最近のバイク CRF450Rその6

その1その2その3その4その5に続き、今回は外装部品です。

ラジエータの横に付いているカバー、ラジエータシュラウドです。
材質はポリプロピレン。

表面のグラフィック、昔はデカールでしたが、今は違います。
シールを貼ったものではなく、部品の表面と一体化しています。
一体どうやっているんだろう。
型に樹脂を注型する時点でグラフィックのシートを仕込んでるのかな。
※2020年12月8日追記:やはりシートを仕込んだうえでの注型のようです。フィルムインサート成形というそうです。

これならペロッと剥がれることは無さそうですね。
しかも美しい。

裏側はこうなってます。

大きく赤い部分と黒い部分から構成されているのが分かりますね。

接合部分のアップはこうなってます。

2色の樹脂部品がはめ込まれているわけではなく一体化してます。多色成形ですね。
これなら激しい使い方をしても分離してしまうことはないでしょう。

技術の進歩は凄いなぁ。

チャレンジし続けるチームのつくりかた

常にチャレンジし続けることができるチームには何が必要でしょうか。
チームではなく個人を対象としても同じでしょうけど。

世の中が大きく変化しようとしている今だからこそ
これを考えておく必要があるでしょう。

というのも
環境が変わっているのに自分達が変化しなければ
それは相対的に低下していることになるかもしれないからです。

変化する世の中への適応も重要でしょうけど
より向上するためにも変化は必要です。
少なくとも今のままではダメです。
面白くありません。

こういうことに対する決定的な答えは無いのかもしれませんが
ちょっと考えてみましょう。

大事なのは変化することです。
もちろんそれは現状からの変化です。

必要なことは

なぜ変化するのか
どう変化するのか
いつ変化するのか

といったところでしょうか。

「なぜ変化するのか」
これは最も大事なポイントかもしれません。

時代に取り残されるから?
それによって恐ろしいことになるから?
それはもっともかもしれませんが
そういう動機ではうまく行かない気がします。

なぜって、動機が「恐怖」だから。
この動機に従って行動して得たいものは「安心」でしょう。
それが得られれば恐怖を感じることはないので
その先に行く必要はなくなります。
ところが、そのためにやることが
100%うまくいくことはないでしょうから
結局は「安心」にすら到達せずに終わります。

それに残念ながら恐怖にフォーカスしてしまうと
それが実現してしまうことが多いのです。
皮肉なことですが。

なので、夢とか明るい未来とかが動機だとどうでしょう。
これなら良いんじゃないでしょうか。
ワクワクすることを動機にしましょう。
夢だからこの時点で完璧である必要はないんですよ。
夢は未来でしょう?
まだ起きていないのに完璧なんてありえませんから。
妄想でも良いんです。

次に「どう変化するのか」
これは難しいかもしれません。

なぜって、答えが無いから。
やってみないと分かりません。

それに、少なくとも現状ではダメだということを
認めなければなりません。
自己否定ですよ。そりゃキツイですね。
でも
それをやらないと現状に安住する理由ができてしまいます。

ではどうしましょうか。

どうせ正解は無いんだから
考えて、やって、評価して…とグルグルするしかないでしょうね。

でもここで問題発生。

考えるにせよやるにせよ
我々の中の正解追求システムや失敗回避システムが発動してしまうのです。
間違えたくない
怒られたくない
無駄なことしたくない
ってやつです。

なので
生真面目な者ほど正解が出るまで考え続けてしまうし
失敗を回避するために実行を先延ばしにします
で、時間切れになる。

皆が認めるグレートヒーローの
故スティーブ・ジョブズやイーロン・マスク
彼らは失敗なくやり遂げたでしょうか。
そんなことはありません。

成功する前は
ホラ吹きの馬鹿野郎と思われていた時期があったことは皆さんご存じの通り。
ほら、分かりやすい見本があるじゃないですか。

でも実行するのには勇気が必要でしょうね。
間違えて
失敗して
怒られたり
笑われたり
無駄になったり
するかもしれませんから。
頑張ってもすぐには報われないことがほとんどです。

間違えたくない
失敗したくない
怒られたくない
笑われたくない
無駄な労力を払いたくない

どれか捨てませんか?
全部捨てられたら最強かもしれません。
どうせ我々の小さな手のひらの上には全ては載りませんよ。
「成功」を載せたいならなおさらです。

こんなふうに色々考えると
「ひょっとして勇気があれば何とかなるのか?」
と思いませんか?
私はその通りだと思います。

チームで変貌を遂げるなら
失敗を恐れずにチャレンジできる環境をつくることがカギになるでしょう。
夢を語れる
ダメかもしれないアイデアを出せる
ダメかもしれないけどチャレンジできる
失敗についてポジティブに話ができる
とか。

今こそ頑張るためのセーフティネットづくりが大事なのかもしれません。
何かと余裕がないこのご時世に難しいのは承知です。

最後に「いつ変化するか」
正解はもう分かっているでしょう。

「今」ですね。

諸行無常

最近のバイク CRF450Rその5

その1その2その3その4に続き、またまたまたまたCRFです。

今回はブレーキローターです。

いわゆるウェーブディスクですね。
フロントも同様の形状です。

外径が旧来の円形状ではなくギザギザしてます。
見るからに軽そうですね。
最近のスポーツバイクでは良く見るようになってきました。
最初にやったのは、アフターマーケットパーツメーカーのBRAKING社だったかな?
違ってたらすみません。

メリットは何といっても軽量で放熱性が高いという点でしょう。

ブレーキは、マシンの運動エネルギーを熱エネルギーに変換して大気中に捨てる装置ですから、放熱性は設計のキモです。

あと、回転する部品の軽量化はジャイロ効果を低下させるので、運動性能向上に効きますし、ブレーキローターはバネ下部品なので路面追従性も向上させます。

こんな特性を持っているのでレーサーやスポーツバイクには最適でしょうね。
デメリットとしては、生産コストと寿命ってとこでしょうか。

ブレーキローターを設計するときに、よく冷却やパッド表面のクリーニング効果を狙って穴を設定しますが、この位置には注意が必要です。
写真のローターにもいっぱい開いてますね。

穴位置を均等ピッチに配置すると、ブレーキをかけたときに「ピュー」って音が出ちゃうんですよ。
なので、わざと均等ではない位置に穴を設定します。

なんでそんなこと知ってるのかって、そりゃそういう設定のヤツに乗ったことがあるからです(笑)
一般的に市販されてる乗り物で、そういう設定になってるのはまずあり得ないでしょうね。

あ!でも、昔のロードレーサーは均等ピッチの穴開きローターがあったはずです。
今、これを書いていて思い出しました。
サーキットのストレートエンドで、「ピュー!」「ピュー!!」って鳴ってました。
あれはあれで格好良かったなぁ。

本学チームの学生が設計したマシンも不等ピッチで穴位置を設定してあります。

同じ理由で、タイヤのパターンも設計されてるんですよ。
回転方向に対してブロックの長さは微妙に不均等になってます。
そうしないと「ウィーン!」ってロードノイズが出ちゃうから。