手段と目的とライバルと

夢工房の1年生達が燃費競技車両(エコランカー)の開発に着手しました。
リッターあたり1,000kmも2,000kmも走っちゃうようなクルマです。
いいぞ!いいぞ!!

決められたコースを決められた平均速度以上で走って燃費を競うこの競技
意外とエキサイティングなのです。

主流の走り方は
加速した後に、エンジンを切って惰性で走行
速度が落ちてきたら再始動して加速
そんなことを繰り返すのです。

車体は手作りで、各チームそれぞれ趣向を凝らしていますが
基本はあらゆる走行抵抗を低減した
軽くて小さな車体

加えて、夢工房の連中がこだわり続けているのは
軽くて高剛性な車体とパワフルなエンジンです。

一気に加速して
エンジンを始動している時間を限りなく短くする
という戦略です。

これ、かなりストイックなレーシングカーです。
燃費競技というと
のんびりトコトコ…というイメージがあるかもしれませんが
全く違います。
熱いです。

マシンの構造やオペレーションは
上級生達がやっているフォーミュラカーを上回る
ストイックさとシビアさ
かもしれません。

徹底的に無駄をそぎ落として
ワンミスで燃費が数百キロ変わってくる世界です。

さて、そんなマシンづくりに関わり始めた1年生
どんな風にアプローチしはじめたかというと

まずはマシンの一部分
「こんな部品を使ったらどうだろうか」

まずはコースの一部分
「ここが難しそうだ」

そんなところからです。

まぁ、普通はそうなるのかもしれません。
特にメカ好きの工学系少年で
真面目なコならなおさら当然かもしれない。

最初から正解やキーポイントを探そうとします。

でも
初めから細かいところを見ちゃいかんのです。

初めに細かいところにこだわっちゃうと
当然ながら、その後はその細かいことを中心に組み上げられていきます。

結果どうなるかというと

「こんなふうになっちゃった

というものができあがります。

さらに、最初に目に付くキーポイントというのは
ライバルにも見えていることが多いので
そういう入り口から入っていくと
皆、似たようなところにたどり着きます。

そうなると、いわゆる優秀な人とか
実績のある者には敵いません。

この細かいところから入るというのは
「手段」を固定化している
ということです。

手段を固定してしまったら
それによって得られる結果(本来の目的)は制限されます。
というか、ゴールは出来なりになってしまうわけで
そもそも目的が無くなってしまうのですね。

そういう状態でライバルと戦うのは無理があります。

というか
そういうことを考えているときって
大抵はライバルが視野に入っていないことが多いですね。

それじゃ勝負になりません。

とまぁ、こういうことを体験すること自体が学びだと思うので
まずはこれでも良いのです。

そこからどうしていくかが重要で
変化とか勇気とか工夫とか努力とか…
彼らの成長に欠かせないエッセンスを手に入れるプロセスが始まるのです。

これ、機会があれば続編を書いてみますね。

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