やりたいヤツにはやらせよう

やりたくない者に無理にやらせちゃうと色々とよくないですね。
本人にも周囲にも。

「やる」と「やらされる」の区別が付かなくなって
「とにかく楽したい」になりがちです。

でも、やりたいのならドンドンやらせたら良いと思うのです。

コロナ禍前の夢工房は
「不夜城」
と呼ばれていました。

いつも誰かが泊まってました。
過去には、数週間、数ヶ月家に帰らない猛者もいました。

そんなことができていたのは
塀に囲われておらず、オープンな環境になっている
当キャンパスの特徴を存分に活かしていることに加えて
大学の理解があってこそなのですけどね。
ありがたいことです。

もちろん今は
感染対策をしながら結構遅い時間まで活動していますが
毎日帰宅しています。

私はといえば、安全面の管理などもあるので
とりあえずは彼らに付き合ってはいますが
いちいち細かい指示などはしていません。

一応、指導教員という位置付けですが
活動の上ではアドバイザーという立ち位置にいます。

これ、どういうことかというと
彼らがやっていることの確認と評価が中心で
アドバイスを行うということです。

学校での指導というと
教員が、あれやれ!これやれ!言うことを想像するでしょうけど
そんなことをやっていたら、いくらやっても
「言われてやる人」を量産してしまうだけで
全く意味がありませんから。
そういうのは授業で十分です。

それに、レーシングカーを作るために
教員が考えて学生に指導するなんてことをしていたら
いくら時間が合っても足りません。

やらせるための検討や準備に要する工数は
考えただけでもゾッとしますし
結果として
マスターがいなければ何もできない忠実な奴隷
みたいな学生を量産することになってしまいます。

話を戻して
「不夜城」夢工房の良いところは
学生がやりたいことを気が済むまでできる
というところです。

もう一度言います

やりたいことを気が済むまでできる

こんな経験なかなかできませんよ。

もちろん、活動には大学をはじめ
色々な方面のサポーターがいるので
無責任なことはできないし
楽しいことばかりではありません。

でも、やりたいことを気が済むまでやった経験は
必ず後の自分を支えてくれるはずです。
その方向で成長していけば
彼らの努力は、きっと世の中のためになるでしょう。

彼らが社会に出れば
やりたかろうが、やりたくなかろうが
多くは一律に労働時間に制限が掛かってしまうわけですが

こういう環境で頑張った経験があると
そういう制限の中でも頑張れるようです。

何も学生のうちから
時短して生産性アップ!
みたいなことはする必要は無いと思います。

とにかく経験の数を増やして
伸びるだけのびることができるのは今しか無いのですから。

ぼちぼち皆さん再起動

そろそろコロナ禍が沈静化しそうな気配がありますね。
まあ、収まらない疫病は無いでしょうから
遅かれ早かれ収束するはずですが。

この夏あたりは、今まで我慢してた人達が動き出しそうですね。
日本は世界的に見ても魅力的な観光地だそうです。
東京オリンピックでは、本当は行きたかったのに我慢してた人達もいるでしょうし
円安の影響もあるのでしょうね。

なので、入国の制限が緩和されたら
世界中から色んな人達が来て賑やかになりでそうです。

いままで苦労して耐えてきた
観光とか飲食関係の方はもちろん
色々な業種の皆さんの再起動が始まりますね。

夢工房で活動する学生達も
今まで中止になっていたイベントが開催の方向で動き出したので
かなり活気づいてきています。
3年ぶりの海外遠征再開です。

ということは、3年生以下は海外遠征の経験が無いのです!
なんとビックリ!
ここ20年間、そんなことありませんでしたから。

でも、彼らはこの自粛期間中に高いモチベーションを保てていた彼ら
果たして初の海外遠征で何をやってくれるのか
今から楽しみです。

彼らは国内外の色んなイベントに参加していますが

このまま順調に行けば
エコランが、もてぎ大会と全国大会
惑星探査機が、アメリカと種子島
フォーミュラSAEは、オーストラリア
二輪では、鈴鹿の8時間耐久
こんな感じです。

正直なところ、コロナ禍ではオンラインがメインでしたので
実作業がおろそかになっていました。
とはいえ、最近ではかなり色々できるようになってきていて
今年は例年に無く高いレベルのチャレンジをしています。

それでもそれは
今後に控えている長期計画の第一歩に過ぎません。
面白くなってきました。

チームワークがものを言う

学生のうちに絶対にやっておくべきことの一つに
チームワークで何かをやる
ということがあると思います。

これ、「思います」じゃなくて
「絶対」ですね。

そもそもなぜ
会社組織をはじめとして
組織で仕事をするのか
というのを考えてみれば分かりますが
互いの得意なところを利用して
互いの不得手なところを補い合って
一人では不可能なレベルの
より大きな力を発揮するために組織は存在するわけで
そのための経験を学校でしておくことは重要です。

組織を構成する各人のパフォーマンスがそこそこ高くても
皆が同じような能力や特性を持っていたら
恐らく組織としては大したことはないでしょう。

さらに、その状態で
それぞれの力を結集することができなければ
恐らく致命的なことになります。

逆に、平均点としてのパフォーマンスが低い者でも
何か光るものを持っている
それぞれが違った強みを持っている者の集団で
その力を結集することができれば
かなりのパワーを発揮できます。

そういう経験を身に付ける機会は
どんどん減っている気がするのですがどうでしょうか?

個々人それぞれが
皆で同じようなことをやって
皆が同じようなことを学んで
皆が同じようなものを目指す

そういうのが必要なシーンもあるでしょうけど
それだけで良い世の中になればいいのだけど
どうなのでしょうか。
日々理想に近づいていますか?
そもそも理想はありますか?

夢工房では
色んな志向を持った者が頑張っていますが
その多くは入学時には、ごく普通の学生です。

ただ、自動車とか惑星探査機とか
そういったものに興味がある
と口にできて、行動することはできています。

とはいえ、やはり最初は結構普通です。
受け身だったり
それぞれがバラバラだったり。

その状態でコンペティションのためのことをしていくと
必ず壁にぶつかります。

この壁は「それまでの考え方・やり方」では
乗り越えることができません。

そりゃぁそうです。
コンペティションですから。

なので、必然的に壁を乗り越えて
成長せざるを得なくなるのです。