コロナ後の計画色々

世界的にコロナの感染が落ち着いてきたので、やはり人の動きが活発化してきたようですね。

恐らく東京にいれば、そういう雰囲気も実感できるのでしょうが、ここ埼玉の鳩山町では全く分かりません。

とはいえ、オーストラリアの大学生から、当チームのメンバーに「日本に遊びに行くから東京で会わない?」と連絡があったりしますので、多少は以前との違いが感じられるかな。

なぜオーストラリアから連絡があるのかといえば、当然Formula SAE関係なわけです。

我々はオーストラリア大会で海外大会デビューを果たし、かれこれ20年以上、オーストラリアを中心として海外大会に出場しているので、やはり現地の学生からしたら連絡を取りやすいのでしょうね。
学生にグローバルな視点を持ってもらうためにも、こういうのは大事なことです。

私もオーストラリアの大学でFormula SAEをやっていた連中が、卒業後に日本に遊びに来た際には、一緒にバイクでツーリングをしたり観光をしたりしたものです。

近年では、オーストラリアの景気の良さと日本の景気の悪さが相まって、日本に旅行するにはちょうど良いのではないでしょうか。
オーストラリアに限らず、といったところでしょうが。どんどん来てほしいものです。

我が研究室の学生達は、卒業旅行を計画しています。
行き先はヨーロッパだったりアメリカだったり。
皆で同じところに行くわけではなく、単独とか二人でとかバラバラなのですが、これは就職後のことを考えて、それぞれ目的地を設定している結果です。
単に旅行としてエンジョイしてくるわけでなく、学びに行くということです。偉いなぁ。
彼らは在学中最後の海外遠征を逃してしまいましたから、その変わりの何かを手に入れに行くのでしょう。

私はと言えば、今年の夏休みには、ついに念願のオーストラリア大陸縦断ツーリングを実行することにしました。
すでにレンタルバイクや飛行機の手配は完了しています。
こういうのはギリギリに動くとロクな事は無いですから、早めに動くに限ります。
というか、暇なときに飛行機の空き具合をチェックしてみたら、結構動きがあるというか、半年先でもうかうかしてると埋まってしまいそうな雰囲気だったので、予約してしまったのです。やはりコロナ開けの人の動きはダイナミックになってきているようです。

2019年の年末にオーストラリア縦断ツーリングを実行しようとしたら、現地の北部は雨期ということで、縦断目的ではバイクを貸してもらえなかったのす。雨期は道路が冠水して寸断されてしまうことが多いので。オーストラリア北部は熱帯なのです。
その時は、ブリスベンからメルボルンへのルートに変更しました。

で、今回は冬に実行ということです。ちなみに、南半球は季節が逆なので、日本の夏には現地は冬です。さらに言うなら、南半球では北向きの家は日当たりが良いので人気があります。

ブリスベンからメルボルンへのツーリングは、内陸部をグネグネ走って、7日間でざっと3,700kmでした。
今回計画している大陸縦断は、メルボルンから出発して、北のダーウインまで9日間で4,300kmくらいになりそうです。
メルボルンではなくアデレードから出発すれば最短距離で3,000kmで済むのですが、アデレードのオフィスが閉鎖してしまったため、メルボルンから出発すると800kmくらい余分に走ることになります。加えて、オーストラリアのど真ん中にあるエアーズロックに寄ると、さらに500kmくらい増えるわけです。

今から大変楽しみではあるのですが、例によってタフなチャレンジになるのは間違いないでしょう。

続けること

あなたは、ずーっと続けている何かはありますか?

私はバイクです。
その話をしましょう。
前もしたかもしれませんが
ちょっと違う話です。

16歳の誕生日に免許を取ってから
かれこれ40年
ずっと乗り続けてきました。

初めてバイクに乗ったときの楽しさといったら

楽しすぎて笑いが止まらなかったですね。

こんな面白い乗り物があるのか!
って感じです。

それ以来、レースしたりツーリングしたり
時として、ただの「足」だったり。

「趣味は?」
と聞かれれば
「バイク」
と答えるでしょうけど

正直なところ
あまり趣味として乗ってる気はしないのです。
気軽なホビーという意味ですけど。

でも、そんなに精神的に重いものではなくて
乗り続けるロンチックな理由があるわけでもありません。
何にせよ、今のところはやめる理由は無いです。

ずっと乗ってきて
ずっと同じ感情か
というと
決してそんなことはありません。

最初は単に面白い
から始まって

そのうち、自分の自由な空間を所有する感覚
自由に移動できる開放感
そんなのを味わって

その後はレースです。

レースは何だったのだろう?
デキの悪い自分の存在証明?
単に面白かったってのはあったかな。
スポーツですしね。

でも、レースは深い世界です。
技術や体力、センスだけではどうにもならない。

まあレースに限らず
何でもそんなものなんでしょうけど。

その後はツーリングにボチボチ行くようになって

最近ではすっかりレースはやっていません。
完全にやめたつもりは無いけど。

今は1日で1500km走るとか
変なチャレンジのための道具になってますけど
まだまだこれで終わるような気はしない。

それはそうと
なぜバイクに乗り続けてきたのか
理由の一つは
危険だから
でしょうね。

タイヤが2コしかないのだから
基本的に不安定で
身を守るものがないのだから危険です。

それが自由な感覚とのトレードオフでもあるのでしょうけど。

私は
危険な乗り物をちゃんと乗れば
むしろ安全なのだ
という一見無茶な持論を持っています。

危険な乗り物で
危険を回避するための努力をし続けて
自分のコントロール下に置けていれば
安全なクルマで
危険に対して無頓着で乗っているよりも安全だろう
という考えです。

