「安定」は危険 ストレスは「敵」ではない その1

今読んでいる「反脆弱性」に

機械などの非複雑系は安定はすなわち「安定」だが
有機体などの複雑系にとって安定は死を意味する

といったようなことが書いてありました。
これ、どういうことかというと

機械などは、動作し続けると消耗していき、安定から遠ざかっていくが、人を含む生きものは、細胞レベルまで見て、安定しているということは死んでいることだし、完全に安定して変化しない状態は、死んで組織が分解しきった状態だったりするわけで、それはまさに究極的な安定である「死」だ。

ということ。
※原文ママではありません。

そんなことを考えていると、良く多くが目指す
将来の安定
は、決して良い事ではないのだな
と思うのです。

だって安定した状態を目指す生き方は、想定外の出来事には対応できなくなっていくというこでしょう。
それは、より弱く、脆弱に、そして無価値になる道ではなかろうか。

で、そこから脱するためには何が必要か?

それはストレスでしょう!
ということなのです。

そのストレスの正体は
変動性や変化、想定外の出来事やいわゆる失敗など
一般的にはリスクに分類され、避けるべきものとされます。

次回は、その辺の考え方を展開してみましょう。

アンチフラジャイルという考え方

以前から
「失敗からしか学べない」
なんてことをさんざん言ってきたわけですが…

その本質が分かる面白い本を見つけました。

ナシム・ニコラス・タレブの著作、「反脆弱性」(原題:Antifragile: Things That Gain from Disorder)これは上下構成の上巻。
2017年に出版された本なので、すでに出版から9年経っています。

私のネット上での検索結果やら、見ているサイトの履歴やらを元に、この本についての情報が提供されたのだとは思います。
最近考えていることに対して、ドンピシャの内容。

簡単に言うと、不確実性や混乱、ストレスから“利益を得る”ものの性質を説明した本です。
分かりにくい?

普段、私がブログのネタにしている「失敗」についての考え方が分かりやすいのだけど…

失敗という出来事に対して脆弱なのは「脆い」(フラジャイル Fragile)ということ。
失敗の衝撃や不確実性で壊れる。

それに絶えられるのは「頑健」(ロバスト Robust)ということ。
失敗の衝撃に耐える強さはあるが、変化で強くはならない。

大抵は、この二つの物差しでものごとを測るのだけど、ここに「アンチフラジャイル」(Antifragile)という概念を持ち込みます。
ちなみにAntifragileは著者の造語です。

これは、ストレスや失敗、不確実性によって進化する(強くなる)といった考え方。
例えるなら、筋肉みたいなものです。
高負荷で筋組織が破壊され、筋肉痛になるけど、その後は強くなる
というような感じ。

現在、50ページを超える長い目次とプロローグを読み終えて、やっと本編に入ったところではあるけど、「なるほど。そうだよなぁ」と思うことしきり。
新たな発見と言うより、確認作業みたいになっていますが、もちろん私より遙かに博識な著者が書いているので、大変勉強になります。

よく「小さな成功体験が大事」とは言われます。
確かにその通りとも思うけど、どこかに違和感を感じていました。

だって、成功は気持ち良いけど、そこから学ぶものはほとんど無いのですよ。

失敗しないための行動や、リスクの排除、知識の習得のみに専念することが、いかに人の成長に貢献せず、脆弱にしてしまうか。

言ってみれば
「小さな成功体験」よりむしろ
「小さな挫折体験」が大事で
そこから何を学び、どうするかが成長の鍵だな
なんて思いながら読み進めています。

すぐやるために

何度も記事にしていますが「すぐやる」の話です。

先送りしたものは、常に心のどこかに引っかかって、心理的なリソースを喰い続ける。
すると、ますます億劫になって、できなくなる。
ストレスとは時間と共に蓄積していきます。

なので、できることはすぐやってしまうことが重要。

やるべきことのハードルが高ければ、壁が厚ければ、一気にやっつけるのは難しい。
なので、そういう場合は「できること」には分類されず、先送りになる可能性が高い。

ではどうするか?

一つは、難易度が高いものでも、その中からすぐできそうなことを抽出するとか、概要を単純化するとかして、手を付けられるものだけでもやってしまう。
それだけでもかなりストレスは変わってくるので、その後の行動が変わります。

もう一つ。
これは考え方の問題。

「やる」となると、まるでテストの問題を解くように「正解」でなければならない
と思っていないかな?

別に良いのですよ。
一発正解じゃなくても。

まずやる
間違えても、低レベルでも良いからやる。
そして、その結果を観察して評価する。
結果としてダメだったものは仕方ないので、次はどうするかを考える材料にする。
そんな感じで良いのです。

とにかく手を付けてしまえば、やる前よりは確実に前に進んでいるわけで
状況は良くなっていることがほとんど。
少なくとも、精神的には楽になっていたりするものです。

良い結果が欲しければ、リファインを継続すれば良いだけの話です。
そのリファインのプロセスを楽しめたら最高ですね。