仕事って何だろう?

特に、何か新しいものをつくる仕事についてです。
「もの」とか「つくる」を、平仮名で書くのはなぜかというと
産業だったり、農業だったり、アートだったり
形があるものだったり、そうでなかったりするから。
基本的には、何かアウトプットするものを形作るということです。

そのためには…

相手に渡すべきものが必要
なので
それをつくることが必要
なので
それを考えることが必要

となるわけですが、ポイントは、これらは全て未来におけることだということです。

今、この瞬間ではなく
未来において、相手に価値を渡す
そのためのことをする
それが「仕事」です。

未来は不確定なものなので、想像するしかありません。

なので
未来を想像できない
相手の気持ちとか状態、環境などを想像できない
となったら、それは仕事ができないということ。

ただ、想像したところで、ハズレることもあります。
やってみないと分かりません。
なので、一定のリスクから逃れることはできません。

そのリスクを取れない場合も、仕事ができないということになります。

これは、劣っているとか優れているとか
善とか悪とか、そういうことではありません。
人にはそれぞれ適性とか志向があります。
誰もが同じことをやらなければいけないわけではありません。

想像力を要したり、リスクを取る必要がある仕事はある
というか、大抵の仕事は、多かれ少なかれそういったものを求められるわけで

自分に仕事を合わせるか(仕事の選択)
自分を仕事に合わせるか(自身の成長)
これらのいずれかを選ぶ必要があります。
まぁ、両方とも必要でしょうけど。

自分が、どうなりたいかを決めて、磨く
ってのが、カッコよくて面白いと思うのですけどね。

昔、良く言われましたよ
「先を見ながら、足元も見て、仕事すんだよ!」

未来を想像しながら、そのために今を頑張れ
ってことです。
うん、そうですね。

テクノロジーの発達と我々の人生

別にそれほど大した話ではありませんが、夢工房では週に一度、皆で色々話し合う機会があります。
今日は、こんな感じの話を学生達としていました。

クルマが自動運転で、しかも空を飛んじゃったり、ロボットが炊事・洗濯・掃除をしてくれたり、わざわざ遠い場所に行かずとも、仮想現実で色々経験できたり。
そんなのが私の子供の頃の典型的な未来の暮らしのビジョンでした。
今もさほど変わらないかもしれませんね。

そもそも多くのテクノロジーは、ユーザーの労力やリスクを低減することが主な目的の一つでしょう。そのために発達してきました。

あなたは、テクノロジーが発達して、色々便利に、楽チンになって、安心安全な暮らしになることが理想ですか?
そして、どこまでも果てしなく、その方向で発展していくのが理想ですか?

余計なことは、可能な限り…いや、一切やらなくて済む未来。
一切の困難や苦痛が無く、自らは何もする必要が無く、与えられる楽しいもの、美味しいもの、快楽を受け取るだけで良い。
それが究極の未来の理想?

そんな極端な状態が手に入れられるか否かは別として、もしそうなったとしたら、それは…
単なる消費マシーンではないですか?
そんな状態で、果たして生きる意味があるのだろうか?
そもそも生きる意味って何なのだろうか?

消費に要する代金を手に入れるために、言われたことを我慢してやって、給料という名の我慢代を受け取る。それが仕事?

果たして自分は、そんな未来を望んでいるのか?
そこまで明確で無いにしても、その方向を向いていないか?
そうでないなら、どんな未来を望んでいるのか?
その未来で、どんな役回りをしたいのか?

この件に関して正解は無いと思います。
自由です。
自分で決められます。

皆さんはどうですか?

精密加工から学ぶ

今日は夢工房のメンバーとともに、以前からお付き合いのある小金井精機製作所という会社に工場見学に行ってきました。
夢工房では毎年の恒例行事のようになっています。

何をやっている会社かというと、社名の通り精密加工なのですが、これがちょっとやそっとの精密加減ではありません。
恐らく世界最高レベルと言っても過言ではないと思います。

精密加工と言っても、小さいものとは限りません。
巨大な精密部品もやっています。

分野は空から陸まで。
いや、宇宙までですね。

世界中の名だたる企業からオーダーが入ります。
なぜかというと…そんなレベルの高精度な部品は自社では作れないからです。

個人的な印象としては、最速マシンのための最高の部品を最速で作る、という感じでしょうか。

色々と詳しい業務内容を紹介したいところですが、何せ機密度の高い仕事ばかりやられているので、とても口外できません。
積極的に自社PRできないのも、その辺が理由です。
世界最高峰の技術レベルを持っているのに、表だって宣伝できないのです。

そんな精密部品をどうやって作っているかというと、当然コンピューター制御の加工機を使うのです。
コンピューター制御の機械なら、良い機械買えば精度出るんじゃん?
なんて思ったりするかもしれませんが、ところがどっこい。
誰がやっても同じなら、小金井精機にオーダーは来ません。

そして、求める精度のレベルが極まると
「このレベルのこういう仕事なら、あの人がやるしかない」
といったエキスパートの出番が来ます。

彼らは技術で勝負していますが、「手先」だけではない。「頭」だけでもない。

やはり「人」ですね。
何のために、どう考えて、どうするのか
それによって結果が決まります。

社長さんをはじめ、従業員の皆さんは、オープンなマインドを持った素晴らしい人達ばかり。
実は、当研究室の卒業生はもちろん、本学の卒業生も何人もお世話になっています。

「技術は人なり」
は本学の理念ですが、それを地で行っています。
現場を見せて頂いて、話を聞いて、納得です。
今回も大変勉強になりました。
というか、恐れ入りました、という感じです。

そうそう、皆さんマインドはオープンですが、口は堅いですよ。
仕事が仕事なので。