仕事の価値とマインドセット

言われたことをやったところで
皆がやっていることをやったところで
それでうまくいくという保証はありません。

確かなのは、言われたことや、皆がやっているなら、独自性や希少性は無いということ。
それをやっても喜ぶ人はいない…

いや、いるか。

親や先生は、言われたことをちゃんとやってくれたら喜ぶだろうね。
学生は、そうやってトレーニングされていくものだ。

今回言いたいのは、社会に出てからのこと。
社会に出たら、仕事をするわけでしょう?
自分で何かしらの価値を作って、それを他者に渡す。
そして対価を得る。

もちろん、渡した価値に対して相手が喜んでくれたら良いわけで、その喜びの大きさが価値の大きさなわけです。

言われたことをキッチリやったら、その成果は要求を満たしたってことになる。
その成果で相手がどれだけ喜ぶか?
どう思いますか?

安心はするかもしれないけど、恐らく大して喜ばない。
要求を満たすのは最低限のことだから。

分かりやすい例として、コンビニで買い物をしたとしましょうか。
欲しいものが買えた。
店員さんはマニュアル通りの対応。
あなたはどれだけ嬉しくなるだろうか?

それに対して、嬉しくなるような買い物をした経験もあるでしょう。
それは商品の持つ価値だったり、店員さんの対応だったり。
それこそが価値です。付加価値と言った方が良いかな。
そしてそれらは「最低限」ではなかったはずです。

実はあまり知られていないかもしれないけど、会社員だって同じです。

私が部下の給料の査定をするときに、ボスから聞いて知ったこと。
基本的には、与えられたタスクをこなすだけではプラス評価にはできない。
やって当然のことをやっただけに過ぎないから。

もちろんマイナスじゃないですよ。
でも、プラスにはできない。
まぁそりゃそうだ。
と、その時知りました。

しかし残念なことに、「仕事は言われたことをやるもんだ」という固定概念がはびこっています。

これは給料の話ですので
「別に特別沢山お金もらう必要なんてないもんね」
となるかもしれません。

しかし、評価されない仕事を、言われたことを我慢しながら何十年も続けて大丈夫そうですか?
やり甲斐を持って仕事をするなら40年以上楽しめる可能性があるのに。

じゃぁ面白そうな仕事を探さなきゃ!

それは大事です。
が、やってみたこともないことなんて面白いかどうかなんて分からないし、実際やってみたら想像と違っていたなんてこともザラにあります。

なので、基本的には好きな分野を選ぶべきだと思いますが、大事なのは自分がやっていることを面白いものに変えていくことだと思います。
言われたことをやるだけでなく。
それで他者を喜ばせる。
その様子を見た自分も楽しくなりますよ。

しかし残念ながら、学校の授業ではそういった経験はしにくいです。
そもそも言われたことをやるのが基本で、そういうことができるシステムになっていないから当然ですが。

しかも学校では、やらなきゃいけないことが多すぎて、余計なことをやりたくないとか、そんな余裕は無いとか、そういうことになりがちかもしれませんね。
そういうやり方に飽きちゃってるかもしれない。
それで受け身で最低限のことをやるマインドセットになってしまう。

なので、好きなことをできそうなフィールドを探しましょう。
将来、組織で仕事をするなら、チームでできることが良いですね。
そこで一所懸命やる中で、ものごとを面白く変えていく経験をしましょう。
そして積極的に最大限のことをやるマインドセットを作りましょう。

それができれば、恐らくどんな仕事をしても面白くできて成果が出せます。

人は誰しも環境の影響を受けます。
なので、仕方ないことも多いのです。

でも、現状の問題を認識したら、その先どうするかは本人の責任です。
というか、自由です。

自由は責任を伴いますので、当然リスクが発生します。
しかし、現状の問題を放置してもリスクは発生します。

どちらを取るかは自分次第。

教育のパッケージ

基礎的な知識も大事なのだけど、高いモチベーションを保つなら、実践ベースで学んで、そこから必要なことを明確化して、それぞれを学ぶってのが効果的なはずだと思っています。
Formula SAEをやってる連中なんて、まさにそのやり方で高いレベルの実践的な知識とかスキルを手に入れています。

理工系の機械系であれば…

考えて、作って、試して、改善して、というサイクルを回してみると、強度計算の重要性とか、図面の重要性とか、本当の実験のやり方なんかが分かるでしょう。

品質とか商品性とか、ブランドの価値とかマーケティングなんかも知っておくと、「良いもの」って何だ?とか、なぜ良いものを作る必要があるのだ?なんてことも分かるはず。

将来は組織で仕事をするなら、チームビルディングとかも良いだろうし、アイデアの出し方とか、そもそものものごとの考え方について学ぶとかも良いでしょう。

近年では、大学がベンチャー企業の立ち上げを推奨したりしているので、会社の設立方法とか会計の知識とか、そういったことを学べるチャンスもあっても良いのではないかな。

ネタは尽きませんが、大事なことがあります。

こういったことをいわゆる従来の授業方式で細かい最小単位の「手段」からやったら、恐らく今と大して変わらない結果になるかもしれません。

「目的」とか「ゴール」を見えるようにしておいて、「そのために」と思えないとうまくいかないでしょう。
面白くもないものに自発性は発揮できないし、アイデアなんて出ませんもの。
少数のお勉強が得意な人はそうでもないかもしれませんが、その他多くの…恐らく80%くらいの人は、魅力あるゴールが無いと頑張れないのですよ。

試行錯誤できてるかい?

最近めっきり聞かなくなった気がしますが、試行錯誤という言葉がありますね。
いわゆるトライ・アンド・エラーです。

想像したり仮定したりして試してみて、その結果で評価・判断して、次のトライに繋げていき、ゴールに到達するといったような、プロセスを表す言葉です。

学校の学習では、正しい答えを求めるものであって、あまり試行錯誤を要するものではありません。
トライ・アンド・エラーの「エラー」はダメなことです。
正解のみが評価されるので、プロセスは関係ありませんから。

でも、プロセスは考え方なわけで、そうなってくると考え方を構築できないってことになっちゃいますね。

トライ・アンド・エラーができない環境で過ごしていれば、「正解は何か?」という考え方になるわけで、そうなって当然です。
最適化とか、現状ベストとか、開発する上で必須の考え方も身に付けるのは難しいでしょうね。
そして当然ながら答えが出ればOKなので、改善といった概念は不要です。

むしろ、正解を出せばOKな世界なら、最適化とか改善とか、そんな面倒なことをやりたいとは思えないでしょう。

そんな事を考えていると、夢工房の環境は貴重だよなぁ、なんて思うのです。
実績で考えるなら、まだまだ改善の余地はあるのですけどね。
そう、環境自体を試行錯誤しながら改善する日々。
これを止めないことが大事なのです。