月にはレーシングカーのイベントFormula SAEのオーストラリア遠征に行くのですが、そこでは散々な結果となることが予想されます。

今回の遠征では、参加メンバー全員が海外大会初参加です。
大事なのは、そこで彼らがどう思って、どうするのか。
ちょっと大げさな言い方ですが、彼らの今後の動き次第で、我々、夢工房の未来が決まると言っても良いのかもしれません。

日本には、同様のレーシングカーの活動をするチームがコロナ禍前には80から90チームあったようですが、相当な数が壊滅状態とも聞きます。
そして恐らくかなりの数のチームが、我々同様に再起動の状態にあるのではないかと想像しています。
ぜひ頑張って、何とかこの局面を乗り越えてほしいものです。

つまり行動力か?

ものごとをうまく運ぶには、色々と細かい要素は必要だと思います。知識とか技術とか勇気とかパッションとか。
でも、それを得るためにどうしたら良いのかというのは、要素がはっきりするほどぼやけているような気もするのです。

抽象度を下げすぎちゃって、ゴールと細かい要素を埋めるものが無いというか何というか。
ちなみに、抽象度が高いのが抽象的で、低いのが具体的です。

で、これならどうだ?と思うのが「行動力」です。
どうですか?これならイメージしやすいのではないでしょうか。

どう動けば良いかがイメージしやすいでしょう?

今日はモビリティリゾートもてぎで行われた全日本学生フォーミュラ対象の試走会に混ぜてもらいました。

少々行動力の重要性を甘く見ていたウチの学生達は、満足にマシンを走らせることができず、さんざんな結果でした。
マシン側の準備不足、運用レベルの低さは、それをハンドリングしている学生達の低い意識レベル相応だということです。

こういうのって、口で「あーしろ、こーしろ」言って、それに従わせてみたところで、あまり意味がありません。
確かにそうやっていれば失敗は少ないかもしないし、言う方も楽になるかもしれませんが、果たしてそれは本人にとって本当の学びになっているのかが問題です。

手元の目に見える短期的な失敗は減ったとしても、果たして未来はどうなるのか?ということです。
教育って、未来のためにやるのですから、短期的に自分の面倒が減れば良いってものではないでしょう。

ヘボいマインドを持って、ヘボい結果を出したら、それに真っ直ぐ向き合って初めて自己評価ができるようになるのです。
それを真摯に受け止めて、次のアクションに繋げる。
それができなければ、いつになってもヘボいままです。

オーストラリアへの発送直前だというのに盛り上がって参りました。