そんなの屁理屈だ
というのは百も承知なのですけどね。

レースだって一緒なのです。

誰もクラッシュしたくてレースなんてしません。
転倒したら一等賞は取れませんから。

なので、自分のパフォーマンスを向上させつつ
ちゃんとコントロール下に置く
という成長をし続けないと
街乗りだってレースだって危険なのです。

そういう努力が必要で
うまくいったら気持ちいい
そういう満足感が欲しいのだろうな
なんて思ってます。

もちろん
景色を見たり
美味しいものを食べたり
大好きな船に乗ったり
単に遠いところに行けたという満足感があったり
そんなのもありますね。

でも、どれか単品では物足りない。
それらは、バイクというベースに乗って
はじめて楽しめる
といった感じなのかな。
そんな気がしてます。

色々考えたり
理屈を並べたりしましたが

結局のところ
良く分からないのですよ。

好きなことに理由が要るのか?

私は無くていいと思います。
理由が無ければ崩しようがないから。


1Dayチャレンジの装備

あらかじめ決めた時間内に遠い目的地に到達するために、どのような装備を使っているかを紹介しておきましょう。

バイクに乗っていると気象の変化の影響は大きいのですが、バイク本体は特に何もできないのでライダーのウェアで対応するしかありません。
あ、グリップヒーターはあります。あれはいいですね。

ウェアで対応する対象は、主に気温と雨で、これらの変化に対応する手間を省いて時間を節約するのと、快適性を確保して気持ちの余裕と体力の確保をしています。

個人的に一番こだわっているのはグローブとブーツだったりします。
グローブは大抵、複数種類持っていって、そのうちの一双は防水のものです。
今回であれば、電熱、防水、夏用と三種類。
ブーツは年間を通して防水のものを使用しています。

昔は雨用のオーバーグローブやブーツカバーを使っていたのですが、操作性が非常に悪くて難儀しました。
個人的には、危険ですらあると思っています。

バイクの場合、一般的に手による操作は
アクセル、ブレーキ、クラッチ、ウインカー、ライト、ホーン
ですが、今乗っているバイクだと、これに加えて
クルーズコントロール、サスペンション特性、エンジン特性、グリップヒーター、ABS、メーターの表示切り替えが2つ、ハザードランプ
とこんなにあります。
「そんなに要るの?」
とお思いかもしれませんが、走行中は結構色々操作しています。
暇なのもありますし。

なので、グローブが操作性の良い防水になっただけで、手間は省けるし操作性は良いしで、かなり快適になるのです。

ウェアも基本は防水です。
燃料を給油したら一度に200~300km走るので、その間に天候はかなり変わります。
加えて、高速道路を中心に移動するので、走行中に雨が降ってきても、すぐに停まってレインスーツを着たりできないのです。もちろん時間も節約したいですし。
なので、天候が変わっても走り続けられる装備を重視しています。

ある程度気温が高ければ、薄手のライディングジャケットとパンツで。
ゴアテックスなんかは最高ですね。
さらに気温が上がってくれば、ベンチレーションを開けたりして対応しますが、真夏などはメッシュのジャケットを着たりするので、この場合は雨が降ったらレインスーツを着るしかありません。

気温が低いとき、今回の納沙布岬などはまさにそうなのですが、そんな場合は電熱服です。
バイクに乗らない人は聞きなれないアイテムでしょう。
バイクのバッテリーから電源を取って結構快適に走れます。
電熱のジャケットとパンツに加えて、同じく電熱のグローブとインソールを使えば完全防備です。今回はこの仕様で行きました。それでも寒いときは寒いのですけどね。

この場合難しいのは、昼は暖かくて夜は寒いとか、暖かいところと寒いところを移動するといった場合です。

電熱服は、基本設計が冬用のウェアなので、電源を切っていてもそこそこ暖かいのです。

4月末~5月の埼玉は、夜中といえどもそれほど寒くはなくなってきました。
ここを出発して、最初に止まるのは宮城県の菅生、深夜だとそこそこ寒いです。
なので、出発時は気温に対して過剰な装備になって暑いわけですが、これは仕方ないですね。

往路は夜中に出発して北方に移動していくので、防寒の装備中心で問題無いのですが、復路は茨城の大洗港に上陸して関東を走るので、そのままの装備だと暑すぎます。
5月連休の時期だと夏日になることもあるので、夏の装備を持っていって、帰りは防寒装備を収納して積載することも考える必要があります。
積載能力に制限があるバイクでは、こういったところも考える必要があります。

自分がバイクに乗り始めた頃に比べれば、バイク自体の性能も機能も向上しているし、ウェアを含むライディングギアも同様です。

昔は1日に300kmも走ればヒーヒーいっていたのが、今では1日に1500kmも走れるということは、バイクや装備と人間のパフォーマンスを合わせればトータルの性能は5倍になっているということですね。
そんな単純な話ではないかもしれませんし、何でも数値化するのはどうかと思いますが(笑)

でも、やはりバイクは結局バイクなわけで、基本的な部分は変わらない気がします。

色々面倒なところや、タイヤが2コなので一定のリスクは払拭できないところなんかは変えようがないのでしょう。

そういったところも含めて楽しめれば、自分を成長させてくれる良いツールになると思っています。