アンチフラジャイルという考え方

以前から
「失敗からしか学べない」
なんてことをさんざん言ってきたわけですが…

その本質が分かる面白い本を見つけました。

ナシム・ニコラス・タレブの著作、「反脆弱性」(原題:Antifragile: Things That Gain from Disorder)これは上下構成の上巻。
2017年に出版された本なので、すでに出版から9年経っています。

私のネット上での検索結果やら、見ているサイトの履歴やらを元に、この本についての情報が提供されたのだとは思います。
最近考えていることに対して、ドンピシャの内容。

簡単に言うと、不確実性や混乱、ストレスから“利益を得る”ものの性質を説明した本です。
分かりにくい?

普段、私がブログのネタにしている「失敗」についての考え方が分かりやすいのだけど…

失敗という出来事に対して脆弱なのは「脆い」(フラジャイル Fragile)ということ。
失敗の衝撃や不確実性で壊れる。

それに絶えられるのは「頑健」(ロバスト Robust)ということ。
失敗の衝撃に耐える強さはあるが、変化で強くはならない。

大抵は、この二つの物差しでものごとを測るのだけど、ここに「アンチフラジャイル」(Antifragile)という概念を持ち込みます。
ちなみにAntifragileは著者の造語です。

これは、ストレスや失敗、不確実性によって進化する(強くなる)といった考え方。
例えるなら、筋肉みたいなものです。
高負荷で筋組織が破壊され、筋肉痛になるけど、その後は強くなる
というような感じ。

現在、50ページを超える長い目次とプロローグを読み終えて、やっと本編に入ったところではあるけど、「なるほど。そうだよなぁ」と思うことしきり。
新たな発見と言うより、確認作業みたいになっていますが、もちろん私より遙かに博識な著者が書いているので、大変勉強になります。

よく「小さな成功体験が大事」とは言われます。
確かにその通りとも思うけど、どこかに違和感を感じていました。

だって、成功は気持ち良いけど、そこから学ぶものはほとんど無いのですよ。

失敗しないための行動や、リスクの排除、知識の習得のみに専念することが、いかに人の成長に貢献せず、脆弱にしてしまうか。

言ってみれば
「小さな成功体験」よりむしろ
「小さな挫折体験」が大事で
そこから何を学び、どうするかが成長の鍵だな
なんて思いながら読み進めています。

すぐやるために

何度も記事にしていますが「すぐやる」の話です。

先送りしたものは、常に心のどこかに引っかかって、心理的なリソースを喰い続ける。
すると、ますます億劫になって、できなくなる。
ストレスとは時間と共に蓄積していきます。

なので、できることはすぐやってしまうことが重要。

やるべきことのハードルが高ければ、壁が厚ければ、一気にやっつけるのは難しい。
なので、そういう場合は「できること」には分類されず、先送りになる可能性が高い。

ではどうするか?

一つは、難易度が高いものでも、その中からすぐできそうなことを抽出するとか、概要を単純化するとかして、手を付けられるものだけでもやってしまう。
それだけでもかなりストレスは変わってくるので、その後の行動が変わります。

もう一つ。
これは考え方の問題。

「やる」となると、まるでテストの問題を解くように「正解」でなければならない
と思っていないかな?

別に良いのですよ。
一発正解じゃなくても。

まずやる
間違えても、低レベルでも良いからやる。
そして、その結果を観察して評価する。
結果としてダメだったものは仕方ないので、次はどうするかを考える材料にする。
そんな感じで良いのです。

とにかく手を付けてしまえば、やる前よりは確実に前に進んでいるわけで
状況は良くなっていることがほとんど。
少なくとも、精神的には楽になっていたりするものです。

良い結果が欲しければ、リファインを継続すれば良いだけの話です。
そのリファインのプロセスを楽しめたら最高ですね。

問題は「効率」かも

色々と考えていると、問題ばかり見えてきます。
それはそれで大事なことなのですが、もっと大事なのは

じゃ、どうするの?

ということです。

問題を指摘するのは誰でもできます。
同様に、問題に対して文句を言うのも簡単です。

では、どうする?

まず、現状を変えて試してみることでしょう。
で、何がどうなるかを見てみる。

どうも我々は
何かをやるには正解じゃ無いとダメ
すぐに結果が出ないとダメ
といったような考え方をしがちです。

確かに、すぐに望む結果が出れば、それはそれでハッピーでしょう。
効率が良いという言い方もできますし。

しかし、どうもその「効率」が、そもそも問題なのではないか、とも思うのです。

確かに効率が良ければ、無駄なリソースを使わずに済むし
何より、時間を有効活用して、最終的な結果のレベルを上げられそうです。

そう。
効率をトッププライオリティとすると、トライの回数は最低限にしたくなる。
その結果、ゴールに適合しないトライは
つまり、成功に達しない、いわゆる「失敗」は、「悪」となる。

チャレンジするということは
成功するまでのトライは全て成功していないわけで
言ってみれば、それらは全て「失敗」です。

失敗が悪なら、チャレンジの行程における数多くのトライは悪行のようなもの。
そんな価値観を持っていたら、チャレンジにはとても絶えられません。

でも、その「悪」を排除する方法があります。
それは…

やらないこと

どうも、この辺に問題の根源があるのではないかな、なんて思うのです。
我々は効率を追求して、たどり着いた一つが、「やらないこと」…?

何かとても皮肉で滑稽ですが、栄枯盛衰とも言います。
諸行無常が世の常です。

で、どうするか?
です。