「思い」が大事

「何のために」という「思い」
これはとても重要だと思うのです。

人は理屈では動きません。
根底には「得たい感情」があって
そのために動くのだと言います。

学生がヘマをやらかした時
前に記事にした通り
夢工房ではこうします。

「なんでそうしたの?」
「じゃ、それはなんで?」
と、「なんで?」を繰り返していきます。

すると、コアの部分には
凄くシンプルな理由が出現します。
それを解決すれば
それによる結果は変化するはず。

その「なんで?」の過程にある理由から
コアに出現する理由に向かうに従って
感情にまつわることが占める割合が大きくなったりします。

この「感情」とか「思い」は
何に基づいているかというと
「価値観」ですよね。

価値観が判断の基準になって
快・不快を決めたりしているというのは
誰しも知るところです。

なので
価値観の上書きができると
今まで苦手だったことが苦ではなくなったり
嫌いだったものが好きになったり
そんなことが起きます。

学校の歴史の授業で年号と出来事を暗記したりするけど
それは全く面白くなかったりします。
特に私のように脳ミソのメモリ容量が少ない人間には。

大事なのは「何のためにそれをやったのか?」
ということであって
そこからは、とても大事なことを知ることができます。
そういう大事な部分を教えれば
ちょっとは歴史の授業だって面白くなるでしょうに。

とはいえ、出来事を字面で見ただけでは
思いは伝わらなかったりもしますので
そのための周辺情報を理解するためには
時間や労力が必要。

でも、そういうのを惜しんじゃいけないのでしょうね。
うーん、難しいところです。

あとは
社会のルールだって何かのためにあるのだけど
その思いが伝わらなければ
単にルールを守るだの守らないだのという判断になってしまって
守ったの破ったのと
善悪二元論みたいになるわけで
ルールは守っているのだけど
結局何のためにやってるのか
それが良いのか悪いのかも良く分からないまま
何も変えられないとか
そんなことにもなるのでしょうか。

コンペティションをやっている者にとって
ルールの本意を理解するというのは
実はとても重要なところなのです。

レースなんかの場合は
もちろんゲーム的な要素はあるのですが
安全のため、命を守るためのルールもあるわけで
そこを尊重して、意図(主催者の「思い」)を理解して
マシンの性能のためのアイデアと
バランスを取ったりする必要があるからです。

世界GPライダー@夢工房

今日は元世界GPライダーの上田昇さんが夢工房に来てくれて、今年の鈴鹿8時間耐久ロードレースについての作戦会議をしました。

昨年はコロナ禍の影響もあり、残念ながら出場できなかったのですが、今年はトッププライベーターの本領を発揮すべく気合いが入っています。

上田さんといえば、1990年代の世界GPを湧かせた日本を代表するライダーの一人ですが、今は鈴鹿8時間耐久ロードレース出場チームの監督と共に、次世代のトップライダーの育成もされています。

なので、分野やレベルはともかく、今の私の仕事とも通じるところがあるわけで、お互いに持っている課題も共通のものがあったりします。

経験者が指導する際に
「こうすればうまくいく」
ということを伝えたりするわけですが、言われた「やること」は当然ながら、さらに上に行くには、やはり自発性が成長の鍵になるわけです。

とはいうものの、その重要性を伝え・理解して・実行するには、双方が持つ価値観を理解して共有している必要があるわけです。
加えて言うならゴール達成の「熱量」もですね。むしろこっちの方が重要だと思いますが。

それらが揃わないと「自発性を発揮」とはいうものの、そのレベルが低すぎたり方向性が違ったりということになって、指導そのものが空回りするし、満足できる形にはならないでしょう。

言われたことをやればいい・うまくいく
というわけにはいかないのです。

では、一体どうしたら良いのか?

マネージャーさんも含めて、そんなことも話し合ったりもしていました。
これは結構前から話し合っているネタで、そうそう簡単に答えが出たりはしないのですけどね。

世界は違えど、こんな凄いレベルにいる人と似たような課題を持っていて、それについて話ができるというのは有り難いことだなぁなんて思ったりしていました。

燃える心はどうやったら手に入る?

単なるものづくりであれば
好きなことを好きなようにやっていれば良いのでしょうけど
ことコンペティションともなると
そうはいきませんよね。

やはりパッションが
燃える心が必要です。

「燃えろ!」
ったってどうにもなるものでなし
さて、どうしたものでしょうね。

何度も言っているように
環境は重要だと思います。

なので、夢工房は燃える軍団に適した環境にしたい
と思ってはいるのですが
一体どうしたら良いのか?
それだけで良いのだろうか?
それは常に課題です。

そしてそもそも
ここに来る前の環境の影響が凄く大きいことは分かっています。
まぁつまり家庭の影響ということなのですが
それはもう、どうしようもないのかもしれない。

例えば
依存心が強くて自律性が弱いとか
そもそもファイターになりきれないとか
対人関係がうまく構築できないとか

「そんなの大学でケアすることなの?」

と思われるかもしれませんが
「じゃぁ、誰がやってくれるんですか?」
と聞きたいですよ。

あ、勘違いしないで頂きたいのは
上記の問題は、夢工房でガッツリやりこんでいったときに現れる
プラスアルファのようなレベルの話なので
そもそもそれらが全く無くて
どうしようもない状態ということではありません。

もっと先に行きたいので
もっと何とかならないか
ということなのです。

以前の投稿にも書いたように
腹減ってない者に
「ハングリーになれ!」
ったって、そんなのは無理ですからねぇ。

本人には、自分で勝手に
もっともっと燃え上がってもらわないと。

そうすると
もっともっと面白くなる
ってのは、やったことがなければ分からないことで
その辺を理解させるのは難しいですね。