レースが生み出すもの

レースは、燃料をぶちまいて
無駄なことをしているように見えますかね。
何を好き好んで、あんな危なくて不経済なことを…
と思いますか?

きっと興味が無い人から見たらそう見えるかもしれません。

やるにしても、見て楽しむにしても
それなりにお金がかかります。
でもこれは
多少なりとも経済を回すことに貢献していると言えるでしょう。

で、「燃料ぶちまき」の件ですが
実はレースで勝とうと思ったら
効率を上げないといけないのですよ。

マシンには決められた量の燃料しか積めなかったりするし
燃料搭載量のルールが無かったとしても
搭載量を減らせば軽くなるので
速く走りたければ、そうしたくなる。

となると、限られた量の燃料で
もしくは可能な限り少ない燃料で
大きなパワーを得たい
ということになります。

これ、効率向上です。

というわけで
一見、不経済でも
実はそうでもない側面があったりします。

あと、レーシングマシンを作る人
それを運用する人
関わる人の「熱量」は大事です。

この熱量が、新しい技術やアイデアを生みます。
もちろん、周囲にも波及します。

こういう
対象に熱くなれる
という資質は
良いものを作るには欠かせません。

なので、レースはとても大事だと思っています。

レースはチャレンジです。
チャレンジすれば失敗もしますから
そういう意味では効率は悪いのかもしれません。

でも
新しい何かとか
価値あるものは
効率が良いところからなんて生まれないと思うのですよ。

だって、そういうのが生まれるのって
決まってチャレンジからですものね。

鈴鹿8時間耐久ロードレースに思う

本日は、鈴鹿8時間耐久ロードレースの決勝でした。

今年は例年より早い開催となったため、当研究室腹はサポートクルーを出せませんでした。
残念です。
まだ夏休みの前で、授業がありますからね。

こういった規模の耐久レースでは、レース当日だけ手伝いに行けば良いわけではなく、少なくともレースウイーク、つまりレース開催の週は仕事がありますし、終了後は撤収作業がありますので、結構な日数が必要になります。

で、こういった耐久レースに参加した学生は、どうなるか?
それはそれは良い経験ができます。

耐久レースとはいえども、コンマ数秒を争うのは変わりありません。
例えば、8時間のレース中に、7回のピットインがあるとして、そこではタイヤ交換や給油、場合によっては修理も必要になります。

仮に1回のピット作業で1秒のロスをしたとすると、7回のピットインでは7秒です。
7秒の差は、ライダーの走行で縮めようとしたら大変です。
逆に、ピット作業で作られたアドバンテージは、結果に強烈に効いてきます。

ピットレーン上に行われる作業は、ピット内の段取りやスキル、戦略で組み上げられているわけですが、それはレース中だけで組み上げられているものではありません。

そう考えていくと、なかなか奥が深くて、それこそ総力戦であり
言われたことだけやればいい
知ってることだけやればいい
では通用しないわけで
この中から学べることは、言語化・形式化が可能なもの不可能なものを含め、実に膨大なのです。

反面、せっかくレースに行ったは良いものの、どうしたら良いか分からなくて受け身に回り、残念なことになったりもしますので、資質が試されるといったところでしょう。

レースは色んな事を教えてくれます。

予測が付かない未来に対応できるようになるためには

授業は
どうなるか
どうすべきか
が、すでに決められている世界です。

その世界での優位性が欲しいなら
突き進めば良いでしょう。

でも
「すでに決められている世界」
の住人になれそうもないなら
もしくは
なりたくないなら
今がチャンスです。

説明しましょう。

昨今の世界情勢は
先が見えません。
予測が付きません。

そんな環境で
どう考え
何をするか

このご時世で起きる出来事を
自分のゴールに向けて
ポジティブに解釈し
行動ができるか

こんな雰囲気の社会で
すぐに決めて行動できるか?

受け身に回らずに
発信できるか

安心を求める人から
不安定さを扱える人に変化するなら
先が見えず予測が付かない
今がチャンスです。

今チャレンジしておけば
その経験を使って
伸びることができる。

安定した世の中では
こんなチャンスはありません。

夢工房でチャレンジしているのはレースです。

知識や理論を用いて
「未来を当てる教育」をしているわけではありません。
そんなものは占い師養成講座です。
しかも、このご時世なら、なおさら当たらない。
あらかじめ決められた答えを当てられる
クイズ王を養成したいわけでもありません。

レースは何が起きるか分からない世界です。
なので、成長するには最も適したフィールドの一つでしょう。

天気も変わる
路面も変わる
マシンも壊れる
人もミスをする
相手も予定通りには動いてくれない

つまり、何が起きるか分からない。

予定通りにいかなかったときに固まらないこと
想定外の出来事を、単なる不運で終わらせないこと
失敗やトラブルを、次の判断材料として使えること
そして、自分が何を実現したいのかを見失わないこと

未来が分からないこと自体は問題ではありません。
問題は
分からない世界の中で
思考停止して
足が止まってしまうことです。

この先が見えないご時世で
何が起きるか分からないレースにチャレンジする。

だからこそ大きく成長できるし
だからこそ面白いのです。

学生達には
「安定した場所にいる人」
ではなく
「不安定な場所でも姿勢を保てる人」
になって欲しいものです。