止まったら終わりだ

夢工房で学生達がどんなことをやっているか
というのは、あまり具体的に説明してきませんでした。

もちろん中には、口外できない機密度の高いことをやっていたりもしますし
なかなかうまく行かなくて形にならないというのもあります。

当然、学生の活動で、なおかつチャレンジなので
うまく行かないことなんて山ほどあって
むしろ、うまく行かない方が多かったりするのですけど
その中に成長のチャンスが山ほどあるわけです。

やったことが無いこと
答えが無いことに向き合えるのか?

そういう壁にぶつかって
超えることができるのか?

そこがまさに成長のチャンス
というか
人は、それでしか成長なんてできません。

もっとも、そういう経験をチャンスと捉えられるかどうか
そこがカギですが。

そんな経験を在学中にどれだけできるかが問題なのです。
「どれだけできるか」というのは
「何回できるか」
と言っても良いと思います。

よーく考えて
失敗しないように一発で決める

実はそれは最悪です。

そういうのが得意な人
というか、得意かどうか知りませんが
そうしたい人は山ほどいるでしょう。

その中で優位性を獲得できるのですか?
というのもあるし

そもそも、それでうまくやれるなら
何でキミは最優秀校にいないのさ?
ってな話です。

そのやり方は
戦略的に最悪なのです。

そのやり方では
数をこなせません。

経験の数の優位性というのは
絶対的なものがあります。

数を重ねて、ある一線を越えると
感覚というか嗅覚というか
直感で理解できる領域に突入します。

これは、生真面目に足を止めて
ずーっと考えることでは得られないことです。
理屈で説明できませんから
教えることもできません。

理屈で説明できたとしても
納得できなかったりします。

それは圧倒的な優位性です。

彼らは、たった4年しかチャレンジできません。
それは
人生のベクトルの根っこの角度を確定する
分かりやすく言えば
ロケットの発射台の角度を決める
重要な期間なのです。

低い確度で打ち上げても
後で急上昇すればいい?

できるもんならやってみろ。
そもそも、そういうのを先送りにした時点で
決して、やりはしない。
今やらないことは、大抵はできない。

日々チャレンジしていれば
どうしようもない失敗をすることもあります。

けど、その度に俯いて足を止めている場合ではないのです。

止まったら終わりなのです。
サメとかマグロみたいなもんです。

留まってフラフラしろ

何か一つに拘って
頑張り続けて諦めなければ
大抵のことはそれなりの結果になる
と思います。

拘る「一つのこと」が
何か特定の要素なのか
それとも
何か特定の領域なのか
その「広さ」は人それぞれかとは思いますが
続けるって実に難しい。

習慣になるまでは。

「深さ」に関しては
頑張っていやっていくと
ある程度の領域で壁みたいなものがあって
その辺にライバル達も揃ってきたりします。
そのあたりの景色は
レベルが上がらないと見えない領域
だったりしますが。

チャレンジしはじめは
当然ながら最初はうまくいかないわけで
頑張ってうまいこといくようにしていくわけですが
やり方というか、取り組み方が一緒なら
出る結果は一緒なので
ダメなら色々とアプローチを変えてみる
なんてことが大事だったりするのですけど

学生を見ていると
なかなかやり方を変えられなかったりして
「あぁ、そういうのって意外と難しいんだなぁ」
と思います。

やはり「変わる」って難しいですね。

じゃぁ、変わらないのが楽なのかというと
一つのことに拘り続ける
なんてのは意外と大変だったりもする。

留まるのは難しくて
変わるのも難しい

何なのでしょうね、いったい。

結局は
一つのところに留まりながら
色々変えながらトライする
ってことになるのでしょうけどね。

と、こんなことを言っていると
「あぁ、レースってそういうもんだよな」
と思ったりします。

というのも
サーキットを頑張って走っていて
そこそこ良いタイムが出てきて
「さて、ここからどう詰めていこうか?」
ということになるのですが

良いタイムが出ているってことは
そこそこ限界に近いところにいるわけで
その状態から単にハードにプッシュしたところで
破綻しちゃうわけですよ。

なので「何かを変えなきゃ」ということになる。

でも、変えるのにも勇気が要るわけです。
今までそれで良いと思ってやってきたことを変えるって
結構難しい。
体が反応しちゃうんですよ「そうじゃない!」って。

そういう状態に似てるなぁ
なんて思ったり。

レースって人生です。

これまた根本的に重要なこと

何をもって自分の限界とするか
「これ以上いけない」
というポイントというか閾値(しきいち)というか
そういうのは目に見えません。

なので、限界までプッシュするというのは
人によってはとても難しかったりします。

逆方向の
落ちるところまで落ちて
「これ以上(以下というべき?)はマズイ」
という一線も目に見えないので分かりにくい。

さらに、これを決めるのは自由だし
意識しないこともできる。

上も下も良く分からないのです。
さらにこれらのレベルは個人差がある。

限界は、突破してみないと分かりません。
限界を超えるのを恐れて
小刻みにいやっていると
いつになっても限界は見えません。

なので、失敗を恐れたり
無駄な労力を払うことを恐れていると
いつになっても限界は分らなくて
往々にして限界のはるか下の方に
停滞することになります。

下限に関して言うなら
譲れない一線を高く設定しているなら
早めに上昇に転じることができるでしょうけど

何も考えていなければ
落ちるとことまで落ちるでしょう。

高い目標設定などはもちろん重要なのですが
やはり本気度というか熱意が
どれだけ高く大きいのか
それが重要なのでしょうね。
根本的に。

ああ、やはりこういうの
授業じゃ無理なんだよなぁ。