「バスに乗り遅れるな」
とか言うけど、ちょっと違う。
何というか…
目の前に「チャンス」という名のクルマが停まる。
死神が乗った軽トラか
幸運の女神が乗ったリムジンか
それは分からない。
音もなく停まるかもしれないけど
けたたましいスキール音とともに停まるかもしれない。
それに乗り込むと
死神がリスクと引き換えに
ハンドルを預けてくれるかもしれないし
幸運の女神の隣に黙って座っているだけかもしれない。
そもそも
停まったことすら気付かないかもしれない。
気付こうが気付くまいが
ドアを開けなければ
それは、あっという間に去ってしまうし
ドアを開けても乗り込むのを躊躇しているうちに
やはり去ってしまう。
去ってしまうのを見送るたびに
黙っての過ごすのが習慣になって
いずれ気にも留めなくなる。
チャンスに気付くためには
視野の広さと嗅覚が必要で
掴むためにはスピードと勇気が必要。
最初はうまく運転できないかもしれないけど
初心者なんてそんなもの。
なんでも、何度も乗らないと
うまく運転できるようになんてならない。
「自分にはまだ早い」
「リスクが大きい」
なんて思っていると
そのクルマは
もう現れることはない。
そんな感じです。