オーストラリア遠征 Day 8 イベント最終日

今日はイベント最終日。種目はオートクロスイベントとエンデュランスイベント。オートクロスは日本で言うところのジムカーナで、パイロンで形作られたコース1周のタイムを競います。ドライバー2名でそれぞれ2トライ。エンデュランスは同様のコースで二人のドライバーがそれぞれ11周ずつ、ドライバー交代を挟んで合計22周走り、タイムと同時に燃費を競います。

コース到着後、マシンの最終チェック。致命的な問題は見つからなかったので、ルーティンのメンテナンス。

オートクロスの一人目の走行を終えたところで問題発生。スロットルボディを固定しているブラケットが破断していました。オートクロスの二人目のドライバーの走行をキャンセルして修復します。

急遽、隣のシドニー大学から材料を分けてもらって部品製作。

1時間程度で、最後のエンデュランスの開始まで余裕を持って作業完了。

エンデュランスのスタートはまあまあ。順調に周回を重ねて…

と思いきや、なぜかコースのあちこちでエンストと再始動を繰り返します。そして数周走ったところでついに完全に停止。

ドライバーは、走行中にエンジン回転数が低すぎたとのことですが、ギア比はコースを元に設定しているはずなので、普通に走っていて回転数が低くなりすぎることは無いはず。

どうやら、ドライバーがトランスミッションのギアの段数を勘違いして高いギアで走行していた模様。

その後、ピットに戻るとユニフォーム交換希望者が大挙して押し寄せていました。

こんなに集まっちゃって、とても全員分なんて手持ちはありません。今さら交換できないなんて言ったら暴動が起きかねません。何とかフェアなやり方はないかと思ったところで、メンバーが思いついたのが「ジャンケン大会」です。これは大いに盛り上がりました。

その後はチームフォト。これも毎年恒例の盛り上がるイベントの一つ。

そして表彰式。我々はアクセラレーション1位の部門賞の盾を頂いて無事終了。

このように、とりあえずは無事に大会を終えたわけですが、結果については複雑な心境ではあります。というのも、現状のチームの実力から言えば、部門賞で1位を獲得するのは出来過ぎです。これは運が良かったとしか言いようがありません。そして、運を掴めたのは、同行してくれた卒業生、トラブルに遭遇した時に、地球の反対側から現役メンバーへのアドバイスをくれた卒業生たちによるところが大きいのです。もちろんそれは、チームのこれまでの歴史そのものと言って良いわけで、現役生たちだけによるものではありません。その点は大いに感謝して、自らの実力だなどと勘違いしないようにしなければなりません。

幸いにも、その点に関して現役生たちは謙虚に受け止めており、次回に向けての動機の一部となっているようです。

今回の参戦は、チーム再起動を賭けた一戦だったのですが、現状においては、望ましい方向に舵を切れたと感じています。

オーストラリア遠征 Day 7 イベント3日目

今日はスタティックイベントの最終日。明日からクルマを走らせるダイナミックイベントが始まるので、イベントをこなしながら明日の準備も同時進行で行います。

朝、プラクティストラックでテスト走行をしたかったのですが、不安があったラジエーターからの水漏れが再発。補修。

今日の最初のイベントはプレゼンテーションイベント。マーケティングプランなど、基本的には純粋に売り込みをプレゼンテーションします。担当者だけで個室で実施されるので、内容がどうだったかは分かりません。

設計内容を審査するデザインイベントでは、準備不足は否めないものの、予想外の健闘。順位は期待できないかもしれませんが、やるだけはやった感じです。

その後、明日のダイナミックイベントに向けてプラクティストラックでテスト走行をしようとしたら…実はエンジンの燃料噴射マップが完成していないことが発覚。
なぜ今!?という感じですが、この辺が学生イベントの難しいところなのかもしれません。
この時点でイベント会場のプラクティストラックはクローズ。明日は過去のマップデータでイベントを乗り切ることなりました。

オーストラリア遠征 Day 6 イベント2日目

深夜3時過ぎに、やっと修復完了。動作確認のためには、エンジンを始動する必要があります。よって、騒音を出しても迷惑がかからない場所に移動します。さすがにホテルの駐車場では無理ですから。

メルボルンの都市部にそんな場所があるのか?
あります。空港です。
滑走路を挟んでターミナルの反対側にある駐車場が長年かかって見つけた秘密の場所。

結局ここでもエンジン始動せず。
しかし、トラブルの原因は確定しました。燃料ポンプの配線が断線していたのが原因です。

急いでホテルに戻って修復。
幸いにもホテル隣接の道路の交通量が増えて騒がしかったので、ホテルの駐車場でエンジン始動を確認。

何とかエンジン始動ができ、当初の出発時刻としていた6時40分は変えずに済みました。

競技は今日からスタート。本日は、クルマを走らせないスタティックイベントのうちの一つと車検です。

8時からは開発コストを評価するコストイベント。事前準備ができていなかっただけに、かなり低レベルな内容となりましたが、今後に向けての勉強にはなったようです。

続いて車検です。Formula SAEの車検は、各チームかなり苦労します。車検が通ると歓声が上がるほど。
車検が通らずにイベントをロストするチームも発生します。よって、車検をいかに早く通過することが重要なポイントでもあります。

まずは車体構造をチェックするテックインスペクション。多少の手直しを指示されたものの、無事通過。

続いて車体を傾斜させて燃料などの漏れチェックと横転限界をチェックするティルトテストも合格。

続いて排気騒音を測るノイズテスト。
これは規定の110dbに対して118dbで要改修。急いでピットに戻り改修作業の結果…

通りました。

そして最後のブレーキテスト。フル加速後に規定の位置でフルブレーキをして、四輪ともロックすれば合格。

これも合格。

驚くことに、本大会で車検終了一番乗りだったようです。

このステッカーの白いエリアに4つの小さなステッカーが揃い車検終了です。

明日は残りのスタティックイベント、設計内容を競うデザインイベントとプレゼンテーションです。