大事なことは何だろう?

ちょっと前に記事にしましたが、哲学者カント曰く、徳の無い利己的な行為とかは「悪」なのだそうです。
皆がそれを継続的にやって、社会がうまく回らないようなことは「悪」だと。

うん、なるほど。

確かに利己的な考えや行いは良くない。
誰もその恩恵を受けられないのは当然だし、それは持続不可能だから。
持続不可能なら、最終的には第三者が何とかしなければならなくなる。

で、利己的とは、自分の利益ばかり見てるわけですけど、その「自分」はどこまで考えてるの?というのも重要だよなぁ、なんて考えたりもするのです。

自分自身、ただ一人ってのが基本形でしょうけど、自分が属している組織だけどか、そういうこともあるでしょうね。
組織と言っても、大小あるでしょうけど。

一体どこまで拡大して考えると「徳」に変わってくるのでしょう?

…なんて考えたりもしますけど、まぁ結局は、自己の利益より他の利益を優先するのが「徳」なわけで「善」なわけです。

当たり前で、とてもありがたいことですね。
で、それは大事なこと。

学校では、知識とかスキルとかを身に付けるために学ぶわけですが、それは一体何のためになるの?ってのは、クリティカルに重要なのだと思うのです。
特に我々技術系の人間にとっては。

だって、技術に善悪は無いのですよ。
それをどう使うかによってそれは決まる。
もちろん技術の持つ価値もしかり。

カントの哲学から言うと、自分が食うための技術は「悪」なのだろうか?

そんな気もします。
が、自分が食うためには、対価が必要で、対価を得るためには技術に価値がある必要がある。
その価値は他人が決めるわけで、結局は、どうやって人様を喜ばせるのか?という話になりますね。

となると、人を喜ばせるには何が必要か?とか、そのために技術をどう使うべきか?とか、そういったことが大事になるのですよね。

技術屋さんは、面倒で大変なこととをすることによって、自分がリスクを取ってお客さんを喜ばせたり、驚かせたりするために頑張るわけで、それは「善」だぞ、なんて思ったりもします。

そんなことを考えていると、ものを作るって実に深くて面白いよなぁ、なんて思うのですよね。

謙虚であるということ

先日、トイレに入る瞬間にふと思いました…いや、トイレはどうでも良いですのけどね。

成長する上で謙虚さは大事だと言われます。
それはなぜか

単に、威張っておらず腰が低いとか、人当たりが良いとか、そういったことではありません。
まぁ、そういうのも大事なのでしょうけど。

謙虚であるということは
「自分はまだまだである」
ということだ。
これだな、と。

では、何に対して「まだまだ」なのか?

それは、ゴールをセットして、そこに至る道のりを考えた上で「まだまだである」ということ。

つまり、自分が成長すべき目標に対して、そこに向かうべく努力しているのだけど、まだ到達していないという、到達点の高さと諦めていない現状。もちろん現在進行形。
これが謙虚さだな。
なんて思ったのですよ。

だってね、ゴールが極端に低いとか最低限であるとか、そもそもゴール設定できていない状態で、そこに向かう意思すら存在していなければ、それは「まだまだ」じゃなくて「ダメダメ」でしょう。

もちろんゴールの設定は、自身の価値観に基づいて行うことなので、他人にとやかく言われるものではないと思いますけどね。

あと、自信が大事でしょうね。
これは、自分を信じるということなので、「自分はまだまだであるけど、きっと何とかなるはずだ」ということです。

とかなんとか書いていると、あぁ、だから信仰を持っている人は強いのか。なんて思ったりもするのです。

バカになれるかい?

たまに聞くことありませんか?
「バカになれ」
とか。

これね、意外と深いですよ。
「バカ」ってどういうことなのか?というところがポイントなのですけどね。

「バカになれ」という字面を見て浅く捉えるなら、いわゆる馬鹿げたことができるか?面白いことをして周囲を楽しませることができるか?みたいな感じに捉えられるでしょう。
そういうのも大事ですけどね。

戦略的な捉え方もできます。
本当に大事なもののために、優先順位の低いものを切り捨てるという捉え方です。

人の力には限界があるので、色んなものに労力をかけたら、それぞれのレベルは上げられません。
本当に優秀な人は、そういうことができちゃうのかもしれませんが。

でも、誰しも一点突破で力を集中したら、結構なことができるはずなのですよ。
トレードオフが発生して、本当に重要なことを掴める可能性が高くなります。

学校や家庭で「あれもこれもできるように」と教育されているので、あれもこれもやらなければいけないと思い込んでしまいます。

それに、基本的に人は何かを手放すのは怖い。
特に多くの人が「普通に大事にしていること」を手放したりするのは勇気が要ることで、普通の人からそれを見たらバカみたいに見えるかもしれません。
やらないことを決めるのも戦略上大事なことです。

それができるなら、大きな強みになると思いませんか?

大抵の人はそれができないのですよ。
だからこそ「普通」なのですけどね。

そして、その普通の状態から脱するのは勇気が要ることです。

「普通」をキープしたまま「何か特別なことはできないかな」「特別なことをするにはどうしたらいいのかな」なんて思ったりしがちなのですけど、それは普通じゃない「バカ」から見たらバカなことなのかもしれません。