やりたいことをやっていれば

やりたいことをやっていれば
大抵はうまくいくんじゃないでしょうか
なんて思っているのです。

でも、これには前提があって

「やりたいこと」は
あくまで本人がやりたいことであって
周囲がやらせたいことではない
ということ。

「やっていれば」は
やらされることではなくて
やらされている時のやり方でもなくて
自分の意思でやって
継続するということです。

これらは当たり前のことなのかもしれませんが
意外とそうなっていないことがあったりするものです。

習慣による無意識の行動によって
自然と「やらされる」時の
やり方や考え方をしてしまう
そういうのは良くあるケースです。

「うまくいく」という評価は
自身の満足度でも
他との比較でも
他からの評価でも
何でも良いのですけどね。

ただ
他人と比較すると苦しくなる
とも言いますね。

それは確かかもしれない。
けど、それでも良いのかもしれません。

苦しければ苦しいなりに
得られることや
気付くこともあるわけで
そういう環境でやってみるのも良い経験です。

レースなんかは、まさに他との比較ですからね。
それがダメなのかというと
そんなことはありません。

それでしか得られないことや
それによって気付くこともありますから。

H3ロケットに思う

H3ロケットの打ち上げ失敗は残念でした。
どうやらH2までは試射をしていたようなのですが、H3はいきなり本番だったのですね。
自動車業界で言うところの「試作レス」というヤツです。

今回の結果について色々意見はあると思いますが、誰も失敗したくてしてるわけじゃないし、万全を期して望んでいると思うのです。
でも失敗は起こります。

万全を期しても失敗は起こる。
なぜかというと、失敗とは想定外だからです。

やってみなければ分からないこと
これはすなわち想定の外にあることなわけで
それを想定しろというのは大変難しいことです。

今回のような新型ロケットは新しいチャレンジなわけで、やってみないと分からないことだらけなのでしょう。
それらを何とか想定しながら開発を進めるのだけれど、とはいえ「想定に基づいてやる」ということは可能性の話なわけで、最終的にはやはり「やらないと分からない」というところに行き着くと思います。
そういうのを繰り返しながら技術は進歩していくわけで、そういう意味ではH3ロケットは、新たな一歩を踏み出したわけですね。
ひょっとしたらそういうのは、便利で豊かな生活の弊害と言えるのかもしれませんね。

物心がついたときから出来の良い工業製品に囲まれて、自らものを作らずとも、お金を払えば完璧(と思える)製品を難なく手に入れる生活をしていたら、こういう失敗に対して簡単に批判したり悲観的になったりするのかもしれません。

日本のロケットというと、大したことないのだろうなんて思われがちかもしれません。実のところ私はそう思っていました。
が、実はロシアのソユーズより大きくて能力が高かったりするので結構なものなのですよ。
なので恐らく能力的には有人の打ち上げは可能なのでしょうね。飛行特性とか本体や付随の設備的には難しかったりするのかもしれませんが。

あと興味深いのは使用された部品です。
H3では自動車用部品を使用したとのことです。
単に量産部品を流用したわけではなく、高いレベルの検査や試験の基準をクリアした上での採用となったとは思いますが。
これまで自動車業界、ことレースの世界においては、航空宇宙のテクノロジーを利用するのがよくある話でしたが、それが逆の流れになったわけですね。目的はコストダウンでしょうけど。
それにしても、この流れは興味深い。
技術は高いところから低いところへ流れるものですが、今やその高低の基準がコストということになっているわけですね。
加えて、日本の自動車業界の技術レベルは、今や宇宙機に採用されるレベルになっていると。

打上げを見た長谷展望公園の出店で入手したしおり

ロケット本体に、NIPPONではなくJAPANと文字が入ったのはH3からなのだそうです。
国際的な営業効果を考えてのことのようですね。
だからこそ低コスト化が競争力として重要だということです。

次回こそ成功して欲しいですね。

2023種子島遠征 第10日

あっという間に終わってしまった種子島遠征ですが、何度も来ている上に今後も毎年来るだろうから、特に感慨深いものは無かったりします。
来年も楽しみだな、とは思いますが。

さて、今回のイベント「種子島ロケットコンテスト」ですが、町おこしイベントとして順調に回を重ねています。
400名を超える学生の参加者をコンスタントに集める町おこしイベントなんてそうは無いのではないかと思うのですが、どうなのでしょうか。
ロケット発射場がある種子島の南種子町で、ロケットのコンテストをやるという発想自体、夢があって素晴らしいと思います。

こんなイベントを毎年やっている南種子町は凄いなと思う一方、日本の各地の自治体だって、きっと本気になればかなりのことができるのではないだろうか?なんて思ったりもしています。過疎化とかで致命的なことになる前に何かしら手を打つべきでしょうし、そうでなくとも地方の活性化は国全体の活力に繋がっていくでしょうから。

で、このイベント、そもそもは手作りの小型ロケットのコンテストがメインだったと思うのですが、近年では模擬惑星探査機のCanSat(カンサット)の参加者が多くなってきました。
宇宙系のものづくりイベントは、聞こえは夢があって楽しそうですが、CanSatを作るとなると、かなり大変な作業です。
そういう世界に学生達が引き込まれるということは、恐らく学生達の未来にとって、「宇宙」があまり遠くない存在になってきているということでしょう。

この現状は、恐らくJAXAの皆さんの広報活動などが、かなり効いているのだと思います。
ひと頃、宇宙開発の予算が削減された時があって(今も?)、その時にJAXAに見学に行ったのですが、研究内容のアピールにかなり工夫を凝らして頑張っておられるのが良く分かりました。少しでも多くの国民の理解を得るためということでしょうね。

その他にも日本人宇宙飛行士の宇宙ステーション滞在とか、ハヤブサのサンプルリターンとか、話題には事欠かないわけで、それらは全てJAXAをはじめとする宇宙関係の仕事をしている皆さんの努力の結果です。

そういった努力は、若者達が宇宙を目指す動機として確実に影響を及ぼしていて、宇宙系のイベントに参加する学生数の増加などに繋がっているのでしょう。
もちろん他にも漫画とか映画とか、各種メディアでの露出などもきっかけにはなってはいるでしょうけど。

さて、コータローも、そういう情況にまんまと乗せられたクチなのでしょうけど、回を重ねるごとに進歩が見られるわけで、これは相応の努力の結果です。
私が言うのも何ですが、かなり頑張っています。
それもこれも、強力なモチベーションの源泉が「宇宙への夢」にあるからなのでしょう。

そんな彼らを見て思うのですが、企業活動で利益を追求するのは大事ですが、目先の実利ばかり追求していると、当然夢は無くなるわけで、夢の無い世界に高いモチベーションを持つ人間は集まりません。
そして結果として、次世代を担う人材を確保できなくなってしまう、ということになるのではないでしょうか。

あ、これは学校も同様ですね。
頑張らないと!