それでもやる だからこそやる

コロナの影響が出て
早くも2年ですか。

参っちゃいますね…
と言うべきかもしれないけど

夢工房は可能な限り
できることをやっているので
あまり参っちゃっていません。

もちろん様々な対策や配慮はすべきで
感染予防などはやっていますし
部屋の人数制限、時間制限などもやっています。

でも、できることを頑張っています。

もう我慢できない!
とかいう感情的な話ではないのです。
そんなやり方をすると冷静さを失って
やるべきことができなくなるのがオチですので
状況に合わせてベストを尽くしています。

だって、ここにいる学生達は20歳そこそこで
彼らにとって、この2年は人生の10%に相当するのですよ。

ここで我慢しっぱなしで
やるべきことができないとなると
人生かなり変わっちゃいますよね。

将来の計画云々はもちろんなのですが
20台前半は
あたかもロケットの発射台の角度を決めるような
今後の人生のベースになる
大事な部分を作る時期です。

ですので、様々な企画や開発作業はもちろん
チームメンバー同士はもちろん
色々な人とコンタクトを取って
色々考えて色々やってます。

もちろん製作作業だって
色々工夫しながら
かなり頑張っています。

あと、こんなストレスの溜まりがちな状況だからこそ
本音の部分や弱点が見えてくることもあったり
思いがけない強みが見えたり
そういうところに手を付けるなら
今がチャンスというのもありますし

平常時以上に
コミュニケーションの重要性というか
コミュニケーションで成長できること
そんなのも見えてきた気もします。

やはり、ものごとには多面性があるわけで
良い面を見て利用できれば
何事もプラスにできるってことですね。

やはり今がチャンスだ。

利他とか利己とか

「他の利益のために」なんてきれい事だ!

という考えもあるでしょうから
今回の記事を書いてます。

そういう風に思っちゃうとしたら
当然ですが
自己の利益を最優先に考えているからだと思います。

そんなあなたに
この「きれい事」のメカニズムを解説しましょう。

あ、別に、そんなあなたじゃなくても良いのですが。

極端に考えると分かりやすいです。

「他の利益のために」
の反対にあるのは
「自己の利益のために」
です。

これだけだとピンとこないでしょうから
時間軸を付け加えてみましょう。

「今」

「長期的に」
です。

これらの組み合わせから
極端な二つをあげるとすると

今、自分が良ければいいのだ

長期的に、皆のために
になるでしょう。

さて、ここで一度視座を変えましょう。

そんな風に自分が考えているとしたら
から
そんな風に考えている人がいたとしたら
として

あなたは
異なる反対の考え方を持った二人を見ています。

そしてあなたは
何かしらのチャンスを持っていて
それを手渡す相手を探しています。

そのチャンスは何でもいいです。
例えば、どこか他所から受けてきた
面白そうな仕事とか。

そのチャンスを上の二つの考えを持っている二人の
どちらかに手渡すとしたら
どちらを選びますか?

「今、自分が良ければいいのだ」

という人には
間違っても渡さないでしょう。

そういうことです。

でも、チャンスをもらえなかった人は
なぜそうなったかが分からないことが多いです。

自分は運が悪いとか
不公平だとか
そんな風に思うかもしれませんね。

利己的な人でも
いわゆる出来の良い人はいますね。

出来が良いからといって
そういう人にチャンスを渡しちゃうと
大抵はロクな事になりません。

利益の対象の範囲と
時間軸の長短を組み合わせると
面白いことになります。

「今、自分だけが良ければいいのだ!」
これは犯罪者の心理です。

「長期的に、自分だけが良ければいいのだ!」
これは欲深い人で寂しい人。

「今、皆がハッピーになるといいな!」
これは良い人。楽しい人。

「未来永劫、全人類が幸福でありますように!」
そのためにあらゆる犠牲をいとわないなら、それは神様。

一番上と一番下を全力でやり始めたら
ちょっと怖いかもしれませんので
別に極端である必要はないのですが
どの辺でやっていくかは、あなたの自由です。

でも、下寄りの方がハッピーでしょうし
世の中は良くなるでしょうね。

どうもうまくいかないな
という人は、この辺を調整するといいでしょう。

で、どうせやるなら
自分の好きなことや得意なことで
皆に喜んでもらえるのがハッピーですよ。
その方が頑張れますしね。
何度も言ってて恐縮ですが。

こんな知ったような偉そうなことを書けるのも
自分が散々やらかしてきたからというのと
色々なところに身を置く機会を頂いて
色んな経験をさせてもらえたからだと思っています。
ありがたいことです。

私の仕事

私は大学では教員なので
授業があれば教えますが
できれば教えたくないのです。

職務怠慢?

いえいえ
教えれば教えるほどできなくなるからです。
何度もネタにしていますが。

授業は仕事だからやります。
もちろん興味深いネタを教えてあげれば
食い付きも良かったりして
そこそこ頭に入るでしょう。

でも、そういうのにグイグイ食い付いてくるのは
モチベーションの高い2割くらいです。

残りは
やれと言われればやる4割と
やれと言われてもやらない2割
そんな感じです。

それに、それがうまくいっても
「知っているだけ」です。
何かができるわけではありません。

卒業したら、教わったことの
ほとんどは忘れちゃいます。

別に悲観しているわけでもなく
本学が特別ダメなわけでもなく
世の中そんなものです。
学校でも会社でも。

夢工房での学生との付き合い方は
ちょっと参考になるかもしれません。

ここでやっていることは授業ではありません。
学生の主体的な活動です。

その中には、卒業研究生の4年生も混ざっていますが
彼らは、やりたいことをやるために
私の研究室に入ったわけだから
チームの一員として自主的にやりたいことや
やるべきことをやってもらいます。

というわけで
ここ、夢工房での私は
「あれやれ!これやれ!」
という教員ではないのです。

立ち位置としてはアドバイザーです。
アドバイスをします。

なので、アドバイスをするための「元ネタ」が必要です。
それに対してアドバイスをするのです。

彼らがやっていることに対して口を挟む
といったこともありますが
そういったことは理想ではないです。

彼らが提供してくれたネタに対してアドバイスをしたい。

なので、元ネタが提供されなければアドバイスはできません。
また、完璧なものが提供されたらアドバイスは要りません。

ところが、学生はどう考えるかというと…

間違っているかもしれないからアウトプットできない
完璧にしてからアウトプットしたい
だってそうしないと先生は「ダメ」って言うから。

そりゃ言うよ。
それが仕事だから。

まぁ、気持ちは分かります。

大事なのは
とにかくやること
ダメでもいいからやってみること
ダメでも良いからアウトプットすること
そしてそれを改善すること

学生達がすべきことは
正解を出すこと
じゃなくて
良くすること
解決すること。

もちろん、勇気とか努力とタフネスが必要ですが
そんなの当然のことで、それが現実です。

学生のうちは、うまくいくことより
むしろうまくいかないところに
おいしいところが隠されています。

作った部品だろうが図面だろうが
それを作った人そのものが
作ったものに現れます。

なので、アウトプットすると
何を考えてどうなったのかが分かるし
それがあればその後の方向性も分かる。

何より、ダメなのを良くしていく
というプロセスこそが重要なのです。
それが成長そのものだから。

それに、そういう風に動けないなら
社会に出てから自ら成長できません。

学生のうちに成功すれば
それはそれで結構なことだけど
大事なのは社会に出てからの戦闘力です。
自動的に成長できるような下地が作れれば
それはもう大成功!

インプットしたことを単にアウトプットするような
指示待ちの「生きるパソコン」を作っているわけではないのです。